バトル・オブ・ブリテン
蒼き彗星隊はアナハイム総合研究所の滑走路から発進準備を整えていた。
「こちらブルーコメット01。管制塔発進許可を」
「承諾した。一、二番滑走路の使用を許可する」
蒼き彗星隊の24機が半分に分かれ、それぞれ編隊を組み滑走路から発進した。
ドイツの空を飛びぬけ、イギリス海峡が見えると、他部隊との連絡を取ろうとした。
「こちらブルー・コメット01。誰か応答してくれ」
「ファング29よりブルー・コメット01。イギリス海峡上空に敵影は無い」
「了解した。哨戒は我が隊が引き継ぐ。貴官らは燃料の補給に向かってくれ」
蒼き彗星隊とは比較にならないほどの大部隊がすれ違う。それを眺める蒼き彗星隊と新兵器を眺めるファング航空部隊。
通常勤務通りにそれぞれの連絡を密にし、哨戒を行っていると新兵器に取り付けられているレーダーに友軍機ではない反応があった。
「各員戦闘準備に取り掛かれ。連合機の場合は直ぐに撃ち落とせ」
そして、またレーダーを確認すると、数はさらに増えていた。そして、それらは散開し、蒼き彗星隊を取り囲むように移動していた。
しかし、戦闘機状態<ファイター>から人型<ヒューマノイド>に変形し、両腕に作られている機関銃を連射し始める三機。そして、蒼き彗星隊員らも各個の判断で戦闘を開始した。
隊長、副隊長、ライルの三人が互いに機体の背中を預け、機関銃を乱射し始めた。乱射と言っても彼らは的確に敵機を撃ち抜いた。そして、新兵装のミサイルも全弾使った。
全弾使い切った試作機には最後の足掻きとして、腰に仕込まれている荷電粒子ナイフを取り出し、切りつけていた。そして、ファング航空部隊が到着した。
「こちら、ファング01。これより貴官らの援護を務める。早急に離脱しろ」
「了解した。全機撤退!」
副隊長とライルが先陣を切り、その後ろに戦闘機が続く。しんがりとして隊長が最後列に着いた。それを護衛するかのようにファング航空部隊が取りつく。
そして、ファング部隊とはまた違った航空部隊とすれ違う。完全に追手が来なくなるのを確認したらファング部隊もイギリス海峡上空へと向かった。
「こちらブルー・コメット01。アナハイム管制塔聞こえるか?直ちに着陸許可をもらいたい」
「了解した。滑走路は一、二番滑走路を使え」
蒼き彗星隊は各個の判断で近場の滑走路に着陸を行う。しかし、数機は被弾によりランディングギアが出せなくなっていたので胴体着陸を行った。
隊長らも無事に人型で着陸を成功させた。そして、次々と整備員、並びに研究者らが機体の燃料や弾薬の補給、損傷した機体の改修を行っていた。
「どうだね、ヴェアヴォルフ<人狼>の性能は?素晴らしいだろ。大日本でも同様の物が生産開始された。これだけの装備が充実すれば、連合などあっと言う間に叩きのめせるぞ」
隊長の側に現れたのはポルシェ博士だった。彼の右手には設計途中であると思われるブルーシート<開発プラン>が握られていた。
「えぇ、確かに性能は素晴らしいですが、人を選びますね。一個人としてはアウトレンジから地上に一方的な射撃をしてみたいです」
「あぁ、君の意見検討させてもらおう。補給が済み次第、再度出撃をするのだろう?墜とされるなよ、貴重な戦闘データが無くなる」
「了解。では、君達の研究に祝福を」
改修、補給が終わりましたっと整備兵から言われ、直ぐに機体に乗り込み発進準備を整えた。他の隊員も搭乗を終え、エンジンのスロットルを上げていた。
「では、蒼き彗星隊再出撃だ。弾薬は惜しみなく使え!」
「「「オォォォ!」」」
「滑走路異常なし、上空異常なし、蒼き彗星隊出撃をどうぞ」
管制塔からの発進許可が下り、全員がエンジンをフルスロットルにし、一、二番滑走路から一斉に飛び立つ。そして、陣形を組み、早急にイギリス海峡に向かった。
イギリス海峡の上空は赤く染まっていた。燃料タンクに弾丸が当たった機体が赤く燃え、爆散していく。それは、ドイツの機体であり、イギリスの機体でもある。互いが死にたくない、祖国に勝利をもたらしたい一心で殺しあう。
海は戦闘機の残骸を取り込み、憎しみを蓄える。その憎しみは海底に沈んだ戦闘機を回収しなければ取り除かれない。そして、また一機、また一機と海底に叩き落とされた。
その中に蒼き彗星隊が参加した。彼らは負傷した味方機の援護に努め、隊長らは敵戦闘機の撃墜を務めた。
敵方は最初と比べ戦闘機の数が数千まで減っていた。戦況の不利を鑑みて、撤退する者もいた。そして、気づくと敵の大半は撤退していた。
「各員状況を報告。一番機損傷無し」
次々と知らせが入ってくる。大半が損傷軽微だった。ファング隊、他部隊からも称賛され、蒼き彗星隊は哨戒任務に当たった。
戦闘機、カッコいい、早い、つおいの三拍子が揃っている。うん、ゼロ戦だね




