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報われたカツイエ

 カツイエを看病すること数時間、日付が変わりそうになる1時間前くらいにケルトが帰ってくる。


「遅くなりましたノーズ君。ご飯は食べましたか?」

「まだだ。カツイエの看病をしていたからな」

「カツイエ様を取り戻せたんですね!それでは今からご飯をおつくりしますので少々お待ちください」


 ケルトが部屋の調理場に入って数分後ケルトはお粥と卵焼きをつくってもってきてくれる。


「時間がないので簡単なもので申し訳ありませんが」

「いや大丈夫。ありがとうな。ケルト。カツイエ。ご飯食べられるか?」


 俺は寝ているカツイエに言うとカツイエは目を覚まして


「ご、飯?ご飯があたるん、ですか?」

「そうだよ。お前も奴隷だとしてもご飯はもらっていたろ?」

「地面に落ちた米粒とかですか?僕の、ような奴隷にまともな、ご飯だなんて」


 地面に落ちた米粒を食わせていただと?あのクソアマ。許せねぇ。完全に頭にきたぜ俺は。カツイエに対しここまで酷いことをするとは。マジで許せねぇ。


「ちゃんとしたお粥でございますよカツイエ様。食べられそうだったらでいいので食べてください」


 ケルトがカツイエに言うとカツイエは急にばっと起き上がり


「き、君はなんで僕のことをカツイエ様と?僕はもうガゼリアス家ではなんの地位もないと言うのになぜ様を?」


 確かに今ケルトがカツイエ様と言ったらカツイエの反応はああくるかもしれない。でも諦めていたのであればこんな勢いよくとびついてはこないはず。多分カツイエはまだモード・ガゼリアスが生きていると思っている。なかば諦めていても心の中ではきっと生きていてほしいと思う何かがあるんだろうな。


「え、えーと、それはですね」

「それに君は見たことない顔だがなんだか懐かしい感じがする。雰囲気?と言えばいいのかどうだろうかあった気があることがあるような」


 カツイエがケルトに言うとケルトは


「・・・そうですね。私とそこにいらっしゃるノーズ君は死んだもの扱いになっていますがおそらくあなたの期待通りの人です」

「ま、まさかそんな。でも僕の知り合いに顔がそこまで火傷している人は」

「これは自分で後からやったんですよカツイエ様。お久しぶりです。私本名はマーケルト。今はケルト・ズオと名乗っています。そしてあなたを助けてくれたあの人は本名はモード・ガゼリアス。今の名前はノーズ・ズオです」


 ケルトが自分の本名と俺の本名を言うとカツイエは泣きながら


「に、兄様、やっぱり生きて、た。兄様兄様ぁ!」


 カツイエは泣きながら俺のことを呼び続けていた。

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