試験
帝国軍は明後日の夕暮れに到着した。帝国海軍は試験的に機動兵器中隊を導入した。陸軍も海軍の資料を基に一機の試作機を作成した。
それぞれのコンセプトは違うがそれぞれの基盤になっているのはリッターなので量産化、製造方法を変えない限りはほぼほぼ性能は同等になると思われる。
海軍のMWの運用方法は強襲上陸の際に使用し、急速に補給線の確保し、敵の掃討を行う。それに対し陸軍は高い機動性を生かし、援護砲撃を行う。砲撃場所を常に変えながら砲撃を行うためかなりの破壊力と戦闘継続能力の高さが期待できる。
そして海軍の強襲上陸が始まった。沿岸部に設置されたブローニン機関銃の濃い弾幕に加え野戦砲による強襲艦の上陸を阻止しようと奮闘するフィリピン軍とアメリカ軍。
しかし、五航戦の瑞鶴、翔鶴の甲板から発進する流星と零戦で航空優勢を得る海軍。そして、輸送艦内に収容されていたMWー01の一個中隊が出撃を行った。
海面上を素早く移動し沿岸部に建設されたトーチカに向かって120mmマシンガンを発砲する。
コンクリートで形成されているトーチカでさえ何発も命中すると破損個所が多くなり形が保てなくなり崩壊を起こし、数名の兵士が下敷きになった。
トーチカを破壊し終えると野戦砲の破壊をし、上陸部隊の援護に回った。
そして、沿岸部に上陸を果たした海兵隊と試作機の試験的な戦線投入を行う陸軍。
陸軍のMWー01G型<以後陸軍機と称す>は海軍のMWー01<以後海軍機と称す>との装備とは違い、両肩に専用迫撃砲を取り付け、自己防衛用に100mmマシンガンを二挺装備し、さらには頭部にバルカンもつけられている。
上陸に成功した海兵隊と陸軍共闘で戦線を構築し、陸軍機が榴弾で砲撃を行う。砲弾が発射されると同時に排夾が行われ、弾着地を火の海に変えた。
そして、機動中隊がMWの装甲を貫通すると思われる戦砲の排除に向かう。その間に歩兵隊は基地の制圧に向かう。
迫りくる人型兵器にアメリカ軍は抵抗する術もなくなり、航空基地に支援爆撃の要請と近隣の基地から支援砲撃を要求するが、多くの基地から“黒人を残し撤退す”との伝達が既に実行に移っており、その基地以外は黒人を残し、全将兵らが撤退した。
徹底抗戦の意志が無くなりつつあったフィリピンの北部沿岸部に位置する基地は最終手段の基地を爆破する準備を整えていた。日本軍の新兵器に制圧力が無いと瞬時に理解した基地の司令官は数週間、いや、数か月の攻勢が出来ないように日本軍の歩兵隊を数個師団の壊滅を目標としていた。
三階の指令室の扉が蹴破られると同時にスイッチを押し、指令室から一番離れた所から爆破が開始し、指揮官は撃ち殺される。
侵入した部隊は窓から飛び降り、海軍機に受け止めてもらい急速に戦線を離脱した。
フィリピンの制圧は明日の午後に残った部隊らが降参し、終わりを迎えた。しかし、これはまだ序曲にしか過ぎなかった泰雅にとって。
フィリピンの統治は全て現地の者に譲渡し、日本軍は素早く帰還した。泰雅提督の機嫌を損なわないように。
ヒルデ
イギリス本土の最前線の移動拠点ルンチェスターに帰還したヒルデ。戦線は完全な膠着状態に陥っていた。敵戦車のチャーチル、パーシング、センチュリオンで構成された防衛線はルンチェスターの砲撃、航空機の近接爆撃を幾度も行っても戦線の突破に失敗し、敵もこちらのMG42の濃厚な弾幕の防衛線を突破しようとは考えずにいた。
ヒルデが合流したことにより各部隊の士気が向上し、膠着した戦線を突破する潜入作戦のプランが完成、決行する事となった。
「これよりブリーフィングを開始する。本作戦はヒルデ単騎による潜入である。装備は砂糖とワルサーPPKのみ。第一目標、戦車の破壊。第二目標、この戦線の最高責任者の捕縛。以上を持ってブリーフィングを終了する。ヒルデは残れ」
ヒルデは会議室に残った。他の将校以外の兵士は立ち去った。
ヒルデに知らされた事は、イギリス軍の少尉の軍服を着て、補給兵として敵の前線に紛れて戦車を破壊する。設定ではヒルデは新兵という事になっている。よって後方の基地をフラフラしていると自然に前線に行けるのだ。
ヒルデはその晩に行動を開始した。イギリス海峡からアイリッシュ海に出て、マンチェスターに無事到着し、誰にもバレることも無く潜入に成功した。
「おい、新兵。補給兵だろ?物資を前線に届けに行くぞ。そのお前の持っている紅茶用の砂糖も忘れるなよ」
イギリスの軍用トレーラーに乗り込み、最前線に向かうヒルデ。ドイツ人は英語は苦手だが、ヒルデは根性でイギリス英語に似せていた。
クッソ雑魚ナメクジのまきゆづです。誰しもが、やってみたいと思う。車か戦車に砂糖を入れてみたい!っと。




