俺とカツイエ
泣き疲れたのか俺に抱きつきながらいつのまにかカツイエは眠っていた。全く。無理をするからだ。俺に抱きつくのなんて体調が回復してからでいいのに
「カツイエ様。すごく嬉しそうに眠っていますね。ノーズ君に会えたことよほど嬉しいみたい」
「俺も嬉しいっちゃ嬉しいがカツイエにはガゼリアス家の跡とりとして会いたかったな。しかしあんな奴らの巣窟にはおいとけないししばらくは俺たちで面倒を見よう」
「そうですね。しばらくは私達で面倒をみましょう。それでノーズ君。友達の方は大丈夫?」
「ああ。もう大丈夫だ。もしまたいじめが発生したらならそいつをまた懲らしめるだけ。今回のやつはマリーのせいで死んだよ」
俺がケルトに言うとケルトは「そう、ですか」と言った後に
「それはまたノーズ君のせいにされたりはしないんですか?」
「多分しないんじゃないか?自分でしないって言ってたしよ。ま、なんかされたらケルトと学園長。また頼むわ」
「簡単に言ってくれるわね。心配するこちらの身にもなりなさいよ。一応私は君の姉なんだからね」
ケルトは俺の頭を軽くこづく。
「わーってるよ。でも心配してくれてありがとうな」
俺はケルトに言うと部屋にあるソファの上で横になって寝た。
翌日俺が目を覚ますと隣にカツイエが座っていた。
「あ、兄様。おはよう」
「あ、ああ。おはよう。何してるんだカツイエ」
「何って兄様の顔見てたの。兄様の顔、なんだか逞しくなったなって」
そりゃ何年も経てば顔立ちは少しくらいは変わるだろ。
「兄様かなり大人びたね」
「そりゃ18にもなれば少しは大人びるだろ」
「違うよ兄様。見た目の話じゃないよ。雰囲気だよ。こう、なんていえばいいのかわからないけど。でもなんだか大人になったなって感じるの。僕のことを奴隷として扱っていたクレア様は僕とは同い年なんだけど正直みっともなさすぎて。僕が兄様を助けられなかった天罰だと思っていたんだけど兄様が生きていたからもう我慢しなくていいんだね」
「ああ。我慢しなくていい。今まで酷いめにあっていた分ここで休んでいるといい。クレアのことに関してはこちらでどうにかするから」
俺はカツイエに言うとカツイエは
「わかった兄様。僕しばらくお世話になるね。でもただ休んでるだけじゃなくてちゃんと兄様の役にも立つようにするから。今は僕1等級貴族扱いだからね」
カツイエがそこまで言うと俺はカツイエに「なら頑張ってくれ」といい、支度をした後に学園に向かった。