CASE,1 ?????????
毎日更新するので、よろしくお願いします。
人生をやり直したい。そう思うことは生きていれば誰にだって起こるものだ。
あの時もっとこうしておけば…
親の言うことを聞かず、自分に素直に生きていたら…
あんな事を言わなかったら…
人はそういった経験を積み重ねて成長していく。
けれど、もしその願いが叶うならばみな過去に戻って人生をやり直すはずだ。それ程無意味なことは無いと言うのに…
ーーーーーーーーーーーー
喫茶「タイムズ」、大手町駅から徒歩圏内にあるその喫茶店は、つい先日創業30周年を迎えた一部の通には有名な喫茶店である。昭和レトロな店内には少しノイズ混じりな、ただ何処か懐かしく温かみのあるレコードが流れている。
客は数人居るが昔からの常連客がほとんどだ。お店の看板メニューはナポリタン。日によって美味しさに違いが出るなんとも不思議なお店だ。
ただ、夜になると一風変わったお客がやってくる。
「ウィンナーコーヒーを1つ。どうも朝からこれが飲みたくてどうしようもなくてね。」
そう話すのはこのお店に初めて来たであろう一人の男。だが何故かメニューに乗っていないウィンナーコーヒーを注文した。
「お客様。こちらではウィンナーコーヒーの提供はしておりません。」
そうマスターが言うが男は、
「そうなのか、そう言えば過去に戻れるって聞いてこちらにやってきたんだが、店を間違えたか。」
男がそう言うなりマスターは一旦店じまいをし、裏から1人の女を呼んできた。
「初めましてお客様。」と挨拶をして…
ーーーーーーーーーーーーーーー
女の名前は橘 結花。この喫茶店で働き始めてもうすぐ4年が立つ。口癖は結婚したい。なんでも今年でアラサーの仲間入りだとかそうじゃないとか。
「1杯200万円になります。お金は前払いになりますが、よろしいでしょうか。」
ボッタクリにも程があるものだがこの金額になると流石に笑いたくなるものだ。だが男は顔色1つ変えずに、カウンターの上にポンッと200万円を置いた。
どうやらこの男はこの喫茶店がどういうものか知っているようだ。
喫茶「タイムズ」は表向きはただの喫茶店だが、実は違う。
夜にここを訪ねてあるメニューを頼むと過去に戻れるというなんとも不思議な店だ。
科学が発展し保育園児ですらサンタクロースを信じていないようなこのご時世にそんな馬鹿げた、一種の都市伝説のような事を信じる人なんて誰もいない。そう思うのが普通だ。
だが実在する。そして今日、1人の男の人生が変わろうとしていた。
おもしろいなと感じて頂けましたら、評価の方よろしくお願いします。
コメントも待ってます。コメント頂けると嬉しいです。