1 次なる刺客
「何ぃっ⁉黒タイツの平蔵が、何者かにやられただとぉっ⁉」
もはやおなじみとなった町外れの研究所の一室。
そこに居た白髪に白衣の男が、驚いた表情で言った。
するとその正面に立った、下半身にハイレグの海パン一丁の二十代半ばの青年が言った。
「現場を一部始終撮影していた、超小型カメラ内臓の毛虫型ロボットの映像によると、平蔵さんを倒したのは、ひょっとこ仮面という謎の人物でした」
「ひょっとこ仮面?あの人造怪人の平蔵を倒したという事は、そやつも人造怪人なのか?」
「それは分かりません。ちなみにその者は、最初は普通の男子学生の姿をしていたのですが、腰に着けていた腹巻きを使って、ひょっとこ仮面という輩に変身したようです」
「腹巻きで変身だと⁉もしやその人物は、銀色の髪をしてはいなかったか⁉」
「いえ、その者は黒い髪をしていました。しかしそういえば、その傍らに居た人物は、銀色の髪をしていました」
「何という事だ!あの裏切り者め!まだ生きておったとは!」
「ワルダー様?その銀髪の男をご存じなのですか?」
「ああ、昔ちょっとな。どうやらあやつは、死ぬまで私の邪魔をしたいらしい」
「ワルダー様、そういう事ならこの僕が、その憎き銀髪男とひょっとこ仮面なる者を成敗してまいります」
「そうか、しかし油断は禁物だぞ。特にそのひょっとこ仮面なる者。黒タイツの平蔵を倒す程の実力があるとなると、かなりの手足れのはずだ」
「お任せください。僕は平蔵さんより、筋肉が沢山付いてるんです。モリモリなんです。だからご安心を!」
「うむ!ならばお前に任せよう!必ずや憎きあやつを打ち倒し、小中守菜をさらってくるのだ!」
「ハッ!」