1.夜道は単色の芸術で描かれる
注意。本作ではウクライナを苦しめる侵略者ロシアを非難する内容が多く含まれています。前書き後書きも同様です。そういうのが嫌な人は読まないで下さい。
あなたは白と黒とコマ割りで描かれた世界――漫画を見ていた。
その中では、胸部の小さい制服の女子が、夜の帰り道を歩いている。
やがて、彼女は背後から足音がしていることに気づく。
「誰かいるの?」
立ち止まって振り向いても、そこには誰もいなかった。
女学生が再び夜道を歩き始めると、また足音が聞こえて来る。
先ほどのように後ろを見ても、やっぱり誰もいない。
「これはもしかして、有能な妖怪のべとべとさんでは……」
彼女はつぶやく。
また歩くのを再開し、足音が聞こえたところで、
「べとべとさん、先へお越し」
女学生は振り向いて言った。
今のは、姿の見えない妖怪とされる『べとべとさん』に遭遇した際の、広く知られた対処法だ。こう話しかけることで、妖怪べとべとさんは去って行くと言い伝えられている。
実際、足音が消えた。
女学生は安心しきった顔になるのだが、彼女の横から追い越そうとする者の姿がはっきりと見えた。
「えっ?」
左目は黒い前髪で隠れていたが、べとべとさんは巨乳の美少女だったのが、あなたにも分かる。白い着物を着ていた。
女学生は美少女妖怪べとべとさんに惚れた表情を向ける。
「ちょっと待って! やっぱり今のなし! その巨大で素晴らしい胸で私を挟んで!」
そう女学生が叫ぶと、長い黒髪のべとべとさんは微笑みながら着物をはだけさせ、白いブラジャーを着けた特大の胸部を女学生に晒した。そして、女学生の頭部を正面からギュ~ッと絞めつけるのである。
胸部に埋もれた女学生の、昇天しそうなぐらいに幸せそうな顔が見られた後……、――事態は急展開を迎える。
最後の大きなコマでは、翌日の悲惨な姿が描かれていた。上からの見下ろし作画で、女学生が歩道に倒れている。サイレンの音も、文字で加えられている。
右下では顔の描かれていない女性ニュースアナウンサーが、
「本日の早朝、県内の歩道で女学生の絞殺体が発見されました!」
と報じており、左下には太字で、『完』と、あった。
誰かが誰かを殺害するのは、犯罪です。今回の話は漫画であって、実際の犠牲者は出ていませんが、現実社会では犯罪者によって被害者の命が不当に奪われたりしてします。
侵略は、国家規模の犯罪です。ウクライナを苦しめているロシアは、ウクライナに攻め込む理由として、非武装化させるため、と説明しています。非武装化を求めているのに、自分達は武力で攻め込んでいるなんて、おかしいと思わないのでしょうか? こんな理由で正当化出来るのであれば、犯罪も正当化出来ますよね。
ロシアは2022年2月24日、隣国ウクライナへと侵攻を開始しました。
侵略者ロシアはウクライナを破壊し、同年9月30日にはウクライナの東部ルハンシク州、ドネツィク州および南部ザポリージャ州、ヘルソン州を併合しました。武力で領土を奪い取り、占領地で併合のためのおかしな住民投票をやって、「これが正しいんだ」みたいな態度でいる侵略者ロシアは最低な存在です。
犯罪国家ロシアがウクライナから自ら撤退するか、あるいはウクライナによって追放されることを願い、本作を書き始めた次第です。文句があるなら、ロシアに侵略をやめろと声高に叫んで下さい。