表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/77

プロローグ

「くそ!くそくそくそ!」


 俺の名前は野間 和男。高校三年生の18歳。勉強は自信がなく、運動もあんまり自信がない。自信があるのはオタクとしての知識だけ。端的に言えばアニメが好きだしゲームも好きだ。そんな俺が今呪詛を口にしているのには理由がある。

 時は1週間前くらいにさかのぼるが俺の通う高校には高嶺の花と呼ばれるくらい美人な女性、君塚 愛子という同い年の生徒がいた。彼女は俺とは正反対で成績優秀、スポーツ万能、そして見た目も良いことからモデルのバイトをしていたりした。そんな彼女が1週間前の放課後に何の接点もない俺に急に話しかけてきたのだ。


「ねぇねぇ。君、野間君だよね?」


 俺はその日高校の教室机でうち伏せで寝ていたので誰かと思って顔を見ると話しかけてきたのは君塚さんだった。思わず驚いて俺は腰をぬかした。


「き、き、君塚さん!ぼ、僕みたいな奴にな、何かよう」

「要がないと話しかけちゃだめなの?あはは。野間君って面白いね。実は野間君にお願いがあって」


 君塚さんはそう言ってとあるゲームのカセットを俺に渡す。


「野間君。ゲームとくいだよね?」

「う、うん。得意分野だけどどうしたの?」

「この恋愛ゲームのCGを全部コンプリートして私に渡して欲しいの。わたしゲームとか機械関係はてんで弱くて。だからお願い!」


 君塚さんは俺に頼むと俺はとりあえず君塚さんに渡されたゲームカセットをみる。

 えーと。タイトルは王子様に抱かれたい、か。内容は自分がヒロインで男の子を攻略するゲームか。うーん。まぁ俺部活にも入ってないし時間は有り余ってるからな。


「別にいいよ。大体3日もあればクリアできるけどどうする?」

「ほんと!?じゃ3日後の放課後の時間にまた会いましょう。本当にクリアできてたら付き合ってもいいよ!」


 君塚さんはそれだけ言うと教室から急いで出て行き、俺はテンションを心の中であげながら家に帰って即ゲームを始めた。

 そして3日後の放課後に会う約束の時間の前に俺はトイレがしたくなりトイレに向かい教室に戻って近くにまで戻ると教室から笑い声が聞こえてきた。俺はひっそりと教室を覗くと君塚さんと君塚さんの周りの女子が3人くらい集まって大爆笑していた。


「ねぇ愛子。私のゲームは?」


 ・・・は?私のゲーム?何のことだ?これは君塚さんのゲームじゃ。

 俺がゲームカセットを見ながら思っていると君塚さんはげびた笑いをしながら


「あー。あれね。あれはあのクソオタクに任せてあるから今日来るはずよ。あんなオタクに頼みたくもなかったけどあのいつも暇そうにしてるゲームオタクに任せておけば楽だからね。あはは!」


 君塚さんはげびた声で高らかに笑う。やめて、やめてくれ。そんな声で笑うのはやめてくれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ