悪魔
「なんだ!?このネックレスは!あの、勇者ミレアの仕業か?」
「いや、あの勇者ミレアとかいう奴の仕業ではない。探しておったぞ?ハルマ・ミケード。」
目の前に現れたのは身長が高く、少し悪っぽい顔をした女性の悪魔だった。
「は?探してた?どういうことだ?」
「そなた、自分は何者かを知らんのか。」
「は?」
「そなたは、今は亡き魔王、ルドア・ミケードの息子じゃ。」
「ルドア・ミケードの息子?俺が?ないない。俺は弱いし。」
「そなたは才能が開花していないようじゃな。どれどれ、妾が開花させてやろうではないか。」
と俺に手をかざした
あれ?力が湧いてくる気がする!
「どうやら開花したようじゃな。で、さっそく本題にいこうではないか。」
「そなた。妾と契約して魔王とならんか?」
「本当に?」
「そうじゃ。もちろんあの勇者に復讐もできる。どうじゃ?魅力的じゃろう。」
「………。分かった。契約する。」
「そうか!良かった!ではこの契約書にサインを!」
と言われたのでサインをすると、目を輝かせた。
案外、かわいいな。
見た目大人の女性って感じなのに。
「よし。サインもOKじゃな。では、妾はそなたの所有物じゃ。」
「所有物!?聞いてないんですけど。」
「言ってなかったか?まあ、契約書にサインした時点でその事はもう決まっておる。妾はナイア。これからよろしく頼むぞ。」
といい、なぜか頬を赤らめた。
なんでだ?
「あ、あぁ、よろしく。」
「では、さっそくじゃが、魔王城に行こうと思う。よいか?」
「大丈夫だ。」
急に光に囲まれて見知らぬ地に飛ばされた。
「うわ!でっか!この城とてつもなくでっか!」
「そうか?ここがそなたの産まれ育った家じゃぞ?」
俺に昔の記憶はない。
なぜかないのだ。
記憶としてあるのは16歳の頃から。
それより前の記憶がない。
「そうか。そなたは記憶がないのか。」
「!?なぜそれを?」
「そなたの記憶から少しな。おそらくルドア様がそのようにしたのじゃろう。何故かは分からんがな。」
「そっか…。」
「その話はもうよい。ここに住む住人。人間でいうモンスターにそなたを紹介しようと思う。よいか?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「新魔王様のおなーり!」
バルコニーまで進むと色々な人がいるのが見えた。
今日魔王になれって言われてなった魔王だけど、本当に不安になってきた。
「今日、魔王として就任なさったハルマ様だ。くれぐれも粗相のないように。」
「みなさん。こんにちは俺はハルマ・ミケードだ。これからよろしく!」
まあ、そんなこんなで挨拶を終えた訳だが、1つ問題がある。
それは
「なあ、なんでお前と相部屋なんだよ!ナイア!」
「よいではないか。妾はお主の所有物。自分のぬいぐるみを部屋の外に置いたりせんじゃろ?それとおなじじゃ。」
「まぁ、そうか?……いやいやいや、違うだろ!?気にするよ!」
「妾は気にせん。」
「俺は気にする!」
「話がまとまらんな。しょうがない。じゃんけんで決めようぞ。」
「望むところだ!」
結果
負けた。
「お前、俺の心を盗み見たんじゃないか?」
「イヤ、ソンナコトシテオラヌゾ。」
「絶対しただろぉ!」
もうナイアとはじゃんけんをしないことをここで決めた。
それよりも、俺は魔王として数多くのモンスターを使役するんだ!
そしていつかあの勇者パーティには復讐をする。
それだけは本当に成し遂げてやる。
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