番外編 それから
藤林先生は三日ほど学校を休んだが、表向きは「ぎっくり腰」という事で大事にはならなかった。
藤林孝行は百地家の庇護を受ける事となった。
孝行が患っているホルモン異常の難病に百地悠子が持っている『鬼斬忍法帖』の調査研究データが効果を発揮し、今まで衰弱し続け「いつでも覚悟はしておいたほうが良い」と言われた孝行の病状は徐々に回復している。
藤林先生は「ネコをかぶっている」と女性に嫌われていたが、二枚目で病弱キャラで「守ってあげたい」と言われている孝行が百地陣営に鞍替えした事で、大量の女性忍者が百地陣営に流入してきた。
だが孝行にキャーキャー言う女性達を見て面白くない顔をしていた者もいる。
モテない男性忍者達と高山晶である。
百地陣営にいたモテない男性忍者は大挙して藤林陣営に鞍替えしたのだ。
結果的に女性忍者と男性忍者をトレードした形となり、ほぼプラスマイナスゼロとなり、三家の勢力図は以前と全く変わらなかった。
変わった事というと百地陣営が女性だらけに、藤林陣営が男性だらけになった事だ。
ただ、彼女持ちやイケメン忍者は百地陣営に残ったため、藤林陣営にいる男性忍者はほぼブサイクばかりであった。
藤林陣営が『鬼斬忍法帖』の調査研究チームを解散した事で、今までの医療チーム、研究チームが路頭に迷う事となったが、その者達を雇ったのが百地悠子である。
彼らのデータを自分達が持つデータと合わせる事で『鬼斬忍法帖』の研究は加速する。
研究が加速した事で孝行の難病は治癒に向かっているが、女性になった男性を元には未だに戻せていない。
いや、研究チームは研究を進めようとしているが、石川早は研究の協力に積極的ではないし、高山晶に関しては研究で男性に戻る事自体を強く拒否している。
このままでは『鬼斬忍法帖』の研究は孝行の病気治療のためだけの研究に変わりそうだ。
そして・・・
「晶ぁ・・・私はあきらめないからね。
絶対あなたを男に戻してお兄様から奪ってみせる!」
懲りないショタコンストーカー教師である。




