冒険者
はぁ。
今日は、嫌な夢を見てしまった。
あの勇者パーティーにいた頃の夢。
俺は今、魔王なんだ。
あのパーティーにいた頃の無能ではない。
俺は魔物の王だ。
「ソナタ、どうしたのじゃ?……あぁ、なるほど。大丈夫じゃぞ。今、ソナタは下にいる者ではない。上に立つものじゃ。大丈夫じゃ。大丈夫。」
「………ありがとう。俺は今、魔王を統べる者。……あぁ、大丈夫だ。」
「ハルマ。ソナタにとってはいい知らせがある。」
「なんだ?」
「勇者ミレア……いいや。冒険者ミレアのパーティーが勇者から冒険者へと降格したようだ。」
「は?」
「理由としてはギルドへの偽結果報告。民間人への対応等があったようじゃ。」
あぁ。確かにアイツらなら有り得る。
「じゃが、ここから悪い知らせじゃ。ミレアパーティーがハルマがそうやれと言ったと周りにいいふらし、"無能ハルマなら有り得る"という風潮が出来ているようじゃ。そして、ソナタの首に賞金がかかっておる。」
「まぁまぁ、そうそう俺は死なんよ。」
その後、新聞で見たのだが俺の首にかかった賞金は1千万
「魔王様すごいです。驚きました。ナイア様や私もいつかこうなるのでしょうか?」
「さあ?それは分からないけど、仲間と名乗ってたらそうなるんじゃない?」
「それは、楽しみですね。そしていつか冒険者共がこの城にも攻めてきそうですね。楽しみです!」
おぉ、戦闘狂になってきてるな。
そろそろ性格の矯正をすべきか?
「ライラ。1つだけ言わせてもらおう。もし、冒険者にミレアパーティーとかいう奴がいたら俺に回せ。奴は俺の復讐相手だ。」
「分かりました。仰せのままに。」
アイツらが俺に対してそんな噂を流すんだったら俺もアイツらに対して復讐をするよ?
なぁ、ミレア。
首を洗って待っておけ。
地の果てまで追いかけてやる。
あぁ、そうそう。
そういえばその後の話なんだが、ナイアが
「ハルマ!ハルマ!ドラゴンが孵ったぞ!可愛いぞ!見てくれ!」
見るとなんかどことなくナイアに似てる。
「あ?ハルマ?妾がこのドラゴンに似てるというのか?」
あらー。心の中、見られてるー。
「何とか言ったらどうじゃ?」
「あー、ドラゴンに似て可愛いということだよ。」
ん?急に顔が赤くなった。
「……もう知らん!」
なんだ?
結構怒られると思ったんだが。
まぁ、いつかナイアの胃に穴が開きそうだからナイアの好きなチョコレートケーキでも持っていくか。
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