表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マメののんびり冒険記? いやいや、本当にのんびりと過ごしたいんだけど・・・  作者: 八葉門希


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/44

006 ) 予定は大幅に遅れる事がある




ギプスはマメが目を覚ましてから詳しく話を聞くしかないなと思いながらも、エレナに頼んで使い魔をギルドまで飛ばしてもらい応援を呼ぼうと思ったが、この少年冒険者達を唆した張本人は用心深い上に少々勘が良い所もあるうえ、これまでに幾度かの犯罪に加担していたと思われる節はあったが、全て彼が裏で糸を引いていたと言う証拠が出て来なかったのだ、こう見えてギプス、戦闘スタイルは重装備の鎧に片手には分厚い大楯を持ち仲間を守り、いざと言う時にはもう一方の片手に持った巨大な槌を振り翳して相手を殲滅する。


 そんな感じで戦闘スタイルは完全に重戦士の戦い方だが、戦いが始まる前の彼は『沈着冷静な軍師』だった。


 そしてギプスは今後の方針を思案し始めると、その思考は長考の泉にどっぷりと浸かってしまい、どの様な事があっても中々意識が覚醒する事は無かった。





 その間、暇になったアイスたち4兄弟は、バラバラにされたリビングアーマーを見ていた。


 まずアイスたち4人はバラバラに散らばったリビングアーマーの鎧をかき集め、バラバラに壊されたパーツを次々と並べて行く、マメとアスタの師でもあるバイスがリビングアーマーの鎧の破片を見ながら、


「マメの奴、素人錬金術師に毛が生えた程度のもんだと思っとったが、儂が思っとった以上に錬金術師としての腕前を上げていた様じゃ! しかし、まだまだ甘い、魔力の伝達回路を上手く組めて無いな、まあこんなもん儂に掛かればあっという間に新品同然に直してやる。 しかしこれを見るにマメまだまだだな〜 元のリビングアーマーの素材と別の素材の融合がまだまだ甘いというか全くなってない。 だから話には聞いていたが、リビングアーマーの上半身しか動かず、下半身が全く動かなかったんだ、そしてココの部分がまるっと違う素材で錬成しておる上に、ココはこう言うふうに・・・ ココは此奴の魔核から流れる魔力を阻害せん様に・・・ コノ様に繋げてやらんと・・・ 」とか何とか言いながら、鎧のパーツを錬金術で再生成していく。


 それを尊敬の眼差しで見上げるアール、そしてそのアールにぴったりとくっ付いたままのエメラダ。



 そして、エレナの胸に抱きしめられていたマメの意識が覚醒したのが、アールの相棒のリビングアーマーの鎧が完全に修復され、それに大喜びしたアールがエメラダの両手を取って嬉しさの余り踊り出した時だった。


 完全修復されたリビングアーマーはアイス達四兄弟に囲まれているし、アールとエメラダは踊ってて、ギプス父さんは長い顎髭を片手で掴んだまま何やら固まっているし、アスタは何やらエレナ母さんに抱きしめられている僕を見て頬を膨らませいる。



 一体、どんな状況なの?・・・



「あらマメちゃん、気が付いたの? 何処か痛い所は無いさしら?」といつもの優しい声でエレナがマメの瞳を覗き込む。


 そう、何かを見定める様に・・・


「ありがとうエレナ母さん、で、この状況は?」

「ああ、バイスがね、あの冒険者達に壊されたマメのお友達のリビングアーマーを、壊される前の状態に取り敢えず戻したの、それで、バイス達って半端な仕事が嫌いでしょ? マメちゃんの勉強の為にも、マメちゃんの意識が覚醒してから修復してあげれば良かったのに、我慢が出来なかった様子で、結果、ご覧の通りよ!」と、エレナ母さんがマメと同列にアイス達四兄弟を子供扱いして笑う。


 まあエレナ母さんからしてみれば、アイス達四兄弟もまだまだ手の掛かる子供も同然なのだろうが、未だに未婚で自由奔放にやりたい事を追究している様な四兄弟でも、一番末のデイスが300才そこそこ、長男のアイスでさえ400才を過ぎた辺りだったと思った気がする・・・ 


 思わず『エレナ母さんって何歳?』って思った瞬間、エレナ母さんの背後に何やら黒い影が見えた気がしたので、喉まで出掛けたその疑問を飲み込んだ、だってエレナ母さんの背後に現れた黒い影に師匠達も顔を真っ青にしてるんだもの・・・


 話題を逸らす意味も含めて『ギプス父さんはどうして固まってるの?』と聞いたら、


「ああギプスはね、今、悪巧み中よ!」と可愛い笑顔で言われてしまった。




「ああマメ、今回は災難だったな! まあ此奴達の事はギプスの叔父貴が何とでするだろうよ、お前さんが気にする様な事じゃないさ!」とアイス、


「いやいやアニキ、マメはつまらんイジメの被害者である! それなりの罰は受けさせんとならんと儂は思うぞ?」とバイス、


「何を言ってんだアニキ達は? 罰を受けさせるなんて当たり前だ! 要は『どんな罰』を課すか?だと俺は思うぞ?」とカイス


「まあ如何なる理由が有ったにせよ、嫉妬や妬み、果ては己の自己優越感を満たす為、ただそれだけで他人を害する行為を平然と行える様な者は、逆に一度、己が抗えない理不尽を経験してみる事だな!と、僕は思う。」といつも沈着冷静を常としているデイスが締め括る。


「しかし上のアニキ、このリビングアーマーの鎧のタイプって?・・・ 」

「おお、デイスも気付いたか! 儂もそうではないかと見ているのだが、しかし、儂達にはこのリビングアーマーとは意思の疎通が出来んからな〜 おいマメ! 体の具合はどうじゃ?」

「はい師匠、体の方はもう大丈夫です。」

「ならば、ちょっとコッチに来てくれ。」と師匠に呼ばれたので、未だにマメを抱きしめたままのエレナ母さんを見上げると、黙って頷いて微笑んでくれた。

「しかしマメはまだまだ体が貧弱じゃのう〜 あんなナイフでちょこっと刺されたぐらいで気絶するなんぞ! まだまだじゃ〜 儂なんかアスタに同行してオーガの集団に襲われてた砦に行った時なんざ、ブルーオーガが繰り出して来た槍を、この鋼の様に鍛え上げた腹筋で止めて見せたぞ!」とアイスに揶揄われてしまうマメ、

「そうなの?」とマメがアスタの方をみると、アスタはコクコクと頭を縦に振っている。



 実際には、マメはあのアサシン志望の少年冒険者に腹をダガーナイフで刺し貫かれたのだが、どうもアイス達大人達は『マメはナイフでちょこっと刺された。』そんな、その程度だと思わせたい様だ、


「もしかしてマメ君は刃物で刺されたのは初めてかい?」

「はい・・・ 初めてでした。」

「そっか〜 初めてさされてどんな感じだったかな?」

「最初は痛い様な、熱い様な・・・ うん〜〜〜 何故か頭が真っ白になった様な・・・ でも次の瞬間にはアスタさんに抱きしめられて・・・ 『大丈夫だよ!』って言ってもらった瞬間にはなんか気が抜けてて・・・ 気付いたらエレナ母さんに抱きしめられてました。」

「あははは! マメよ! まだまだ子供、子供じゃ! 先ずは刺されたり斬りつけられたと思ったら、先ずは冷静に成れ! 次に相手を良く見ろ! 痛みなんぞ刺されても、斬られても、足の小指を何処ぞにぶつけたり、トンカチで間違えて自分の指を叩いてしまった時と変わらぬよ! 冷静になって絶対に意識を手放さない事が大切じゃ、今回は逆に良い経験をしたと思っとけ、次に刺されたり斬りつけられた時には、今回の事は良い教訓としてお前を助けてくれるだろう。 第一、冒険者となってダンジョンに潜る以上、Dランクから上のダンジョンは魔物達も凶暴になって来る。 まあそんな事を教える役は叔父貴の役目なんじゃがのう・・・」と最後の方はちょっと気恥ずかしくなって来て、顔を赤くしながら頭を掻くアイス、



「さっきから気になってたんだけど、あの3人は何処に行ったの?」

「ああ彼らは、私が姿を現した途端に蜘蛛の子を散らす様にはしりだしてしましたよ! まあ後で私がキッチリとケジメは取っておくから、マメ君は何も心配しないで良いよ。」とアスタは微笑んだが、


 実際にはギプスの指示で3人の少年冒険者達にエレナの忘却魔法を使って『今日はマメが現れる事は無かった。だから自分達は仕方なく王都に戻って来た。でもマメが大切にしている物は壊す事が出来た!』と思わせて、王都に帰らせた。


 まあ彼らが王都の王門を潜った瞬間から、優秀な諜報員達が彼らの今後の行動を四六時中監視する手筈にはなっていたからだ、



「それでアニキ達よ! このリビングアーマーは元々は重戦士ではないのか?」

「ああそうじゃった! その話しをしとった! やはりデイスが観ても重戦士だと思うか?」

「ああアイス兄さん、やはり重戦士だったと思う。 でないと、どのくらいココに野晒しになってたのかは分からないが、アールの様に大部分の鎧は朽ちてたと思う。後は背中と肩のフックと思しき部品だろうか? 多分? いや、間違いなく普段はココに大楯を引っ掛けて移動していたと思うよ、第一、バイス兄さんの様に亜空間収納に大楯を収納出来ない俺達なんか、移動の際には背中のフックに大楯を引っ掛けて移動しているしね。」

「で、マメよ! 此奴は何といっておるんじゃ?」

「うん、やはり師匠達の言う通りで、重戦士だったみたい。」


 マメの足元でアールも威張った様な格好でウンウンと頷いている。


「良し分かった! 此奴も重戦士だったならば儂達の兄弟の様な者だ! 儂達が此奴の鎧を作るのを手伝ってやるぞ!」

「ああそうだなアニキ、儂もマメの師匠としてちょっとは良い所も見せたいからな!」

「うわ〜 中のアニキが頑張ると色々と魔改造された重戦士が出来上がりそうで怖いな〜 」

「諦めろデイス、アニキ達がその気になった時点で魔改造確定だよ!」

「何を言っとるカイス、どうせお前もぶっ飛んだ性能の大楯と大剣と大槌を造るんじゃろう?」

「いや、取り敢えずは動ける様になった此奴もマメの従魔として一緒に行動するのだろう? だったらその従魔には高性能の装備を持たせて、マメを守って貰いたいと言う叔父心さっ!」

「だったら僕は、いざと言う時には重装備の重たい鎧でも素早く動ける様に、鎧の各所に重量魔法の魔法陣で彫み込むかな?」

「いやいやデイス! それは色々とヤバイだろう・・・ 」

「大丈夫だって! バレ無ければね!」


 うん、やっぱり僕の叔父さん達は何処か頭のネジが・・・ と思いながら話しを聞いていたマメに


「そうだマメ、もう此奴の名前は決めたのか?」とデイスが聞いて来たので、


「うん! この子の名前はエルに決めようと思っているんだ。」と答えると、名前が決まって正式にマメとの従魔契約が管理したのか?


 それまでは静かに立っていた重戦士タイプのリビングアーマー改め、重戦士のエルが片膝を着いて臣下の礼を現した。


 そしてアールは矢張り僕の横でエメラダと一緒になって喜びを踊って表現している。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ