友達
ケルトに用意された朝食を食べ俺は学園に向かう。学園に向かう前にやたらと体当たりされたりとか下駄箱を開くと魔法がとびだすように仕掛けられていたりと散々だった。
はー。ゲームの世界に転生してまでこんな幼稚ないじめをされるとは。相手にするのも面倒だし。はー。ほんとため息しかでないよ。
俺は自分のクラスに入り、席に着くとめちゃめちゃクラスの奴らが俺を睨んでいる。興味がないから聞かないようにはしているがなんかぼそぼそぼそとこちらを向いて話している。はー!ほんとくだらねぇな。
「よう。ノーズ・ズオ」
クラスにいた1人の男が話しかけてくる。
「なんだ?何かようか?また決闘でもしたいのか?」
「いやいやいや。ズオ君とは決闘しようとは思わないよ。僕は君と親友になりたいんだ」
俺と親友になりたい?なんでだ?ん?ちょっと待て。こいつ、見たことあるような。
「あーーーー!」
「わ、わぁ!き、急にどうしたの?ズオ君」
思い出した。こいつは確かポルポフ・ボンド。何等級の貴族かは知らないけどこいつは確か偉い貴族どもにいじめられていたやつだ。こいつ貴族だったけ?平民だったような?
「僕はポルポフ・ボンド。貴族階級は1等級。君と同じだよズオ君」
1等級、俺と同じか。しかし俺と親友になるか。
「ポルポフ君。俺と親友になるとだいぶ苦労するよ。俺のせいで君に対するいじめが激しくなるかもしれない。それでもいいのか?」
「う、うん。い、いいよ。それで、お昼休みに噂の平民での光属性魔法が使える人がいるって聞いたからその人を見に行きたいんだ」
噂の平民での光属性魔法の使いてねぇ。思いっきりこのゲーム王子様に抱かれたいの主人公じゃないか。でもあの子は2日目から攻略する男とはちあわせするイベントが多かったから多分会えないと思うんだが。
「ま、親友になるのはいいよ。ポルポフ。これからよろしくな」
「こ、こちらこそ。実は1等級平民が少なすぎて気まずかったんだよね。かたみがほんとにせまくてせまくて」
「ま、こんな俺の圧倒的実力をみせつけてそれをズルとかいう奴らと一緒にいるのは辛いだろうな」
俺が自慢げに言うとさらに周囲が俺を睨む。
「ま、まぁまぁ。そんなこと言わないでさ。俺たちだけでも仲良くしようよ」
ポルポフが言ったころにチャイムがなり、クラスのみんなは席に着くと先生が1年A組のクラスに入ってきた。