そこに、また会いたい人がいる。
ルナを地面に降ろし、部隊をかき集める。戦いの風を感じ取ったヒルデにはそろそろ上官の出撃が来る事が分かっていた。
「隊長そのは目どうされたんですか!?体は特に異常はなさそうですが」
「気にするな。それよりも、いや大丈夫そうだな。そろそろだぞ我々の出番は。さっさと首相を捕らえて戦争を終わらせよう」
全員が出撃準備を終わらせており、号令一つで直ぐにでも戦闘を開始可能だった。そして、最終チェックを行っていると号令がかかり、大空へと自由な翼をもって出撃した。
各個にエンジンを点ける。
「隊長、今度の市街地戦は単独行動を許してくれますか?」
「リッパー前から言っているが、単独行動は無しだ。今回はツーマンセルで市街地戦を行う。それぞれ、適当にタッグを組んでくれ。リッパーは俺とだ」
それぞれタッグを空中で組んだところで、敵の戦闘機が編隊を組んで接近していた。
「各員散開、タッグと離れるなよ。リッパー遅れるなよ」
それぞれが戦闘機の真正面から離れる最中でヒルデは真っ向勝負を挑んでいた。
スピットファイア編隊の怒涛の連射射撃の嵐を被弾することなく進むヒルデの後ろを全力で追いかけるリッパー。急な降下にも脊髄反射で食いつき、敵編隊に取りつく。
「合格だな、市街地戦で単独行動を許可する。では、敵戦闘機を殲滅するぞ」
スピットファイアの編隊は散開し、迎撃戦闘を開始する。
一機の戦闘機がヒルデに向かって吶喊を行うが、目の前にヒルデはおらず、さっきは無かった影が現れ、後ろを見るとみると、ヒルデが銃を突き付けていた。
パイロットは死んだことを反射的に理解した。だが、ヒルデはエンジンだけを破壊して蹴落とした。
パイロットは脱出した。ヒルデの戦いを見ていると、一瞬にして編隊を組んでいたスピットファイア五十機をエンジンだけ破壊し、撃墜させた。
「各員スケジュールに空きはもうない。急ぐぞ」
「「「了解」」」
出力を最大にして臨時首都に籠っている大統領を確保できれば、指導者が無くなり、なし崩し的に降伏していくだろう。
ヒルデ隊は先行した味方歩兵隊が首都防衛隊の相手をしているのを確認すると、首都防衛隊にバレぬように側面から二手に分かれて臨時首都内に突入した。
首都内部には簡易対空砲、簡易対戦車砲が設置されており、ゲリラ戦を重視した兵装が多く配備されており、その操作をしているのは民兵であった。
統率の取れてない民兵の対空攻撃は避けたら当たるんじゃないかと思うほどの精度であった。その中を二人組で別れ、それぞれのルートでいずれかの民家に隠れていると思われる首相らを探した。
ヒルデは出力を落とし単独で街内を探し回っている最中に、正面の5階建てのマンションの様な建物の三階からスコープのレンズによって反射した光を捕らえた刹那、弾丸が飛んでくる。
弾丸を避けるが、普通のライフルよりも弾速が早く左翼に命中した。
弾丸は翼を貫通することは無かったが、過度な負担が掛かり態勢を崩すも直ぐに態勢を立て直した。
「こういう時に、マウザーがあれば楽なんだけどな」
急速に加速し、敵兵が潜伏している場所に数秒で到着する。そして、二人の敵兵が気づく前に無力化した。
使われていたのは普通のライフルとは異なっており、全長が長く、弾も異なっていた。それを拝借するとともに、拳銃もホルスターごと拝借した。
装備が重装化しつつあるヒルデは再度索敵を始めようとした最中に、自動車のエンジン音が耳に入った。
すぐさまエンジン音の聞こえた方角へ向かう。そして、隊員からも連絡が入る。
「こちらマクソン。自動車のエンジン音と思われる音を探知しました。すぐさま排除にかかります」
「こちらでも自動車音を探知排除します」
それぞれの部隊で発見報告がある中で、ジャックからの連絡は来なかった。
ヒルデは早速得たライフルを構え、弾丸を放つ。反動が非常に大きく、後ろにノックバックする。弾丸はエンジンに命中し、爆散する。
「ヒルデ、自動車の排除を完了。これより、残骸を調査する」
「「「こちらも排除を完了。残骸を調査します」」」
「隊長さーん。敵の総大将さん下水道から逃げてたよ。ちなみに捕縛したから中央の広場で民兵が必死に抵抗してるから早く救援を送って」
「・・・了解した。全部隊至急中央に集まれ。目標を確保したのち戦線を離脱する」




