044 ) ませきのかちが
いつも読んで頂きありがとうございます。
普段なら午前8時か午後8時の時間設定でアップするのですが、また設定を間違えていたので再度の投稿し直しです。
やっとマメと出会えたのは嬉しかったが、マメの義理の両親であるハズのギプスとエレナの危機感が無いとまでは言わないが、危機感の薄い会話を聞いたパーティー『肉屋』のリーダーアウグストが、
「ギルドマスター達は、ダンジョンの『死神』を前に、何を呑気に夫婦漫才をしているのだ?・・・」と独り言を溢したが、
「ああ、それには私も同意する。
あのリッチの全身から放たれている禍々しい程のオーラは何だ? 私なら二人の様に気安く話し掛けるのは無理だ・・・ 」とアスタ。
「ああ、叔父貴達夫婦だからな〜 あの二人を普通の夫婦だと思ってはダメだ・・・ 」とアイス。
「アイス兄貴の言う通りだ・・・」とのバイスの言葉に、ウンウンと頷いて合意しているカイスとデイスの二人、
「で、マメよ、ダンジョンボスの『リッチ』と友達になった件はひとまず置いておいて・・・ いや、エレナ母さんに任せた方がいいのか? それ以外にも儂が知らぬ者も増えている様だが紹介してくれぬか?」
「はいギプス父さん、まず彼女がアスタさんからアール用に借りていたドールのアカネ、そしてエルよりも大きい彼がヒューイ、新しい僕のお友達♪ あっ、でも彼は僕の従者になるって言ってたかな?」
「かな?とは何じゃかな?とは・・・ まあ良い、新しいマメの従魔と言う事なんだな?」
「従魔じゃ無いよ! アールやエル、それにアカネと同じ様に僕の『お友達』だよ!」
「ああ判った判ったからその様に両頬を膨らませて抗議するな、思わず儂の顔まで緩むわ!」と危うくギルドマスターとしての威厳を忘れてただの親バカ親父になりかけたギプス、
既に親バカ全開である。
「ひとまず儂達は此処で一休みしたら、セーフティゾーンを出て地上を目指して階層を戻ろう。」
「あの地獄の様な階層を戻るのか〜」と一番体力が無いデイスが嘆く、と言ってもこの四兄弟の中の事である。
「いや、昔しギプスの叔父貴達のパーティーに連れられて行ったドラゴンの谷のAランクダンジョンよりもマシじゃね?」とアイス、
「いや、あの砂漠の国の灼熱地獄だったAランクダンジョンの方が酷くなかったか?」とカイス、
「儂的には海底ダンジョンかのう? 儂らドワーフ四兄弟は全員が『金槌』で全く泳げんからの!」とバイス師匠のダジャレと言うか?おやじギャグ?に以外にも反応したのが・・・
《《 アハハハハハ! ドワーフだけに、ドワーフだけに金槌ですか?・・・
アハハハハハ! ふっ・・・ 腹筋が無いのに腹が捩れる〜♪ ア〜ハハハハ!!!♪》》とクール的には笑いのツボにハマったらしい。
そんな大笑いしているクールに追い打ちを掛けたのが、無論ドワーフとして鍛治師でもあるが魔術師としての一面も持つデイスだった。
普段なら一部のクラウン『雷槌』のメンバーにしかウケない『おやじギャグ』を、ここぞとばかりに言い放つと、とうとうクールは
《《 ヒ〜ッヒッヒ! もっ・・・ もう勘弁して下さい、わっ私の全身の骨・・・ 骨が・・・ バラバラになって死んでしまいますよ〜〜〜 》》と文字通りに全身の骨をバラバラにしながら悶え苦しむクール、
「おい、リッチって魔物って、こんな感じの魔物だったか?」とアイス、
「いや上のアニキ、儂が以前に出会った事のあるリッチは出会っただけで『即死耐性スキル』が無いと即死してしまう程に冷淡な魔物だったと思ったが?・・・」とカイス、
「う〜ん・・・ 今、目の前の光景を自分の目で見ていても信じ難いが、次にリッチに出逢ったらデイスに任せてみようか?と思える光景だな!」とバイス師匠、アールとエメラダなんかは床にバラバラになってもなおガタガタと震えている骨のパーツをチョンチョンと突いて遊んでいたが、アスタとアグストはセーフティーゾーンの床一面に散らばって転げ回るクールの骨のパーツを見て青い顔をして見ている。
この二人だけが通常の思考と言うか精神なのだろう。
一通り笑い転げたクールの骨が一箇所に集まると、再びリッチの姿に戻ったが、以外にも誰一人出会った時に感じた恐怖心は覚えなかった。
《《 それで皆さんは今から地上に向かって階層を戻られるのでしょうか?何でしたら私が『ゲート魔法』を使って皆さんを地上までお送りしましょうか? 》》
「「 えっ! 『ゲート魔法』だって!? 」」と、ギプス父さんとエレナ母さんが同時に声を上げて驚く、勿論二人とも違う意味で驚いていた。
ギプス父さんは無論リッチであるクールがゲート魔法を使って地上に現れた際に起きるであろう王都中の大混乱を心配して、エレナ母さんは魔術師としての純粋な好奇心からだった。
そしてクールの提案に、
《ご主人様、魔石が少しでも沢山欲しいのです。》と意を唱えたのがアカネだった。
アカネは少しでも多くの魔石を持ち帰って、アスタが従えている姉妹達に魔石を吸収させたいらしいのだった。
そして今更に気付いた事だったが、アカネの言葉はギプス父さん達には聞こえてはいない様だったので、不思議に思ってアスタに聞いてみると、
「それはマメ君と、今はアカネと名付けられた元私のドールの間に従魔としてのパスと言えば良いのか絆と言えば良いのかは判らないが、兎に角繋がりが出来たからだろう。
現に私はエメラダが言っている事は理解できるしな」とアスタが言う。
そこでマメが気になっていた事を聞いてみた。
「じゃあ何でアールと僕はマトモに話が出来ないんだろう? アールが言いたい事は何と無く分かるんだけれどな〜?」
《主人殿よ、アールは話さないのでは無い『話せない』のだ、だから自身の意思を何と無く主人殿に伝え、それを主人殿がある程度自身の中で言葉として理解しているのだろう?》
「どうして? 最初にマイルームで覚醒した時には喋っていたと思ったけど?」
《我にも分からぬが、誰ぞと声を代償にして『契約でもしたのではないのだろうか?』と我は思っているのだが? そしてアール自身が存在進化して行く中で『契約の神』が再度アールとの『契約』を履行するに相応しいと思ったから、アールの『声』を代償に取り上げてしまったのでは無いだろうかと思う?》
《ご主人様、アカネも小さい兄様とはあのお部屋以降はお話はした事が無いです。
でも小さい兄様が言いたい事は分かりますが・・・ 何であの様にエメラダ様は小さい兄様と楽しそうにお話が出来るのでしょうか?》
「そうだよね、不思議だよね? ちょっとアスタに聞いてみようか?
ねえアスタ、アスタはエメラダに魔石を吸収させた事は有るの?」
「いや、今までそんな事を考えた事も無いね〜 第一、魔石は高価な物だから誰も従魔に魔石を吸収させようとは考え無いだろうと思うよ? どうしてそんな事を聞くんだい?」
「うん、僕とアールは話が出来ないのに、アールとエメラダはあんなに楽しそうに話をしているから、ちょっと気になって、アカネが自分の自我を持って自分で自分の意思を伝えられる様になったのが、大量の魔石を吸収した後だったからね」
「えっ! ただのドールに魔石を吸収させたのかい?・・・
普通はそんな事は誰一人考えようとは思わない物だが、マメ君、君は魔石の価値を正しく理解しているのかい? それ以前に一体どれだけの量の魔石をドールに吸収させたんだい?」
「うん、覚えていないけど取り敢えずスケルトン達の魔石を沢山?」
「取り敢えずって一体どうして?」
「エル達が退治してドロップした魔石を回収して欲しいと頼んだら、大きな麻袋一杯になっちゃって、で、その魔石をエル達が吸収しても良いか聞いて来たから、良いよって言ったら、アカネもエル達の真似をして吸収してて、気付いたら『存在進化』って現象が起きてて・・・ 」と、マメが調子に乗ってマイルームに居たままで第15階層に次から次へとリポップして来るスケルトンをエリアヒールで灰にして魔石にしていた事は黙っていた。
「ちょっと待とうか? その『存在進化』って何だ私も初めて聞くのだが?」
「うん、僕も不思議に思っていたけど『ダンジョンの神』らしき人の声が聞こえて『存在進化』って現象だと教えてくれたんだ」
「そうか『ダンジョンの神』に聞いたのなら本当に起こりうる現象なのだろう。
しかし、この事は他人には、私以外には公表しない方が良いだろう・・・ まあ公表したからと言ってそう簡単には普通の従魔持ちの冒険者達が魔石を従魔に吸収させるのは無理だとは思うが、金と権力を持った貴族達ならやりかねんからな、そうなると魔石の価値が今の2〜3倍、いや下手をすれば10倍以上に跳ねか上がるかも知れないし・・・ そうなると王都ガラルだけでは無く、この大陸全ての魔石の価値が跳ね上がるだけでは無く、各国々のパワーバランスも崩れかねない事態になりそうだし、間違い無く世界中が大混乱に陥るだろうな・・・ 」とアスタが考え込んでしまった。
誤字脱字、また読み辛い箇所等がありましたらご指摘頂けたら幸いです。




