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デート編⑥

乗馬と【モグラン叩きゲーム】で汗を流した後、私達はクリーンで身体を清潔にして着替えを済ませ、少し遅くなったが昼食をとる事にしました。



今度は牧場の中でも、一番景色の良い場所に建つレストランです。



本当は外でピクニックをしたかったのですが、警備上の都合で却下されました。



王族が来ると、こういう施設は普通貸切になるものですが、第十王子で既にサーラの家、デルモ伯爵家に婿入りが決まっているのであまり予算が降りないのです。



もちろん、ちゃんと護衛はしてくれていますよ。

特にハインツは凄いんです!



王太子(長兄)の友人で、私が学園に入学する少し前から、仕えてくれています。

第二騎士団への誘いを断り何故、私のように継承権の低い王子に、仕えてくれているのか謎です。



話がそれましたね。



私が昼食のメニューに選んだのはモウモカツサンドセット。

エビーニャ牧場で育てられたモウモのカツを農園の小麦で作ったパンに挟んであります。

マスタードが良い感じです。

《セットの日替わりスープ、おかわり自由。》というのも良いですね。

今日はオニオンスープでした。

農園で採れた野菜で作られたサラダも、新鮮でシャキシャキしています。



サーラはBLTサンドセットを頼みました。

レストランのサービスでひと口サイズにカットされています。



デザートはアイスクリームで、フルーツソースとハチミツを選べてコレも農園で採れた物を使っています。

私はストロベリーソースをサーラはハチミツをかけて貰いました。



冷たいアイスクリームに甘酸っぱいソースが、とても美味しかったです。



私はこのレストランでの昼食後にサーラに《特別なプレゼント》を渡し、改めてプロポーズしようと思っています。



お互いデザートを食べ終わり、食後のドリンクを飲み終わりました。



いよいよ、サーラに私の気持ちを伝えます。



「サーラ…大事な話があります。」



「は…はいエミール様。」



私の真剣な声に、サーラが緊張しながら返事をしました。



「この間は済まなかった。

急な公務とはいえ、君に何の断りも無く旅に出てしまった事は、非常に申し訳なく思っている。」



「い…いえ、(わたくし)もいつまでも根に持って、エミール様が何度も謝罪されているのに受け入れ無くて済みません!」



「「申し訳ありませんでした!」」



あ、アレ?



お互い頬を赤らめながら、同時に謝罪してしまいました。



「あ…あのそれで…今日はサーラにコレを渡したかったのです♡」



そう言うと侍従が恭しく、ビロードを貼ったトレイに乗った宝石箱を捧げて渡してくれました。



私は宝石箱受け取り、サーラの前で箱を開いた。



どうだろう?

気に入って貰えるかなぁ?



サーラが宝石箱の中を見て……



「まぁ♪エミール様の瞳と同じ色の、黒い魔石のネックレスですのね♪」



「はい…本当は指輪にしたかったのですが、コレだけの大きさですし……

少し削るくらいならまだしも割って(※1)しまうと魔石の力が落ちてしまいますからね。」



親指大の黒い魔石の周りにサーラの瞳の色に似た青い魔石を散りばめたミスリル製の台座と鎖のネックレスです。



「改めて言わせてください!

私、エミール・D・ユイナーダは、サーラ・F・デルモを愛しています。

いろいろと至らない事もあると思いますが、私と結婚して頂けますか?」



私のプロポーズにサーラは目を潤ませながら、返事をしてくれました。



「はい…(わたくし)の方こそ、不束者ですが宜しくお願い致します。」



こうして私はサーラとのデートを終え、学園街への帰路に着いたのでした。



この時エミールがサーラに送った《黒魔石のネックレス》は、後に【エミール(※2)の瞳】と呼ばれ、彼が婿入りしたデルモ伯爵家で代々受け継がれる家宝となった。



〜FIN〜


――――――――――――――――――――――――


※1


魔石は割ってしまうと内包している魔力が、半減していくのが早くなる。


※2


エミールが友人の伝で作らせたブラックキラーサーペントの魔石のネックレス。

対魔・対物・対スキル・ヒール・キュア・解呪(アンチカーズ)・バリア等、防御・回復系の付与がされている。

エミールのサーラに対する思いの篭った一品。

国宝級の魔道具。

皆さん、此処までお付き合いいただきありがとうございました。

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