028 ) ちょっとのちがい
昨日、一日でこのお話しを読んで下さった方が100PVを超えました。
本当にありがとうございます。
頑張ってマメの物語りを綴って行きますので、応援宜しくお願いします。
マメはエルの鎧の中に入って、改変が起きた元Eランクダンジョンの第18階層に来ていたが、何故か?アールまでもがエルの鎧の頭の所に収まって、一緒にエルの鎧の中にいた。
その理由は、
《ご主人様! 次!次行きましょう!次♪》と騒いでるアスタさんから借りている人形改め、リビングドールのアカネである。
マメがアール達と話しをしていた間も、アスタさんから借りていた人形は、黙々とスケルトンの魔石を吸収し続け、気付けばマメの膝ぐらいに溜まっていたマイルーム内の全ての魔石を、人形?彼女?一人で吸収し尽くしてて、姿形もかなり変わってしまっていた。
「いったいどうしちゃったの君〜!?』
《私の事でしょうかご主人様?》
「はあ〜〜〜!? この人形、存在進化して自我までも取得してるよ〜〜〜〜!」
《はい、ご主人様の下さった魔石のお陰で、自我のないただの人形でしか無かった私が、自我に目覚める事が出来ました。
これからも宜しくお願いします。》と、ペコリと頭を下げる。
「いやいや僕は君のご主人様じゃないから! 君はアスタさんから借りているだけだからね!」
《でも、私が自我に目覚める切掛を下さったのはご主人様ですから、ご主人様は私のご主人様です♪》
うん、話しが通じない・・・
そして今、
《大きいお兄様、スイチ!》
《任せた!》
《ハイ!》と言って、エルの背中に装備していた大盾を借りているアカネが、右手に持ったアールの細身の両手剣で、鎧を着込んでいるスケルトンを次々とバラバラにして行く、
「しかし本当にアカネは強いね!」
《私が本当に強い訳では無いんです。
私は小さいお兄様が教えてくれた動きを、状況に合わせて再現しているだけで、小さいお兄様の真似をしているだけです。》
「いや、真似が出来るだでも僕は凄いと思うよ」
《ありがとうございます。ご主人様♪》と嬉しそうに、倒したスケルトン達の魔石を回収して、僕の所に持って来て差し出す。
正確には、エルが使う空間収納に魔石を収納して欲しいと差し出しているのだ、まだアカネはレベルが足りていない様で、アールやエルの様にマメの空間収納にアクセスして、剣や魔石なんかを出し入れする事は出来ない様で、魔石を回収する度にエルに頼んで空間収納に入れて貰っていた。
通路を曲がった正面に、大きな両開きの扉が見えて来た。
「多分、あの扉の奥が下の階層に降りる階段がある部屋だと思うよ、だからあの部屋の手前で少し休もうか?」
《何を勿体無い事を言うのですかご主人様? だったらあの部屋の中で休みましょう!》
「どうしてかなアカネ?」
《ご主人様のアノお部屋で休まれるなら、少しでも魔石が回収出来る方がアカネは嬉しいです。》
「アカネは本当に魔石が好きだね〜」
《はい、私達の元気の素ですもん♪》
アカネはアールやエルと比べて、喜怒哀楽の表情がハッキリと出る。
まあそれぞれの性格が出て来ているのかも知れないけど、アールは明るくてお調子者な性格で、且つ社交的な所も有り、冒険者ギルドの受付嬢や女性冒険者さん達に人気だし、エルは男性冒険者達からの信頼が厚く、特に若手冒険者さん達には戦い方の勉強になるからと言って、良く訓練の相手を頼まれ、寡黙で割りと几帳面な性格をしており、時々お調子者アールに振り回されて怒っている姿も見掛けたりしていた。
今回、このダンジョンで大量に魔石を吸収した結果、アールとエルの意思がハッキリと伝わって来る様になって、正直言ってマメは嬉しかったのだ、
通路正面の両開きの扉の中は、案の定、鎧を着込んでいるスケルトン達でいっぱいで、取り敢えず、エリアヒールを掛けて一掃した後に、マイルームの入口を開けて中に入ると、マメはソファーセットのテーブルの上に、定番のシチューと黒パンを取り出して食べ始めた。
その間、食事を摂りながらこの階段がある部屋に出て来るスケルトン達を観察していたが、この部屋に出て来るスケルトン達は、転移門があった部屋に出て来たスケルトン達とは違い、一度に這い出して来るスケルトンの数も10体程度なので、この後、マメがマイルームのベッドに入って寝ている間は、エルとアカネがマイルームから階段がある部屋に出て、アカネを更にレベルアップさせる為に、スケルトン狩りをするらしい。
えっ!アールとエルには、レベルアップの必要は無いのかって?
彼達にレベルアップは必要無いらしい、今の彼達に必要なのは『リハビリ』だけらしい。
マメがベッドの上で目覚めると、茜色の髪と瞳の色をしたドールが、マメの顔を覗き込んでいた。
「おはよう。」
《ご主人様、おはようございます。》
どうやら目の前ドールはアカネらしい、また存在進化したのだろうか? のっぺりとしていた顔が、鼻筋が通った彫りの深い顔となり、ただ少し窪んだ状態だった目の部分には、しっかりと瞼が形作られ、その奥にある茜色の瞳でマメを覗き込み、ぷっくりとした小さな動かぬ唇が、動いていたかの様に見えて、マメは一瞬ドキリとしてしまう。
「アカネ、もしかしてまた存在進化したの?」
《はいご主人様、アカネは大きいお兄様の手を借りて、また存在進化する事が出来ました。》
「うん、良かったねアカネ」
《はい♪》
アカネの表情は動き様が無いハズなのに、一瞬、物凄い笑顔で笑った様に見えた。
アカネの変化は顔だけでは無く、体型もより女性らしい体型へと変化しており、それと少し離れて良く見ると、顔立ちが何と無くエメラダに似て来ていた。
「さて、僕もゆっくりと休んだし、下の19階層に頑張って降りようか?」と言ってマイルームの外を見て見ると、大勢の鎧を着込んだスケルトンが蠢いていた。
《ご主人様、》とアカネは地面に落ちている魔石を取って欲しい様で、早く早くとマメを促す。
マメは自分でも気付いてはいないが、あれから2回ほどレベルアップを知らせる目眩を起こしている。
1度目は第15階層の転移門のある部屋で、2回目はこの第18階層に続く階段がある部屋で目眩を起こしているが、どちらもレベルアップの目眩だとは気付かなかった。
マメが教会で鑑定して貰った時はレベル18だったから、あれから10レベルアップした事になるので、マメの今のレベルは28にレベルアップしたと言う事になる。
当然レベルが上がればマメが使う各魔法のレベルも上がるわけで、マメのスキル『詠唱短縮』や『詠唱省略』が、僅かに効果を発揮し始めたのはこの頃からであった。
まあマメが無意識で行ったと言うよりも、スキルに刺激されてかもしれないが、昨日食事をしている最中に『毎回エリアヒールと唱えるのは面倒だな〜』と、毎度毎度エリアヒールと唱えるのが面倒になり『指をパチリと鳴らすと勝手にエリアヒールが掛からないだろう?』かなどと考え、
『指鳴らす=詠唱を省略してエリアヒールが発動』と、自分に自己暗示を掛けた結果、マメがパチリと指を鳴らすとエリアヒールの魔法が発動するようになった。
昨日の食事中にそれを確認したマメは、
「やはり朝はしっかりと食べないとね、1日の活力は朝食からってね♪」と言いながら、指をパチンと鳴らすと、マイルームの外に犇めいていたスケルトン達が灰となって消えていくが、ふと地面に残った魔石が気になってマイルームの入口を開くと、一つだけマイルームに迎入れた。




