創造主は表舞台をチラ見しだす。
はや1週間。時の流れは河のようね。(謎
「自分」の思惑通りに、人間達はそれぞれの個体群で対立し合い殺し合い続けた。
そこには独裁者が生まれ、独裁者は打倒され、底辺民衆が蜂起し、弾圧され殲滅されたりした。
男女間のもつれから戦争に発展する事もあれば、親子間での権力闘争の果てに滅亡に到ったりした。
やがて人間達の中に【抗う事の出来ない災害や人智を超えた変化】に対し、何らかの叡智を感じとる
者達が現れる。そう、所謂「宗教観」の発生である。実際に「自分」が度々世界に介入していた為、
全くの空想妄想という訳では無かったのだが、人間達はこの「宗教」にずっぽりと依存し始める。
曰く「神は信じる者を救う」だとか、「神は全知全能であり、人間を正しき生に導く」だとか。
まぁ確かに「自分」は創造主であり、この世界全てを創り出したのだから全能ではあるのだが、
残念な事に自らの孤独を紛らわす事のみに執心する病的な存在であって、全知とはほど遠かった。
尚且つ、「自分」にとって人間とは孤独解消の為の【道具】でしかないので、救いなど無かった。
人間達は宗教を「他者を殺す大義名分」として掲げながら、如何にして版図を拡げるかに執心する。
様々な大義名分=宗教が乱立しては衰退し消えていく、大勢力に小さな勢力が飲み込まれる時、
宗教もまた大なるものに小なるものが取り込まれていく。そして様々な神話が生まれ語り継がれる。
その神話に自らのルーツを紐付ける権力者も現れたりする。所謂「神格化」という奴である。
「自分」は孤独で病的な全能者であって、子を生す存在では無く、所詮なんちゃって神様である。
人間達は殺し合いに明け暮れるのであるが、その手段は益々巧妙かつ悪辣さを増していく。
肉体を得た当初は物理的に殴りあい、道具を作り出し優位性を生み出し、飛び道具等の遠隔兵器を
生み出し闘争に戦略性を加え始め、果ては毒ガスや環境破壊兵器等で人間の住環境ごと破壊したり、
挙句の果てにE=mc2の化学式を元に馬鹿げた兵器を生み出し、一歩間違えると絶滅する所まで
暴走し始めた人間達に、流石に「自分」もこのままでは【自分の孤独を解消する為の道具である
人間が根絶やしになる】と気付き、何とか対策をせねばと思い始める。
そこで「自分」は宗教を利用する事にする。人間達に【神の奇蹟】(笑)を顕現せしめて、
人間達に「自分」の存在をアピール。その上で『汝の隣人を愛せよ』とか言ってみたりした。
影響され易い人間達は、散々殺し合っていたのに人類愛に目覚め、平和な世界を模索し出す。
『他者殺す大義名分=宗教』な思想は根底に存在したままの、なんちゃって人類愛の誕生である。
一先ず人類滅亡は回避されたのであった。まぁ核ぶっ放して人類滅亡したとしても、また1から
創り直せば良かったのではあるが、そこは病的に孤独を拗らせている「自分」には荷が重く、
最悪時間巻き戻せば良いか程度の感覚であったのだが、この『宗教観への介入』が後々「自分」
の根底を覆す事になったりするのだが、それはまだ先の話である。
元気があれば日曜も更新する鴨。