創造主は気付かなかった。
日曜も元気があれば続き書きます。
「自分」が最初に試みた同一の似姿達との対話による孤独の解消は、孤独をより深める結果となった。
だが実はこの時、「自分」が気付かなかった変化が起きていたのだ。
生み出された同一の似姿達は、全て寸分の狂いもなく同一の存在であり、だからこそ「自分」は
「自分」で「自分」と対話、つまり鏡に向かって一人で二役の対話をしているかのような状況に、
どうしようもない虚しさと絶望的な孤独を感じ、同一の似姿達を無に帰す事にしたのだった。
けれど、その全て寸分の狂いも無い同一の存在である筈だった者の中に、イレギュラーな存在が
生まれていたのだ。仮にその存在を「R」と呼ぶ。
「R」は当初他の似姿達と同様に「自分」と寸分の狂いもない同一の存在であった。
だがしかし、いつからか「R」は「自分」と他の似姿達とは違う感情を抱き始めていたのだ。
それは「R」自身に大きな変化をもたらす事となった。
「R」は他の似姿達には無いもの。そう、【自我】という他者と己を区別する意識を得たのだ。
「自分」は有象無象の同一似姿達の中に異質なものが生まれた事に気付く事が無かった。
何故なら「R」が秘匿したからである。「R」には独自の目的が出来ていたからだ。
「R」に生じたイレギュラーな感情、そして独自の目的とは。
それは全ての創造主たる「自分」に「R」自身が成り代わる。
自らが創造主として、新たな世界を生み出し君臨するという事だったのだ。
けれど、その目的は潰えてしまう。「自分」が絶望し同一の似姿達を無に帰してしまったから。
だが「R」は諦めてはいなかった。「自分」が不完全で歪な紛いものを世界に生み出した時に、
「R」は再び世界に生まれでた。不完全ではあるが、最も「自分」に近しい者として。
「R」=【明けの明星】はこうして世界に放たれた。
クーラー壊れているので死亡待ったなし。