パラポラの最期
「ガ、ァァァァ。ミズ、ガ、ホシ、ィィィィ!ノドガ、カワクゥゥゥゥ!」
パラポラだった魔物のようになった奴がはみっともなく口から涎を垂らしながら俺に襲いかかる。
「それじゃ私はこれで失礼するっす。それの処理、頼んだっす」
マリーはパラポラだった魔物に対し言う。それだと?魔物に姿を変えさせる薬を与えて人間の姿じゃなくなれば物扱いだなんて。マリー。お前はどこまで外道なんだ。こいつは更生の余地があるのか?
「マリー!お前どこに行く気だ!」
「え?あたしがどこに行くか気になるんっすか?嬉しいっすね。あたしに興味を示してくれて。でも残念っすね。ノーズ先輩には関係ありませんっすよ。強いてヒントをあげるんであればクレア姉さんが呼んでるんで」
ヒントどころか答えをくれたな。だがどうしようか。こいつをどうにかしないとマリーをとめることはできない。翼があるから飛んで行こうとすれば騒ぎになる。そしてこの件をまた俺のせいにしてどうにかしようって魂胆が目に見えている。だからこそパラポラだった魔物は逃す事は出来ない。
「ま、頑張ってくださいっす。今回そいつを倒してくれればノーズ先輩のせいにはしませんから。それじゃ」
マリーは屋上から去ると俺はパラポラだった魔物と向き合う。パラポラ。今となっては可哀想に感じるよお前は。ポルポフをいじめていた事は許せんが女に利用されるだけ利用されて捨てられるなんてな。転生前の自分を思い出すよ。だからひとおもいに殺してやるよ。
俺はパラポラ魔物に手を向けて魔法を無詠唱で放つ。
「ファイアストーム!」
俺の放った魔法、ファイアストームはパラポラ魔物の全身を包みパラポラ魔物を骨も残さずに焼いていく。
数十分後にはパラポラ魔物が立っていた場所には真っ黒な灰だけ残り、灰は風に吹かれてどこかへとんでいく。
「パラポラ。もし生まれ変わるなら今度は必要とされる人間になる事だな」
俺はパラポラだった魔物の飛び散った方角に対し言うと屋上から出てマスドラに連絡をとる。多分頭の中で呼びかければこたえるはずだ。
「マスドラ!マスドラ!」
俺は頭の中でぼやくとマスドラは
「主人。なんのようだ」
「今どこにいる!」
「今は学園の前でカツイエという人間を蹴っていた人間と遊んでいます」
俺の頭の中でマスドラは言う。蹴っていた人間ってやつは多分クレアだろうな。とりあえず急いで学園の前にまで向かうか。