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道化と冠  作者: 青螢
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〈帽子屋の茶会〉

 さて、本日もやってまいりましたハクとの一週間・二日目でございます。

 今日は遅刻しなかったぜ! ぴったり!! え? 五分前行動? ナニソレオイシイノ?

 待ち合わせ場所はダンジョン、『水晶洞窟・キメラキ』入り口。逆さから読んだら煌めきだな。……まじネーミングセンスェ……。っていじりが掲示板ではやってる。うん。掲示板で。

 今日の目的は水晶系のアイテム採取。ついでにボスモンスター退治。クエストでね。報酬のアイテムが素晴らしいやつで、目をきらめかせてたらハクがいつの間にかクエストを受けてた。なんか申し訳ない……。

「さーって! やっていきましょうっ!!」

「ん」

 結果から言うとサクサクプレイですね! そこまで難しいダンジョンでもないし。だから経験値としてはしょっぱい。ボスは結構強いけど、ハクの敵じゃない。俺は……まぁ、油断しなけりゃサクサク。

 別にハクに頼りきりってわけじゃねぇけど、経験値もあんまり入んないし、ハクが積極的に戦闘してるから楽できるときは楽しますよー。無駄なことはできるだけしない主義なんで。やってくれると言うんだから任せましょー。……やなやつとか言うなよ?

 洞窟最奥のボスを倒して、いったん町に帰ることに。時間あったら近場でまた狩りしようぜってことで。

 ってことで近くの町に出たんだが……からまれた。

「んふふ……そんな嫌そうな顔をしないでおくれよ」

「嫌そうだってわかんなら失せろや」

 なんとなくイラつく顔の男を睨み付ける。

「怖い顔ですねー」

「そうねぇ、怖いわぁ」

 おつきの二人も俺のイラつきをあおるように言葉をつなぐ。

 さて、紹介してやろう。イラつく筆頭の男は帽子屋R。ギルド〈帽子屋の茶会マッド・ティーパーティー〉のギルマス。

 波打つ赤い髪は腰くらいまで。瞳は透き通った碧で、顔は薄く白塗り、まつ毛はバサバサ&キラキラ、アイシャドウは赤紫、左の頬に涙のようなメイクをしていて、あれだ、ピエロメイクを若干かっこよくした感じ。

 赤紫色のシルクハットに、くすんだ黄色のロングコート、胸元には緑のリボンとカラフル。気障ったらしくて苦手。高身長なのも苦手。てか派手すぎるし苦手。性格はS。

 初期職業は『魔術師』、上位職『奇術師』。魔法使ってるのにマジックとはこれいかに。レベルは百四十五。種族は『エルフ』。男アバター。

 おつきの、口調が丁寧な方は三月ウサギ。〈帽子屋の茶会〉の副マス。

 新緑色の髪は肩あたりまで。少しパーマがかかってる。前髪はぱっつん。瞳は赤い。顔は中性的で、整ってる方だとは思うが、下品なニヤニヤ笑いが常に居座っているので残念だ。

 服はブラウスに赤いタイ、黒いズボンに黒いヒールの靴。防御力どうした。こいつは嫌味ったらしくて苦手。性格はS。

 初期職業は『調教者』、上位職は非公開。レベルは百四十五。種族は『獣人』。茶色のたれウサミミ。女アバター。スレンダー。

 おつきの、語尾が伸ばしめの子はアリス=りでる。所属ギルドは〈帽子屋の茶会〉。

 金髪のロングストレート、瞳は空の青。目は大きくて丸く、ほっぺは薔薇色でフニフニしたい、可愛い系の少女。

 青色のエプロンドレスに同色のウサ耳カチューシャ。青白ボーダーのニーハイソックスと真っ白な絶対領域はすばらsけふんけふん。いや、黒のニーハイもいいけどね!!←

 性格は天然系? かわいいからまぁ、苦手って程ではない。が、やっぱりあれかな、ちょっとぶりっ子感があるかなぁ。苦手というより好きじゃないな。その演技感は。

 初期職業は『調教者』、上位職『憑依者』。レベルは百三十八。種族は『人間』。女アバター。

 ふぅ……長かった……。いっきに三人分はきついぜ……(メタ発言

 名前とかでよくわかると思うけど、こいつら不思議の国のアリス大好きっ子だから。帽子屋に関しては二つ名がイカレ帽子屋(マッド・ハッター)だし。キャラ付ぱねぇの。言葉の端々がね。

「何してるんだいこんなところで。冒険でもしてきたのかな?」

「何狩ってきたんですかー? レアものですか?」

「まぁ、素敵ですねぇ」

 どうしよう、すさまじくめんどくさい。

「……」

 ハクのテンションもダダ下がりだし。

「帽子屋」

 もうなんか説明だけで疲れたし……(メタ発g((ry

「今は俺ら二人楽しく遊んでんの。入ってこないでくれる?」

「そういうな、クロサギトランプ兵」

「おいこら誰がモブだコノヤロー」

「んふふっ、つれないことを言うからだよ黒鷺女王」

「なんで女王なんだよ!!」

 俺あんなに暴君か? 心外だ。

「クロ……」

 ハクが俺の名前を呼ぶ。おっと、舌戦に夢中になりかけてたぜ。あぶね。

「はいはい、帽子屋もアリス嬢も兎嬢も、ご機嫌麗しゅう。俺らはこれで失礼させてもらうよ」

 ハクの服をひっつかんで帽子屋の横を通り抜ける。こいつらとまともにかかわると面倒なんだよなー……。別れの挨拶一つでもなんだかんだで話を自分の好きな方に持っていくんだ。油断ならねぇ。

「つれないねぇ」

 くすくす笑いながら見送る帽子屋。今日はそこまで問題なさげだったわ安心あんしn。

「あー、黒鷺さーん」

「なに?」

 帽子屋ではなく三月ウサギに呼び止められた。変なことには巻き込まれませんように!!

「明日の深夜お待ちしてますー。いつもの時間でー」

「……りょかーい」

 なんだ? 面倒事? それはやだけど、今は話し長引かせたくねぇからいいや。詳しくはきかんとこ。

「あぁ、そういえば忘れてたね」

「まったくーしっかりしてくださいよー」

 帽子屋発案だったのかよ。んで忘れるとか……をい。

「なんのことぉ?」

「アリスは気にしないでください」

「そうだよお嬢さん。気にしなくていいんだ」

 そんな会話をBGMにしてとっととその場を離れる。

「ごめんなー、変なのに絡まれちまって」

「気にするな」

「うんー」

 気にするだけ無駄なんだよな。うん。もやもやするけど、スルーさせてもらおうか。

 あいつらのせいで時間があまりなくなったのでアイテムを換金したらその日は解散となった。


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