カツイエ
寮の部屋に戻ると部屋の中には既にカツイエとマスドラがいた。
「あれ?俺鍵渡しておいたっけ?」
「鍵の方はケルト様からいただいていたから大丈夫だ。ケルト様はおそらく自分の方が帰りは遅いとおっしゃっていたからな」
ケルトの方が遅くなるか。やっぱりコーネリさんは相当精神がやられているんだろうか。
「それでカツイエは無事か?」
「無事ではないな。我があのクレアとかいう女の前にわって入る前に魔法の実験台にされていたからな。下手したら死んでいたかもしれんぞ」
魔法の実験台か。クソひでぇことしやがる。俺はカツイエの上半身の服を脱がせるとカツイエの体の状態に涙が出そうになる。身体中に紫色のあざ、火傷の跡、それに剣できられて雑に縫ってある場所まである。しかも腕にまでそれはあるし、両足にもズボンで隠れていたが火傷の跡がかなりひどい。
「う、うぅ」
カツイエはうめきながらも目を覚ます。
「やぁ」
「あなたは、誰、ですか?ご主人様は?」
カツイエは起きた後に俺に言うと俺はカツイエの肩を掴んで
「カツイエ。君はもう何も心配しなくていいし、責任感を感じなくてもいい」
「責任、感を感じなくても、いい?あなたに何が、うっ!」
カツイエは俺の言動に腹がったのか怒ろうとするがそのままカツイエは寝込んでしまう。カツイエの頭を触るとかなりの熱がでていた。
「これはやばいな。とりあえず水魔法で頭を冷やすしか」
俺はとりあえずカツイエの額の上に水にぬらし絞ったタオルをのせる。下手なことをして悪化させたら助けた意味がないからな。ケルトのやつ早く帰ってこないかな。
俺はケルトが早く帰ってくるのを待ちながらカツイエの看病をしているとカツイエが意識が朦朧としているなか
「兄様、いか、ないで。僕を、1人に、しないで、よ。う、うぅぅ。うぅう」
意識が朦朧としているくせに俺のことを求めてやがる。
・・・本当にカツイエには悪いことをしたな。これからは何があろうと必ず守ってみせるさ。
部屋で待機していたマスドラが俺に近づいてきて
「主人。我は次に何をすれば良いのですか?」
「そうだな。明日からはクレアの動きを確認しておいてくれ。今日のこととカツイエをとられたことで多分お前のことを探し出そうとするだろうからな。何か顔に仮面でも被ってクレアが何をするか探っておいてくれ。今日はもう休んでくれてかまわん」
俺がマスドラに言うとマスドラは「了解」と返事をした後にその場からきえた。