人間は巡り巡って帰結する
現実は小説よりも救いが無いですね・・・
人類愛に目覚めた人間達は、だが互いに殺し合うのを止めることは無かった。
本音と建前というダブルスタンダードが人間という存在のレゾンデートルとなる。
それは対立し合う人間達に、それぞれの正義という建前を生み出し、自分と異なる者に対する
憎悪を増大させ殺戮へと駆り立てていくのだ。人間達が求めるのは「自己の保存」であって、
「他者を受け入れ自己を変容させる」事に本音は拒否反応を示すのである。それは断絶であり、
博愛とは真逆であって、「自分」が切望している孤独を解消する何かとは「他者と認め合う共感」
なのだとすれば完全に裏目に出ているのだが、「自分」がそれに気付く事は無いのであった。
闇雲に答えを求め続け、ただひたすらに変化のみを欲し続けるのだった。
人間達は個体群の規模を拡大させ続け、大規模な個体群同士は対立し相手を滅ぼす為に試行錯誤する。
互いにいがみ合う人間達だが、人間全ての最終的な目的は「異なる者を根絶やしにし、自己を保存する」
という点で一致していた。それは本能なのか、「自分」の干渉による影響なのか、結局のところ人間達は
『ニューワールドオーダー』を目指しているのだ。それは世界全体をあらゆる分野で統一し、末端の個人
レベルに至るまで思想や行動の統制を行なう事で、『完全なる管理社会を実現する事で世界秩序を目指す』
という、何の変化も無い何処までも同一の存在のみが埋め尽くすという無味乾燥な世界が目標なのだ。
それは「自分」が最初に試みた自己と寸分の違いもない似姿で埋め尽くされていた光景と同じものだ。
「自分」が生み出した人間達が目指したものは、結局元に戻ろうとするという当然の帰結なのだった。
かつて自らが失望の中で無に帰した光景と同じものを、人間の結末として目の当たりにした時、
「自分」が手にするのは絶望なのか、はたまた・・・
また来週!!