15.敵は盗んだ自動二輪で移動する
みんなで叫ぼうのお時間です。
みんなで、叫びましょう。
「侵略国家ロシアになんか絶対行きたくねぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
侵略国ロシアには、一生行くことは無いでしょうね。
玄関をジーリエスが開いた。外はもう真っ暗だと分かる。
「ありがとう」
小豆ばばあが玄関口を通過する。それをあなた達は見送る。
「今日は徒歩で来た?」
べとべとさんが聞き、小豆ばばあは体ごと振り返る。
「途中まではね。あとは地下鉄経由だ」
「……申し訳ない。帰りの電車賃を出せず、すまない」
「気にしないでいいさ。機会があれば、また会おう」
「うん。妖怪とにぽぽ、世界の国々に平穏を。侵略者達に滅亡を」
「侵略者達に滅亡を」
小豆ばばあは復唱した。
「夜なので、気をつけて帰って下さいね」
「ご心配ありがとう。ジーリエス嬢、これからもべとべとさんと仲良くな」
「はい」
ジーリエスとべとべとさんに背を向けた小豆ばばあは、軽く手を挙げてあいさつし、庭を通って去って行った。
「べとべとさんが玄関まで見送りに来るのって、めずらしいですよね。エージェントさんが同じ妖怪だからですか?」
ほのぼのと言うジーリエスに対し、べとべとさんの目つきはジーリエス以上に鋭かった。
「侵略者達は、移動するのに盗んだ自動二輪を使っていると聞いた」
「最後まで疑ってました!」
「だから、謝った。申し訳ない。帰りの電車賃を出せず、すまない、と」
「二度謝ったのはそういうことだったんですかっ!」
ともあれ、エージェントABBAの疑いは晴れたのである。
なお、小豆ばばあがくれたお土産のたい焼きは、台所に合計十二個もあった。しかしながら、べとべとさんが毒見と称して、半分ほど一気に食べてしまっていた。それでも全然太らない体質を、ジーリエスは羨ましく思うのだった。
ロシアやウクライナによって破壊された車両を、これまでたくさん見てきました。侵略の支持者達こそ、破壊されてほしいです。破壊された車両の車輪以下の価値もない存在達。




