海月の夢
漂っていた
ただ漂っていた
静かな流れに身を任せ
永遠とも思えるたくさんの時を過ごした
海月はある時思い立つ
わたしも流れに逆らうことが出来るのだろうか
あの亀のように
流れなど気にせず未来を駆け抜けて
それでいて悠々とのんびりと
流れを自由に剥ぎ取って
ずっと向こうへ
行けるのだろうか
海月は亀に問うてみる
"わたしもあなたのように
自由な流れを掌握したい
あなたはどうして流れがわかるの"
亀は海月に柔らかい
"どうしてそんなこと言うんだいお嬢さん
今でも君は自由じゃないか
私はあなたが羨ましい
ゆったりと流れに身を任せ
辛いことなど何も無い
流れに気を取られることがどんなに辛いか
きっと君は分からないだろう"
海月は探し求める
自身の流れを変えたいの
大きく移動をしてみたい
海月は答えを同じに求める
"わたしは流れを変えたいの
あの亀のように悠々と
広い空を駆けてみたい"
同じは海月に答えを差し出す
いつかに聞いたどこにもないお話
"あるはなし
ありはなし
なしはあり
半透明は透明へ
名も無いものは流れへ帰る
汝が望めば何時も
流れは己へ
己は流れへ
何時も流れは貴方の中で"
海月はなかったことを思い出す
流れに願いを
願いを
さあ汝の願いを示せ
さすれば汝は幸せとならん
海月は願う
流れを己へ
己を流れへ
海月は透明になった
青に染まり溶けていく
何も無くなり概念までも
消えた
さよなら
みんな
海月は大きな奇跡となる




