ジマーニオとの和解
夕闇が迫る中
ボローニャの森を反対側から抜けて来た警護一団と合流した王子ら一行は森の中へ入っていく
現地の道案内を付けていたが、これも山賊ジマーニオの手下なのは承知済
途中、両側から岩が突き出ている狭い細道に差し掛かった時
突然岩が崩れて来て進退極まった
仕掛けたのは士官学校時代の後輩ジマーニオとその仲間だ
「よお、先輩、いや王子、ここから先は通行料が高いぜ」
山賊の長に収まってジマーニオが物陰からニヤニヤしながら現れた
対する王子は平然と
「ジマーニオ、久しぶりだな、士官学校以来か?」
相変わらず能天気な王子だが、決して目は笑っていない
すっかり夕闇に紛れた森の中の細道
暫しの緊張が周りに立ち込めた
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ジマーニオの思い込みによる誤解
危険な前線へ送り込んだ張本人は
なんと後ろ盾のはずのギルーラウ伯爵だった
伯爵が海の向こう側の宿敵国と手を組んでいた事や
外国に住むジマーニオの母親が、病気療養の費用稼ぎの為
山賊に身を落としていた事情を考慮して
罪に問わず、今後は王子らの親衛隊隊長を任せる事で決着した
長い交渉の末、改心したジマーニオらと王子一行は再びベニーラの元へ夜道を急いだ
ベニーラ(シンデレラ)の隠れ住む国境付近の片田舎の家に到着したのは深夜
もうすぐ日付が替わる時刻であった
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