表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

出会い8

■□■□■

『反逆反応アリ』


『反逆反応アリ』


無機質な声を上げながら爆発していく機械。

地面に両手を付いて回転すると脚部に生えた刃が切り裂いて行く。

何体撃破しただろうか、声は聞こえなくなっている。

長い排気をすると着地をして長剣を振るっていた男に視線を向けた。

旅をする以上は必ずしも避け切れない戦闘だが、何日も連続で来られては気が滅入る。

刃をしまおうと足を動かすと割れるような音が聞こえてネリネは視線を落とす。

綺麗に皹が入っているのを見て顔を引き攣らせた。

手入れする暇が無かったせいか、自慢の武器は破損している。


「やっちゃった……」


呟くとオメガも気付いたのか近づく。

これではこの先どうしようも無いと肩を落とす。

腕を組んでいたオメガは地図を広げて現在地を確認した。


「この先は、どうやら武器を専門にした職人が集まる街『クラフト』があるからそこで修理をすればいいさ」


「今は武器なんて誰も造って無いわよ、クラフトには職人がいたとしてもとっくに造り方なんて忘れてるに決まっているわ」


呆れ半分に言い返すとオメガは焦る。

武器の製造も反逆罪になるのだから当たり前の事だと気付き、肩を落とす。

日常生活に必要な道具しか扱っていないだろうと思うが少しだけ期待してもいいのではないかと言う意見にネリネは唸る。

行ってみなくては何も分からないと判断し、二機はクラフトに向かって歩きだす。


「歩くのも結構しんどいわね」


「ははは、そうだね飛行型だったら楽だったのにってたまに思うよ」


「飛行型もデメリットはあるでしょう?例えば強風の時とか」


そんな他愛のない会話をして歩くと看板が見えた。

クラフトへ行く道を差す看板に二機はホッとする。

しばらく歩くと門が視え、足早に近づいた。

何処も同じなのか住人に生気が無い。

腐敗したオイルの臭いに顔を顰めると一斉に視線が向けられる。

空腹音が聞こえ、二機は後退り顔を見合わせた。

急いでその場を立ち去る。

移動しても同じく視線を向けられ、慌てて場所を変えるも追って来ているのか減らない。

不慣れな街であるせいもあってどうすればいいのかと二機は走り続けた。


「そこ右曲がって」


頭上からの声にオメガは咄嗟に曲がる。

が、行き止まりになり騙された事に気付く。

わらわらと集まる機体。

青褪めていると再び声が聞こえた。


「その箱登ったら蹴り落とす」


木箱が階段のように積まれていて二機は急いで登ると勢いよく蹴り落とす。

激しい音が聞こえた後、砂埃が上がる。

登って来る様子は無い事に一安心すると笑い声が聞こえて振り返った。

二機よりも幼い機体が腹を抱えて笑っている。

その肩に見た事も無い姿の生命体が座っていた。


「あははは、逃げ切れた旅人なんて初めてだよ」


「僕達のナビのお陰だよね、ウェポ」


小さな生命体に視線を向けていることに気付いたのか小さく笑ってお辞儀をする。

始めてみる生命体の姿にネリネもびっくりしていて言葉を発する事無く座っていた。

この街では当たり前なのかと思ったが、そんな話を聞いた事は無い。


「あぁ、コイツの事?お兄さん達は試練を乗り越えた選ばれし旅人だから教えてあげるよ」


ウェポと呼ばれていた機体は立ち上がると肩に乗っている小さな生命体に話をしてもいいかと確認をした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ