戸惑ってた理由とか…?
ここは教会…
私は今日、白いドレスを着て一人の男に愛を誓う。
そしてそろそろ、神父の口上が終わるところで…
……フィリナ・セレイフィは、ネイリール・セレイフィに、永遠の愛を誓うか?」
「誓います…」
周りが話し始めてるのを見ていると今さっき、私と結婚した男が声をかけてくる。
「ねぇ、フィナ…」
「何…?」
「僕と結婚してくれてありがとう、あと…フィナ、好きだよ…」
そう頬を染めつつも微笑んで告げてくる男は、今の私の旦那…のはずなのに、今ひとつ実感がわかない。
私は口から滑り出てくる言葉を心のままに言う。
「私も…ありがと…あと…」
「なに?フィナ」
「…私も……リルが好きだよ…」
私のその一言で顔を真っ赤にさせる私の夫とその一言をいうだけで真っ赤になる私も…
少し、子供っぽいのかもしれない。
でも、最初のこの目の前の男の、リルのあの、出会ったときの勢いが無ければ…
ここまで仲良くは無かったと今は思う。
◇◇◇
「こんにちは、僕はネイリールっていうんだ、よろしくね。
あと…リルって呼んでくれないかな?
僕は今日から君の婚約者になるんだから、仲良くれるように形から…ね?」
そう言われた私は少し戸惑ったのを覚えている…
だから私は、少し変なことを聞いたのかも知れない…
「私と婚約して、嫌じゃないの…?」
なんて…今考えるとおかしい質問だ、政略結婚なのだから不満など言えるはずもない…
「えっと…実は君と会うまでは少しだけ…
あったこともない人と婚約させられるなんて嫌だなーとかは思って…たんだ、けど…
君の姿を見てそんなことは吹き飛んだ…だって…とっても可愛かったから…
こんな可愛い娘と結婚できるならこの婚約も悪くないなって…思ったから…」
少し頬を紅くしつつ、そう言う姿は…その時は、かっこいいより可愛いが似合う感じの見目だった。
だから私は弟のように思って…
「そう…じゃあ、私はフェリナよ、フィナって呼んでね」
私は微笑みつつそう言った。
その時は年下だったし、可愛い弟のように思っていた。
あくまでも…その時はである。
そんなふうに思っていたリルがあんなことを言うなんてあのときは思ってなかった。
いいや、どこかではわかってたはずだった…
リルは『こんな可愛い娘と結婚できるなら』と言っていたことを忘れていた…
ふりをしていたから。
リル出会ってから二年がたち…リルは12歳の時に『王都貴族学院』に行き15歳に長期休暇で帰ってきた。
そのとき、いつものようにお菓子をあげようとしたら、リルが言った。
「フィナは…僕のことまだ子供だと思ってるの?僕は…僕は、フィナを好きなんだよ?」
今思い返すとその言葉を言ったときのリルは少し頬が紅くなっていたかもしれない。
でも私は違う意味での好きを返した。
「私もリルが好きよ…?」
「ねぇ…フィナは、僕のことを、どんなふうに好きなの…っ?」
その時のリルは少し急かすように聞いてきた。
それに押されて私は言った。
「私はリルを弟のように想ってるよ?」
リルは苦しそうな表情をして絞り出したような声で言った。
「僕は、フィナを…っ女の子として好きなんだよ?
僕はフィナを姉みたいに思ったことなんて一度もない…!」
「え?な、なんで?リルは、可愛い弟みたいなもので…」
「ねぇ…本当にそう思ってるの?」
「ほ、本当に…そう…思ってるの…」
私はこのときは少し自分に言い聞かせるように言っていたかもしれない。
「そう…じゃあ、僕が男だってわからせないと…だめ?」
「えっ?」
そんなセリフを吐いたリルをみて、私は間抜けな声を出した。
「何驚いてるの…僕はフィナ…君が欲しいから…
だから、手に入れるためにどんなことでもするよ…?」
リルがニコリと微笑んでいたのを見てを見て私はなぜか胸がドキリとした。
そんな事件?があってからわずか五年で私を惚れさせたのは見事としか言いようがない。
まぁ、もともと好きではあったのだけれども…
私が自分の気持ちに鈍感だっただけの話で、
ともかく、私はリルに…惚れていて…いとしくて…たいせつで…っ恥ずかしい…
それで今、リルが20歳私が25歳になり、結婚式をあげた、わけで…
リルはいま夫のはず…で、でもなんだか実感がわかなくて…
「フィナ、どうしたの?」
「何でもない…考え事をしてただけだよ」
「僕との結婚式に…他のこと考えないでね?」
ほんの少し怒ったように文句を言うリル、それにすら私は…
あぁ、好きだなぁ…
なんて、思うのだから、もう、手遅れなんだなぁ、と思う…
だから一生一緒にいるぐらいは、して、ほしい…それが私を惚れさせた代償でいいから。
「あのね、リルのこと考えてたんだ…」
「フィナが、僕のことを考えててくれたの?嬉しいなぁ…」
なんて言って頬を緩めるリルが…いとしいと、好きだと、想う…
「あのね………私……リルのこと…すきだよ…」
リルは少し目を見開くと、微笑んで言う。
「僕も…フィナの事…好き…」
あぁ、こんなのだから、バカップルと言われてしまうんだ…
部屋でいちゃつくべき…?
なんて…考え事をして…パーティを終わりにして部屋に戻る計画をし始める。
そうしているとリルが話し始める。
「フィナと僕の結婚式に訪れてくださった皆様ありがとうございました。そろそろお開きになります。」
そうして小一時間いちゃついていたそうです…
結婚式にいた、独身の人は舌打ちをしてたそうですよ…?
ふふふ…
それでは、また逢う日まで…
さようなら
意味わからない駄文を読んでいただき感謝です。
それではまた合う機会があればあいましょう