その1 異界忍法帖
人物一覧表
伊豫松山藩:お抱えの忍者軍団を保有し、明治維新の折は幕府方について戦った。現在は廃藩置県により、石鉄県となっている。
『藩主』 松平左近衛権少将定昭 ♂ サムライ 人間族
伊豫松山藩の藩主。つまりはお殿様。このお話の時点ではすでに亡くなっておられる。おとなしい性格ではあるが、幕府の老中を務めたこともあるスゴいお方であるのだ。
『花忍』 石崎和右衛門 ♂ 忍者 人間族
伊豫忍軍先代頭領。丸々と太った身体にわらじのような顔がついている、弱そうな見た目だが凄腕の忍びである。『花忍』であり、幻惑忍法や変装の術を得意としておるのだ。
『火忍』 田中次左衛門 ♂ 忍者 人間族
伊豫忍軍頭領。この物語の主人公である。身長150糎に満たぬちいさな身体ながら、大男をも投げ飛ばす怪力の持ち主なのである。『火忍』であり、炎をあやつる火遁の術を得意としておる。配下の忍者に忍法を教えると云う頭領であるため、ひと通りの忍法は使うことができるのだ。
『土忍』 武中八九郎 ♂ サムライ 忍者 人間族
伊豫忍軍『土組』の頭。地面にもぐり、地中を自在に潜航する土遁の術を得意とする。忍者でありながら忍法よりも剣術を得意とする。次左衛門の配下にして相棒。当時としてはかなり身体が大きい。剣士でありながら、左利きであるのだ。
『水忍』 忽那七郎 ♂ 忍者 人間族
伊豫忍軍 『水組』の頭。水中に潜み、或いは水面を自在に馳け廻る水遁の術の使い手。物腰は柔らかく、言葉づかいは丁寧な、まじめな好青年である。とかく忍者の枠から外れがちな他組の頭をまとめてつなぐ、影のまとめ役であるのだ。
『狂人』 田中始右衛門 ♂ 武術者 人間族
次左衛門の双子の兄。刀を持たず種子島に勝つと云われる武術『田中流』の伝承者。その見た目、服装は当時としても異様なものである。西洋の書物など、奇妙な書物を読むのが趣味であるのだ。
『花忍』 お千代 ♀ 忍者 人間族
始右衛門の妻。もとは伊豫忍軍花組の頭。始右衛門との間に息子である小太郎を産む。
水無川謙三郎 ♂ サムライ 人間族
忍者を辞めさせられた後の八九郎の雇い主。悪いサムライであり、食肉加工場の主となった後もあこぎなやり方を続けている。兄弟の光右衛門、信ノ介とともに“事故死” した。やはり天は悪事を見逃さぬのだ。
長州藩:海を隔てた先にある、松山藩のライバル的存在の藩。明治維新では新政府側につき、幕府方と激戦を繰り広げた後に勝利を収めたのである。
『維新戦士』 力丸 ♂ 忍者 人間族
長州忍軍の頭。ざんばら髪を振り乱して戦う様は鬼神のごとき姿であったと云われている。刀を持たずとも繰り出される必殺の『霞斬り』は、伊豫忍軍をたびたび苦しめた猛者であるのだ。
大アランカ帝国:異界シュフィールの大部分を統治する大帝国。数多くの王国を傘下に収めており、その力は強大なものである。悪魔軍団との戦いを終えた今は平和であり、軍縮が進んでいる。
『炎帝』 ヨルン18世 ♂ 皇帝 人間族
大アランカ帝国を統治なさる皇帝陛下であらせられます。今日も帝国臣民一同は陛下の慈しみを受けて生活しております。
『中首』 ビル=スティアー ♂ 宰相 人間族
皇帝陛下を補佐し、閣僚たちを取りまとめ、大アランカ帝国の中枢を担う名宰相。政務で忙しく、その日常は多忙を極めるため、なかなか表に出てくることはないのだ。
『右首』 アンジェロ=アモット ♂ 元老院議員 獣人族
元老院の議長を務めるお方。爬虫人であり、寒さに弱い。帝国議会議長のクリス=アモットは、彼の弟であるのだ。
『左首』 クリス=アモット ♂ 帝国議会議員 獣人族
アンジェロ=アモットの弟。彼ら兄弟とビル=スティアー卿を含めた3名は、帝国の紋章である三ツ首龍に例えられているのだ。
『蛇眼』ファビオ ♂ 大審院判事 獣人族
大アランカ帝国の司法をつかさどる大審院の院長を務めるお方である。彼の裁きは公明正大なものである。そのおそろしい見た目と違い、歌姫リンカちゃんの大ファンであるのだ!
『魔将』ノトヴェイト ♂ 暗黒剣士 半長耳族
大アランカ帝国第1軍の大将である。その見た目から『魔将』と呼ばれているのだ。自らの怒りと憎しみの心を力に変えて強烈な斬撃を放つ『暗黒剣』の使い手であるのだ! 現在はすでに亡くなっておられる。
『夜梟』 ヨルゲン=ハトホルフ ♂ 将軍 人間族
ノトヴェイト大将の後を継いだ大将である。将としては高齢の部類に入るものの、なおも若い者にも負けぬ力を未だ持ち続けているのだ。おだやかな見た目であり、ノトヴェイト大将とは対極に位置するものの、生前の彼の親友でもあったのだ。
『義将』 ウェイン=パーシバル (端原) ♂ 魔法剣士 長耳族
大アランカ帝国第1軍の中将にして、ギルド『ウィンターハーツ』の盟主でもある青年。青みがかった銀髪が特徴。勇者プロメテウスにあこがれて剣士になったのだ。
『堅将』ガルダー ♂ 剣士 人間族
大アランカ帝国第1軍の中将であり、帝都警備隊の隊長である。パーシバルとは同期の戦友である。いささか頑固なところがあり、融通が利きにくい。額が広いが、ハゲではないのだ。
『知将』 アーサー=ヘス (恵朝)♂ 聖騎士 人間族
大アランカ帝国第1軍の准将。ギルド『ウィンターハーツ』に所属する。パーシバルとは盟友である。プロテ神の加護を受けた聖騎士でありながら、その信仰心には疑問に思う点ばかりである。その言動に反し、なかなかの知恵者であるのだ。
ハーゲル ♂ 将校 獣人族
大アランカ帝国第1軍の中佐。爬虫人アベベ族の青年である。
レオパルドン3世 ♂ 下士官 人間族
帝都警備隊の隊員であり、ガルダー中将の部下である。じつは名門貴族フォッケヴルフ家の跡取りであり、かなりの数の私兵を保有しているのだ。現在は嫁を募集中。
リンカ ♀歌姫 獣人族
今をときめく歌姫である。彼女のファンは多く、その中には帝国の将軍すらいる。その歌声はすべての者の心を癒す。種族としては虎人族。
防衛都市ヒプノス:ヒブリア王国との国境付近にある辺境の街。その守りは堅く、帝国の要となる重要拠点であるのだ。大アランカ帝国軍第3軍の管轄下にある。
『暴熊』イアソン=トゥルージロ (鶴次郎) ♂ 暗黒魔導士 獣人族
ヒプノスをまとめる執政官。かつては第3軍の司令官でもあった猛将。現在は魔法使いとなっており、体力は全盛期には遠く及ばないものの、その身体の頑丈さは健在であるのだ。
『青狼』タリム (垂水) ♂ 剣士 獣人族
大アランカ帝国第3軍司令官。階級は大将。犬人族であるため、鼻と眼がよく効く。よく笑う。
『猛犬』アルス (有栖) ♂ 狂戦士 獣人族
大アランカ帝国第3軍准将。タリムの副将にして、よき相棒である。普段は丁寧な物腰であるが、時として狂気にとらわれ、『狂犬』の名にふさわしい暴れっぷりをみせる。怪力で知られる熊人族にも負けぬ怪力の持ち主であるのだ。
『暴竜』ハメット (喰都) ♂ 剣士 獣人族
大アランカ帝国第3軍准将。高齢の爬虫人であり、歴戦の戦士である。敵の攻撃を流して斬る独特の剣法を使う。種族特性として、毒に耐性があるのだ。
『餓虎』ラース ♂ 魔法剣士 獣人族
大アランカ帝国第3軍大佐。寡黙な剣士であるが、死を恐れぬ戦い振りは他の将兵にも遅れは取らないのだ。種族としては虎人族。
シュケー ♀近衛兵 人間族
執政官トゥルージロの親衛隊長である。長い金髪が特徴的。槍を使い、その戦闘力は高い。
カーク ♀ 近衛兵 人間族
トゥルージロを護衛する親衛隊の隊員である。燃えるような赤い髪が特徴。未だ未熟ながら、若さゆえのやる気に満ちており今後が楽しみである。
『豺狼』ファウスト ♂ 狂戦士 獣人族
タリム傘下の精鋭のひとり。すばやい動きと鋭い爪が武器なのだ。
『尨犬』ツォート ♂ 剣士 獣人族
タリム傘下の精鋭のひとり。半月刀を自在に操る剣士なのだ。
『牙狼』サモス ♂ 戦士 獣人族
タリム傘下の精鋭のひとり。鉄鎖術を用い、離れた相手も近くの相手もたちまちのうちに打ち倒してしまうのだ。
バーロフ ♂ 神官 小人族
スフラン教の司祭。スフラン大神殿建設の夢に燃える情熱の男である。たいへん女好きとの噂であり、皆に愛を説くのが趣味であり仕事であるのだ。
シドニア王国:大アランカ帝国傘下にある王国。プロテ教の総本山であり、その影響力はたいへん大きなものである。
『シドニアの疫病』カール=フォン=レイデンバーグ (雷電) ♂ 盗賊 人間族
盗賊団『蓮乙女団』の頭目。たいへん大きな身体を持ち、斧やこん棒を振るう怪力の持ち主。虹色の髪を逆立てており、たいへん目立つのだ。
マステロット (増手) ♂ 盗賊 人間族
『蓮乙女団』の副頭目。片眼であり、金色の髪をしている。蓮乙女団いちの知恵者であるのだ。
ウェットン (デブ) ♂ 盗賊 人間族
太った身体が特徴的な盗賊。見た目に似合わずすばやいのだ。
メル ♂ 盗賊 人間族
赤い髪を逆立てたやや小柄な盗賊。盗みの腕は天下一とも云われるのだ。
レヴィン (ハゲ) ♂ 盗賊 人間族
ツルツル頭の盗賊。無口でめったにしゃべらない。しかしその拳は強力かつ速いのだ。
『聖女』アナイアレイタ ♀ 僧侶 人間族
プロテ教の聖女様。ありがたいお言葉で、今日も信徒たちに救いの手を差し伸べるのだ。その魔力は、魔法使いにも負けないぞ。
悪魔軍団:人類と敵対する関係にある種族である。その戦闘力は高く、また、ひと口に悪魔といってもその種族は様々なものに分かれている。高位の悪魔は倒しても転生して復活するため、完全に滅するには工夫が必要である。
『大魔王』ゼトロ=サウザー ♂ 魔王 悪魔族
悪魔を統べる大魔王。かつては神々のひと柱であった。その実力は未だ謎に包まれている……
『魔王』サタン=サタナエル (三多三太夫) ♂ 魔王 悪魔族
ゼトロ=サウザーの友。勇者プロメテウスに退治され、完全にその生命を絶たれる。転生することもかなわず、現在では亡くなってしまっている。
『魔王』オノエル ♂ 魔王 悪魔族
サタン=サタナエルの後を継いだ魔王。少年の姿をしているが、その実力は魔王の名に恥じぬ強力なものである。
『剣聖』リュシフェル ♂ 魔将 悪魔族
『悪魔四将』の筆頭。聖剣を振るい、魔王に仇なす敵を皆やっつけてしまうのだ。もとは神の配下の天使であったが、悪魔側に寝返った堕天使なのだ。
『魔聖』リッチ (りつ) ? 魔将 悪魔族
『悪魔四将』のひとり。すべての魔法を極めた魔導の求道者。巨大な骸骨であり、殺しても死なないと云われている。常に杖を持っており、ゆらゆらと揺れながら歩くのだ。
『妖聖』アスタルテ (アスカ) ♀魔将 悪魔族
『悪魔四将』のひとり。溢れ出す色香で敵を惑わし、必殺の格闘術で敵を葬ってしまうのだ。緑色の髪と美しい見た目が特徴。現在は転生の際になにやら不具合が起きたようで、少女の姿と化してしまったのだ。
『鎧聖』バール=ゼ=ブー ♂ 魔将 悪魔族
『悪魔四将』のひとり。鎧を身にまとっており、防御力は悪魔軍団一である。まだ若いながらも魔将を立派に務めているのだ。
『勇闘』ベリアル ♂ 魔将 悪魔族
老人の見た目をした悪魔。しかしその力は強大で、怪力を誇るのだ。
『魔卿』ヴェイダー ♂ 魔将 悪魔族
鎧を身にまとう悪魔。剣術と格闘術に優れ、かつては悪魔四将のひとりであったのだ。アスタルテの師匠であり、彼女に己の持てるすべての技を伝えたのだ。
『双頭龍』シャウラ ♂ 上級悪魔 悪魔族
アスタルテの副将。怪力を誇るのだ。
『双頭龍』ギルタ ♂ 上級悪魔 悪魔族
シャウラと同じくアスタルテの副将。角が武器なのだ。
『三闘士』スハイル ♂ 上級悪魔 悪魔族
『三闘士』レゴール ♂ 上級悪魔 悪魔族
『三闘士』ムーリフ ♂ 上級悪魔 悪魔族
それぞれアスタルテ配下の精鋭なのだ。力が強く、魔法もこなす強者なのだ。
『鉄腕』 ウェイ ♀ 下級悪魔 悪魔族
アスタルテ配下の兵士なのだ。階級こそ低いものの、アスタルテの親友なのだ。