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第1話 スタンダードなセクハラってこれだよね

オタクに優しいギャルが好きだけど、もうそんな年齢ではないので

あったらいいなを詰め込むつもりです

「でさぁ♡オタク君はどんなパンツ穿いてんの?」

「い、いや……どんなって……」

 クリクリした目に金髪サラサラの髪、ふわりと甘い香りを漂わせながら、つま先から足元までおしゃれの塊みたいな女の子が僕の耳元でとんでもない事を聞いてくる。

 彼女の名前は『如月 萌香』

 成績優秀、スポーツ万能、家柄もどこかのファッションブランドのご令嬢と聞く、まさに勝ち組エリートってな感じの女の子だ。そんな彼女はいつも派手な恰好をしてクラスの中心にいつもいるスクールカーストの頂点。つまりはギャルだ。

 そして、僕の名前は「五十嵐 康太」成績はまあまあ、スポーツはどちらかと言えば苦手、アニメとゲームとインターネット動画が大好きなオタク系。いわゆる陰キャだ。

 そんな彼女と僕がこうやって会話をしているのは彼女も僕もパソコン部に入っているからだ。

 この清水高校では生徒全員部活動に入らないといけない校則になっている。しかし、参加自由退出自由な部活もいくつかあるわけで、パソコン部もその部活の一つだ。

 そういった理由で一切関わりがないスクールカーストの頂点と底辺がこうして接点がある訳なのだが……

「だって気になるじゃん」

 吐息が耳元にかかるほど近くで囁かれて、

「あひぃ」と声が漏れてしまった。

「あひぃって可愛すぎ♡耳弱すぎでしょ♡」

 彼女はクスクスと笑って、僕をからかっている。

「で、どうなの?どんなパンツ穿いてるの?」

「いや……そんなおっさんのセクハラみたいな事を聞かれても……」

「えーそんな事言われても♡で……どんなの?」

「そ、それは……青のトラン……」

 リリリリンリリリリリン

「あっ、ごめーん!そろそろバイトの時間なの。コウ君またねー」

 彼女はスマホの画面を見て、手を振っている。

 やっぱり、ギャルみたいな人種は僕みたいな陰キャ系オタクをからかって遊ぶ悪い人間なんだ……

 素直に答えていたら、きっと。

「きっっしょ……ないわー。これだからオタク君はジョークの一つも通じないからキショいんだけど……」

 なんて言われて明日からの僕のクラスの居場所はなかったはず……。

 バイトの神様ありがとう……


「あっ、そーだ♡ちなみにアタシのパンツはこんなんだから。ふふ♡見えた?じゃ、またねー」

 そういって萌香さんは素早い動きでスカートを一瞬たくし上げて、出て行った。


 ギャギャ、ギャルって人種はどうしてこうも性に関しておおらかというか、自由というか、恥じらいがないんだ!

 「黒のレース……めちゃくちゃエロかった……」

 その瞬間、パソコン室のドアが勢いよく開き、そこには萌香さんがいた。

 「あっ、ごめーん。充電器忘れちゃったあ♡あれ?コウ君顔真っ赤。スケベ♡」

 「えっ!?あの……ごめんなしゃい……」

「じゃ、今度こそまたねー」


 ああもう!僕はいったいどうしたらいいんだ。

 何もしなくても絡まれるし、話さなくても見せてくるし、いったい僕が何したっていうんだ!

 オタクたちのエデンでもあるパソコン部にまでやってくるし、僕の平穏な学園生活はいったい何処にあるんだ!男に対するセクハラだって犯罪なんだぞ!

 でも……彼女のスカートの下、めっちゃエッチだったな……

 僕はいつも彼女にセクハラされている。

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