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マメののんびり冒険記? いやいや、本当にのんびりと過ごしたいんだけど・・・  作者: 八葉門希


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022 ) ぞんびがいたさきに



 目の前に現れたゾンビに慌てる事無く対処するアウグストさん達、


 このダンジョンを何度も周回しているとの事なので、ゾンビに対しても慌てる事は無いのだろう。


アウグストさん曰く、


「ゾンビなんて所詮は人の魂の抜け殻、人形の様なもんだ。

 ただ注意しないといけないのは、ゾンビに噛まれたり、引っ掻かれたりしないことだ。」とアウグストさん、


「もし噛まれたり引っ掻かれたりしたらどうなるの?」

「ああ傷口からゾンビの毒に犯されて、やがて噛まれた人間もゾンビになるのさ。」とダンさんが続く、


 その話を聞いて、マメはちょっと怖くなってビビってしまう。


「ちょっとお父さん、何をマーク君を揶揄って遊んでるの?可哀想じゃない、辞めてよね!」

「いや悪い悪い、余りにも純粋に怖がる坊主を見ていると、つい揶揄いたくなってな、アハハハハ!」

「全く、お前達、そんなに呑気に遊んでる暇はないぞ。

 さっさとこの階層の階段を見つけて、下の15階層まで一気に降りるぞ。」

「そうですね、その方が良いかもしれませんね。

 ただ、いつもの場所に14階層に続く階段があればいいんですけど・・・」

「おいおい変な所でフラグを立てるなよ〜」

「全くだ。

 これでいつもの場所に階段が無かったらお前のせいだからな。」

「こんな時だけ俺のせいですか?」


 まあEランクダンジョンで『改変』が発生すると言う大変な事態が起こった割には、結構呑気なパーティーメンバーだなと、マメは思った。


 アウグストさん曰く、


 Bクラスダンジョンでは、改変はある一定の間隔で起きるらしく、しかも浅い階層に、突然、深い階層の魔物が現れたり、深い階層では、全体が森のフィールドだった階層が、砂漠に変わったり、砂漠だったフィールドが、海に変わったりとするらしい。


 マメ自身、まだBランクダンジョンなんて入った事が無かったのでちょっと興味は思ったが、アウグストさんが言うには『泳げない人間が行ってしまうと大変な事になるぞ』との事だった。


 そんな事を話しながら・・・


 まあマメを必要以上に怖がらせない様にと言うのもあるのだろうが、暢気な会話を交わしながら、この4人のパーティー肉屋とマメは歩みを勧めていた。


 まあ『レストランテ・アウグスト』の従業員でもあるカザン青年が言った階段の位置に関しては、やはりというか案の定というか?下の階層へ潜る階段の位置は変更されていた。


 仕方なく一行は、階段を探して虱潰しに14階層を探索する事になったのだが、そこで威力を発揮したのがエルだった。


 エルは狭い通路に入ると、特にその真価を発揮する。


 エルが通路の先頭に立つと、重戦士と言う大きな鎧姿な上に、両肩には空間固定された大盾が浮いているのだが、細い通路ならエルと壁の間にはゾンビが一体ぐらいしか通れない様な幅しか残っていない。


その隙間を通り抜けて来たゾンビをアウグストさん達が切り倒し、ソーセージ屋の娘のシュリさんが火魔法でゾンビを次々と焼いていく。


「回復魔法が使えたらわざわざ燃やさなくても良いんだけどね〜」

「そうなの?ゾンビって回復魔法で倒せる?」

「そうだよ! ゾンビに回復魔法を掛けると、灰になって崩れちゃうんだよ。」

「僕、回復魔法ならちょっとだけは使えるよ。」

「そうなのマーク君、じゃあお姉ちゃんと一緒に試してみようか?」

「うん、ヒール!」と言って、エルと壁の隙間を通り抜けてきたゾンビを、ソーセージ屋の親父が肉包丁みたいな大きな刃の片手剣でバッサリと切った後、マメが回復魔法を掛けると、目の前のゾンビがサラサラと灰になって崩れ落ちた。


 それを見たシュリさんが、


「凄い凄い! これでマーク君が、エリアヒールなんか使えたりしたら言う事なしなんだけどな〜」カザンが言う。


「ヒールにエリアヒールってあるんですか?」

「マーク君は、お母様があの大魔道士と言われるエレナさんだよね? エレナさんから魔法は習ってないの?」

「はい、僕が魔法に目覚めたのはつい最近の事なので、まだエレナ母さんから魔法を習う機会が無かったんです。

「そうなんだ〜 もったいないわね。」

「でも、この9月からは学校に通う事になっているので、その学校で魔法を習うと言う事なので、エレナ母さんが『先ずは基礎をしっかり学ぶ事が大切だから』と言って、下手に教えてくれようとはしないんです。」

「そうなんだ〜 やっぱりお金持ちの子は学校に行けるのか〜 あっ!ごめんね。

マーク君に嫌味とかそんな事じゃなくて、私もある程度の魔法は使えるから、学校に行きたかったけど、やはり家の事を考えると、中々親にも『学校に行きたい』って言い出せなくて、だからこうやって親父にくっ付いてダンジョンに潜って、コツコツとお金を貯めて、お金が貯まったら魔法学校に行こうと思ってるんだ!」と明るく話すシュリ、


 そんな話をシュリとしながらも、マメは自分なりにエリアヒールと言う魔法について考えてみる。


『エリアって、空間の事だよな? その空間って、僕の空間魔法でカバー出来ないのかな?』と悩んでいると、


『出来ると思うよ。がんばってね』と、またあの不思議な声が聞こえた気がする。




その後も、虱潰しに14回層を歩き回った結果、最後に入った大広間の片隅に階段らしきものが在るだろうと言う事が分かった。


 と言うのも、その大広間には無数のゾンビ達が蠢いていたけど、とある一画だけポッカリと口が開いたようにゾンビの姿が無かったので、多分その場所に階段があるんだろうと言う事になった。



「さて、これは骨が折れるなぁ」と言いながら、アウグストさんは背中に背負っていた大剣を引き抜いた。



 この大広間に来るまでは、両手にメイスを持って振り回していたのだが、エルが背中に背負っている大剣と変わらないサイズの大剣を構えると、一同の顔を見回したアウグストさんは、


「行こうか!」と言って1歩前に出ようとしたが、エルがアウグストさんを制して『我が1番に突入する。』とでも言いたげに、ゾンビ達が犇めく大広間に大剣を携えて突入していく。



 まあエルの戦い方は圧巻であった。


 まるで大広間の中に突然竜巻きが発生したかの様だった。


 エルが入って行った大広間のゾンビ達は、一瞬でバラバラに粉砕されていたが、頭を飛ばされようが、足を切り払われようが、手を飛ばされようが、ゾンビ達は動くことを辞めない。


 大量のゾンビがエルに群がって襲いかかっていたが、肝心のゾンビに襲われているエルは、全く気にした様子もない。


 まぁそうだろう。


 エルの鎧にゾンビのボロボロな爪や歯では傷の付け様も無く、逆にエルの鎧に噛み付いたゾンビの顎が外れたり、歯が全部折れて無くなったり、ゾンビ達がエルを叩こうが噛もうが全く気にした様子はない。

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