6 俺がヒーロー?
時間は少し進んで六時間目の授業時間。
俺は先生の話も聞かず(いつも聞いてないけど)、昼休みの室戸の言った事を考えていた。
昼休み、室戸は真剣な表情で俺に言った。
『ヒーローに変身して、小中さんと地球を守ってください!』と。
何やねんそれ?
確かに昨日守菜ちゃんは、正体不明の怪しいオッサンにさらわれそうになった。
これからもあのオッサンが守菜ちゃんを襲う可能性は大いにある。
出来る事なら俺が守ってあげたいけど、ヒーローに変身して戦うってどういう事や?
おまけに世界征服を企む悪の科学者とか、そいつが創った人造怪人とか、守菜ちゃんは地球を滅ぼす力を秘めているとか、信じられへん事だらけやないか。
そもそも、この室戸エリックという男は何者やねん?
この学校に転校してきたのも、守菜ちゃんを悪の手から守る為やとかいうんか?
う~ん、考えれば考えるほど、室戸の事が怪しく思えてくる。
こいつの方があのオッサンよりよっぽど怪人とちゃうんか?
そんな事を考えながら、俺は隣の席に座る室戸をチラッと見やった。
すると室戸も俺の方を見て、ひとつウインクした。
こいつには、放課後も屋上に呼び出されている。
この後一体、どうなる事やら・・・・・・。