8.人間の盾
こんなこと、いちいち書く必要ありませんが、念には念を入れて、再び書きます。反ロシア的な内容が気に入らないのであれば、読まないで下さい。
ここからは、侵略者ロシアに対する批判を読みたい人だけがお読み下さい。
2024年2月23日におこなわれた国連総会では、ロシアの代表が「ウクライナの平和のために特別軍事作戦を遂行しなければならない」と発言したそうです。こんな恥さらしなことを、よく言えますよね。ロシアの上層部は、みんなこんな感じです。いつまで、ウクライナをめちゃくちゃにする欠陥作戦を続けるんでしょうか?
以前、『特別軍事作戦(笑)』と呼ばれている動画を観ました。実に的確な表現だと思いました。侮辱の意味ではなく、本当に馬鹿馬鹿しい作戦だという意味で、ですよ。
侵略者ロシアは、戦争と呼んでいない戦争の呼び名を『特別侵略作戦』にでも変更したらどうですか?
M4中戦車「侵略を続けるロシアは馬鹿げている」
貴族の豪邸であることから、ここはそれなりに広いが、戦う場所としては狭い。
べとべとさんはソファーに置いてあったクッションを、牽制のため小豆ばばあに向かって投げつけた。
さらには、べとべとさんは姿を消し、小豆ばばあの背後を取った。
「地獄に落ちろとさっ! 奥義べとべとぱとりおっと!」
べとべとさんが小豆ばばあの頭を棒で叩きつけることが出来た。一連の行動がついに功を成したのである。
「……何?」
だが、べとべとさんは動揺した。
一撃を当てて一旦は消えたはずの小豆ばばあの背後の鬼火が、すぐに復活したからだ。
浮いているのは、最初と同じく、三個。何も減っていない。
「確かに、君の鬼火の数のほうが、最初こそ遥かに多かった。でも、君とボクの鬼火では、質に圧倒的な差があるんだ。君には、ボクを倒せないだろうね」
冷静に敵は語る。
すでに、べとべとさんの鬼火は三つしか残っていない。十一回も、敵から攻撃を受けてしまった。
勝利が遠退いた分、べとべとさんは防戦に力を入れるしかなかった。小豆ばばあの単純な波状攻撃を棒でどうにかさばきつつ、後退する。
あなたやジーリエスのいる方向に、べとべとさんが近づいて来る。
最後には、小豆ばばあの振り下ろす攻撃をかわすため、ジーリエスを盾に使った。無理矢理ジーリエスを前に出して後ろで隠れる。
「きゃあっ!」
ジーリエスの頭に敵の棒が直撃した。
これにはさすがにジーリエスも怒った。
「なんで私を盾にするんですかッ!」
戦闘中でありながらも、頭を押さえながら味方に抗議する。
「これはしかたのない特別臨時作戦なんだッ! だから、民間人や民間施設に被害は一切出ない!」
「私がぶたれたじゃないですか!」
「お嬢様は民間人ではない! お嬢様はうちのご主人様だから紛争の当事者! だから違法じゃない!」
「言い訳自体に意味がありませんでした!」
「うるさい黙れ! 強制連行するべと!」
あなたの前では見苦しい仲間割れが起こっている。
「べとべとさん、さっきから敵側みたいな言いわけばっかりなんですけどっ!」
「そう! うちは、あえて敵を罵倒するため、わざと敵と同様のことを語っている!」
「――きゃっ!」
「お嬢様っ!」
べとべとさんとジーリエスの口論中に、小豆ばばあが再びジーリエスの頭を叩いた。明らかに彼女のほうを狙って叩いていた。
べとべとさんが素早く棒を横方向に振るうと、小豆ばばあは跳躍して後方に下がった。
「お嬢様を一度だけならず、二度も叩くとは……。許すわけがないべと! この侵略者め!」
「一度目はべとべとさんにも原因があります!」
怒りに燃えるべとべとさんに、同調出来ないジーリエス。
「……これを借りる」
べとべとさんはジーリエスから、あなたを取り上げた。べとべとさんが自身の黒髪に装着したため、あなたにはジーリエスの顔が見られるようになる。
少し目つきの悪い伯爵令嬢は、驚きの表情でべとべとさんの左目を見ていた。あなた……小さな貝の髪飾りを使って、左目を隠していた前髪を横に留めたからだ。
「べとべとさん……髪で隠していた片目を出すの、初めてですね。もしかしたら瞳の色、違うのかと思っていましたが、同じ色でした」
「うちは両目の色が違うような、特別な妖怪ではない。でも、愚かな侵略者を撃退出来る、優秀な妖怪ではある」
両方の青い瞳を出したべとべとさんの顔を、あなたは見ることが出来ず、緑の瞳のジーリエスの姿が映る。
「この九十九神には、若干の『負の力』が秘められている。さらには、両目を使うことで、より視界を良くすることが可能」
「最初からそうしたほうが良かったのでは?」
「そろそろ、小さな侵攻国の手先を、確実に排除追放しようと思う」
べとべとさんはジーリエスの疑問には答えず、敵に向かって大和棒を力強く構えた。
IV号戦車E型「ロシアはウクライナの領土から出て行け」
住民保護やら集団的自衛権に、ウクライナ各地の施設の破壊は関係ないでしょう。侵略者は撤退するか、させるかのどちらかです。
最低で理不尽な言いわけをする侵略者側は、よく報復と言っています。侵攻している側が使える言葉ではないでしょうに。
やられたくないなら、撤退すればいい。ただ、それだけ。