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マメののんびり冒険記? いやいや、本当にのんびりと過ごしたいんだけど・・・  作者: 八葉門希


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013 ) またもや鎧の




「そうか? では行くぞ!」と大王と呼ばれたハイドワーフの男性は席を立つと、その場にいた全員を見回して頷いた。


まあイリスは、両肩と背中に特大のカイト型大楯を浮遊させて固定しているエルの中に再び隠れたので、ギルドマスターの執務室から出て来たのはマメ達の4人だったが、何故か?マメは普段のニコニコして無邪気に笑っている笑顔ではなく、スッと澄ました澄まし顔でギルドマスターの執務室から出て来た。


 まあ大王付きメイドであるアンナが、主人の大王様を迎えに来る迄に色々とマメが知らなかった事実が暴露されたのだが、その暴露話しが特大の爆裂魔法の様にマメを襲った為、マメの頭が深く物事を考える事を早々に拒否したのだ、その結果、普段からマメの事を良く知る者が今のマメを観て感じた事は、


『現メタリアーナ王国大王の曾孫で、その身分は王位第四位の継承権を持つ、王族のマーク・メタリアーナ』と言う人物で、彼等が良く知る『マメ』では無いと感じた事だろう。


 しかも大王様に『準備は良いか?』と聞かれた際も、マメは黙って無意識に『ハイ』と頷くだけの余裕しか無く、逆にギプス父さんとエレナ母さんが『ヤル気』に満ちた怖い笑顔で大王様に頷き返していた。


まあマメは知らなかった・・・ いや、報せられて無かった事実が先程大量に暴露されたばかりで、未だに頭が混乱中のマメの表情は『良い塩梅の笑顔』のまま固まってしまったのだった。


 まあその結果、2階の一番奥にあるギルドマスターの執務室を出て、一階の広場に向かって階段を降りて来る集団の中にマメの姿を見付けた冒険者達の間では、ザワザワと騒めきが巻き起こった。


「おいおい、あの先頭で階段を降りて来た大男って、もしかしたらメタリアーナ王国の大王じゃ無いのか?」

「マジか?あのメタリアーナ王国の大王様か? お前、良く大王様の顔なんて知ってたな?」

「ああ、以前、メタリアーナ王国まで商人の道中護衛のクエストを受けた事があってな!    

 丁度、魔物達の『活発期』の頃だったか? まあ兎に角、その時にメタリアーナ王国に護衛の仕事で行ってな! メタリアーナ王国の王都に行った時に、その王都の中心地にほど近い場所に、コレまた馬鹿でかい銅像が立ってたから、雇い主である商人に『あの銅像は誰の銅像なんだい?』つて聞いたのさ、で!その商人は『あの銅像は、このメタリアーナ王国の大王様の姿を模した像だよ!』って教えて貰ったから知ってたのさ!」と話していたが、


 すると後ろでその男達の話しに聞き耳を立てていた一人のドワーフが、


「ああ、兄ちゃんの言う通りだぜ! あの御姿は『俺達の大王様、バルバドス・フォン・メタルアーナ大王様だ!」と教えていた。


 まあ初めはガヤガヤとしていた受付前の広間であったが、さっきも一人のドワーフが説明していたバルバドス・フォン・メタリアーナが、その威厳を示すかの様な迫力を放ちつつ、階段を一歩一歩と降りて来るに連れ、受付前でザワザワと騒めいた騒めきも落ち着き、いつの間にか受付カウンターにいた受付嬢達はともかくとして、ギルド職員全員が2列に並んで、バルバドス大王に対して一斉に一矢乱れぬ辞儀をし大王様を見送る。


 そしてマメが内心驚いたのは、2人の受付嬢が冒険者ギルドの両開きの閉じられた扉の前に左右一人づつ立ち、冒険者ギルドの両開きの扉を静かに開け広げた瞬間、


マメの目の前には、白金の鎧姿の近衛騎士が10名とドワーフの重装備の重騎士達が、隊列を組んで大王が出てくるのを待っていたのだ、後から聞く所の話しな寄ると、白金の鎧を纏った10人の近衛騎士達は、全員がこの王都に住むドワーフ達なのだそうだが、それぞれの白金の騎士たちの背の高さはエルと余り変わらない事にも驚いたが、


 このガラルに来る前は、この全員がバルバドス大王の近衛騎士を勤めていた経験があり、冒険者達で言う所の『Aランク冒険者』並の実力を最低限でも持っているとの事だった。


 まあ大王様がエルの鎧を自分の身辺を警護する近衛騎士達とソックリな姿にしたのも、この集団の中にエルが『さも当然』の様に混じっても、誰も疑問に感じたり、不自然に感じたりしない為だったのだろう。


 まあマメの曾祖父であるバルバドス大王が『マメに良い格好を見せたくて』ついつい暴走してしまったきらいもあった様だ、


この時のマメは、色々な意味で物事を感じたり判断する能力が著しく低下しており、大王から、

「マークよ、決して表情を崩さず澄ました顔に微笑だけを貼り付けて、ただ儂だけを見て儂に黙って付いて来れば良い、後は全て大人の我らに任せておけ!」と大王に言われた事をしっかりと守り、内心では『うわ〜!』っと声を上げてしまいそうになったマメだったが、どうにか表情には出す事は無く、澄まし顔に貼り付けた微笑を少しだけ深めるただけに留める事に成功はしたが、その澄まし顔に貼り付けた微笑が深まった瞬間、間近でマメの姿を見ていた冒険者ギルドの受付嬢達は兎も角、その場に居合せた女性冒険者達もマメの『微笑』の虜になってしまった者も居たとの事だった。



 そして、いつの間にかメイドのアンナがバルバドス大王の右斜め後方にスッと姿を表せると、さほど大きくもない声なのだがしっかりと通る声で、


「バルバドス・フォン・メタリアーナ大王様の、御出立です!」と厳かに宣言すると共に、その場に居た騎士達が一斉に声を揃えて『オゥ!』と返事をした。



 この騎士達の声を聞いたバルバドス大王様は静かに頷くと、

「ではこの国の王に会いに行くとしようかの?」と言ってこの集団の先頭を歩き始めた。


 約道幅8メートルほど有る冒険者ギルドの通りから、国王が住む城へ向かうには、この大通りを真っ直ぐに進めば良いのだが、この大通りの両サイドには、バルバドス大王御一行の行列を一目だけでも見送ろうと、多くの民衆が集まっていた。


 割と城の城門に近い場所に在る冒険者ギルドから、城門まで普通に歩いても10分程度ではあったが、バルバドス大王はマメを大王自身の真横を歩かせて、マメと笑顔で談笑しながら行列の先頭を闊歩していた。


 そして、もう少しで城門に着く頃になると、先触れからバルバドス大王の来訪を知らされていたのであろう。


 ガバス王国の近衛騎士達が整列してバルバドス大王の一行を出迎える中、この国の国王らしき人物がその先頭に立ち、大王を出迎えている姿がマメにも確認する事が出来たが、かなり派手な登場の仕方とはなったが今回は一応は『非公式』での訪問と言う事になっており、玉座が鎮座する『王の間』での堅苦しい挨拶は飛ばして、そのまま国王の執務室兼重要人物を接待する際に使用している応接間に案内された。


 ここで補足しておくと、このバルバドス大王様、約10年位前にも『お忍び』としてこの国を訪れた事があったが、


 ギプスがギルドマスターとして勤めている王都ガバスの冒険者ギルドに突然姿を現したかと思えば、ギルド内に居たドワーフ達と一緒に酒盛りをし始めるわ! その酒盛りの最中にドワーフ冒険者達から『大王様!大王様!』と呼ばれていたので、全くのお忍びの行動とは

言い切れず、城から迎えが来てしまい結局は城に連れて行かれた事が有ったが、今回は自分の意思で城まで来ていた。


「バルバドス大王様、本日は如何なる用件でお越しでしょうか? 確かバルバドス大王様と会って会談する予定は2日後の午後からだったと思っていたのですが?」

「ああ、その事だがアッシュよ! ちょっと予定が変わってな、済まぬな!」

「いえ、バルバドス大王様が来て頂くのは誠に嬉しいのですが、我々も少々込み入った事情がありましてバタバタとしております。 十分なおもてなしが出来るとは思いませんが、何卒、この城で御寛ぎ下さい。」

「儂と其方の仲じゃ、そんなに畏まった言葉遣いは無しと言う事で楽に話そうぞ、」

「ありがとうございます「大先生」そして、ギプス先生もエレナ先生もお久しぶりです。 そしてそのお子さんが先生の養子となられたマーク君で良かったでしょうか?」

「はじめまして、私はギプス・フォン・メタリアーナの養子として迎え入れて頂いた。

マーク・フォン・メタリアーナと申します。 以後、お会いする機会も多々あるかとは思いますが、まだまだ未熟者なれば・・・ 」

「はじめましてマーク君、私はこの国の国王、アッシュダードです。 そんなに緊張しないで、リラックスして過ごしてね。」と逆に優しく気遣われてしまい、恥ずかしくて素直に『コクン』頷くに留めておいた。


 まだ本当に大切な要件の話が終わってないのだ、



 そしてバルバドス大王がおもむろに、本日、ワザワザ城にまで足を運んで赴いて来た要件を話し出す。


「アッシュよ! お前が言う『少々立て込んでいる』と言う理由は、お主の身近な者の事ではないか?」

「大先生・・・ いえ、バルバドス大王様、何故その様な事をご存知でしょうか?」

「いやアッシュよ! 今日は可愛い元『教え子』にちょっとした届け物があったので参上したまでじゃ、儂は用件が終わったらお役御免じゃ! 本当にアッシュお主に用が在るのは、儂の曾孫のマークじゃ、じゃが儂がこれだけ派手な登場をせんと成らぬ様な用件だった事は確かじゃ! 後は・・・」と大王はマメを見て頷いて見せたが、


 アッシュ国王は『この少年は私に対して一体どの用件が有って、ワザワザ曾祖父で在るバルバドス大王に頼ってまで私に会いに来たのだろうか?』とマメの瞳を見ていたが、


 マメはエルに向かって『出してあげて』とだけ短く言うと、バルバドス大王の近衛騎士としてこの場にただ一人同席していた騎士が、突然、鎧の胸部装甲を取り外そうと動いたので、ガバス国王側の近衛騎士達の間には一瞬の動揺が走ったが、バルバドス大王から『皆の者、落ち着いて黙って見ていろ!』と威厳のある声で一喝された事もあり、またもやエルの胸部装甲からエレナに手助けして貰いながら出て来た少女を見て、王国側の全員が一斉にとても大きな歓声を上げた。



 それはそうだろう。



 エルの胸部装甲から這い出て来たのは、正に今、城中の者達が懸命になって探し回っている人物本人だったのだ、



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