士官学校の先輩後輩
未だほろ酔いのベニーラが立ち去った後
シノーブ王子は、お供の護衛兵たちを領主が用意した宿へ泊まるように指示し
城から付き従った護衛兵や、途中から同行した護衛兵らは、当然辞退したが
シノーブ王子が何度も言って来た為、ジマーニオを護衛に残す条件で仕方無く命令に従った
山賊の頭領だった頃は『黒き狼』との異名だったジマーニオだが
士官学校時代は、王子の身分を隠していたシノーブ王子と寮では先輩後輩っ同室だった為、同じ士官学校で学んだ護衛兵からもジマーニオは信頼されていた
タヌキに似た外見の太めの領主が、恐縮しながら何度も用意した宿に泊まるようにお願いに来たが
「ベニーラが馬小屋で寝てるよいに言っていたから」
とこちらも丁重に辞退した
馬小屋に停めた馬車をシノーブ王子は
「こんなこともあろうかと」
某アニメのあの人のような台詞を呟きながら
防弾防矢の設備を兼ねた金属版を幌のようにセットしながらジマーニオに説明を始めた
急に敵襲に遭った時など馬車を横倒しにして即製の
トーチカ代わりにする方法は知られていたが
軽装の馬車がそのような装備を備えていたのは斬新だった
馬車の中の長椅子を組み替えて二段ベッドにして
シノーブ王子とジマーニオは士官学校時代の寮のように
いつしか二人は話をしながら眠りに落ちていった
とりあえず更新しました
長く更新して無かったので恐縮です
タヌキに似た領主は「はいからさんが通る」の伊集院家の執事?がモデルです
(*´・ω・`)b