4 テーマ曲発表!
という訳でその日の昼休み。
俺とエリックは昨日と同じ様に、校舎の屋上へとやって来た。
俺らはとりあえず、昨日と同じベンチに並んで腰掛けた。
そして昼飯のパンを食い終えた頃、エリックが真剣な顔で言った。
「今から僕が話す事はとても重要な話なので、鏡助君も真剣に聞いてくださいね」
「おう、分かった」
「それではお聞きください。ひょっとこ仮面のテーマ曲、『闘え!ひょっとこ仮面!』」
「待ちたまえ。少し待ちたまえ」
「♪ひょっとこ!ひょっとこ!知床!ひょっとこ♪」
「待ってって言うてるやろ!何でいきなりひょっとこ仮面のテーマ曲やねん⁉しかも曲の中に知床とか出てきたし!」
「鏡助君、ヒーローというのは何が一番重要か、ご存じですか?」
「え?それはやっぱり、正義を愛する心とちゃうの?」
「違います。一番大事なのは、そのヒーロー番組の視聴率です。あと、映像ソフトやグッズ関連の売上」
「うぉおおぃっ⁉それを言うてしもうたらアカンやろ⁉それは製作者側の事情やろ⁉」
「ハッハッハ、冗談ですよ。話半分で聞き流してください」
「お前さっき、真剣に聞けって言うたよな?」
「それでは改めてお聞きください。『闘え!ひょっとこ仮面!』」
「結局歌うんかい⁉ちょっと待てやコラ!」
「何なんですか?人がせっかく気分よく歌おうとしているのに」
「気分いいのはお前だけやろ⁉俺はそんなしょうもない歌を聞きとうないんじゃ!」
「まあそう言わずに。この歌はですね、椎家○妻さんという人が作ってくれた、素晴らしい歌なんですよ?」
「尚更あかんやろ!そいつが作った時点で恐らく最悪な歌やろ!」
「それでは何としてもお聞きください。『闘え!ひょっとこ仮面!』」
「どうしても歌いたいんか!」