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枢軸国の栄光  作者: 真姫ちゃん推しの結月
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駆逐艦隊

「指揮系統は我に任せい!泰雅総提督率いる艦隊が到着するまで耐え抜くぞ!何が艦載機だ!」

「「「オォォ!」」」

「何が艦上攻撃機だ!」

「「「オォォ!」」」

「野郎ども全速前進!直ぐに輸送艦隊と合流するぞ!輸送艦隊救出作戦開始!」

「「「了解」」」

 真珠湾から複縦陣を形成し出向して早数分。遠くから煙が上がっているのが見えた。艦隊は複縦陣から単縦陣へと移行し、乗員らも戦闘配置に着いた。

「輸送艦隊聞こえるか?駆逐隊旗艦の島風の艦長を務める、松江将星(しょうせい)だ。ただいまより貴公らの脱出支援を行う」

「ありがとう。敵の戦艦は砲撃を開始している。艦載機もそろそろ来るはずだ」

「あとは任せて直ぐにこの戦況から離脱しろ。君達には死んでもらっては日本の存続が危うい。各艦伝令。輸送艦隊を死守しろ!」

「伝達完了しました」

 そして、駆逐艦隊と輸送艦隊がすれ違う。将星は聞いていた数より輸送艦が減っている事が判明した。

 駆逐艦隊は敵の艦隊に向け全速力で向かった。

 その道中は雨の様に降り注ぐ艦載機の銃弾や爆弾。さらには重巡洋艦や戦艦の耳に響く艦砲射撃。砲弾の着水点には大きな水柱が立ち乗組員らを濡らす。艦載機の機銃は艦にダメージこそ微塵も無いのだが乗員らに命中する。艦上攻撃機による魚雷で味方の艦は沈む。しかし、その中で数キロ圏内にたどり着いた艦は魚雷を発射する。味方の弔い合戦が始まる。

「弾幕緩めるな!砲撃手は戦艦の砲台を狙え!この量だ魚雷は出し惜しみをするな!この距離なら避けれまい!」

 島風は魚雷を発射する。それに伴い生き残った艦も魚雷を発射する。魚雷は海水の中を力強く水をかき分け進む。

 戦艦に魚雷が近づいていることに気づいた敵の駆逐艦が身代わりとなる。身代わりとなった駆逐艦は魚雷の爆発により穴が開きそこら浸水し始めゆっくりと沈んでゆく。

 希望の攻撃は失敗に終わると弾幕が緩まる。その隙を狙い攻撃機が残った爆弾で爆撃を開始する。そして、また一隻、また一隻と沈んでゆく。

「各艦弾幕薄いよ何やってんの!我々の目的は時間を稼ぐ事だ艦隊内に入れ!」

 全ての駆逐艦が敵の陣形内に入って行った。砲弾を榴弾から徹甲弾に変えると重巡洋艦に向かって撃ち始める。しかし、誤爆を恐れない攻撃機共が爆撃を続ける。しかし、その爆弾も無くなったのか収まり始める。

「各艦現状を報告せよ」

「峯風型は四分の三が轟沈しました。一番艦、二番館、四番艦そして、九番艦が小破です。彼らは最後まで勇敢に戦い戦死しました」

「神風型は半数が轟沈しました。一番艦、七番艦、八番艦、九番艦が生存。姉妹の死は一生の恥です」

「吹雪型は七番艦我ら薄雲しか残っていません」

「綾波型、四番艦夕霧、六番艦狭霧が残っています。沈んでいった同胞のために攻撃続行の許可を」

「初春型、中破や小破が居ますが全艦残っています。しかし、敵に包囲されており無事には帰れません」

白露(しらつゆ)型は一番艦白露、二番艦時雨、四番艦夕立、五番艦春雨、九番艦江風(かわかぜ)夕立と時雨は無傷です。しかも、軽巡を二隻沈めています」

「朝潮型、一番艦朝潮、三番艦満潮、六番艦山雲、八番艦峯雲が生存していますが弾薬がありません」

「夕雲型、六番艦高波、七番艦大波、八番艦清波、十三番艦浜波、十六番艦朝霜、十八番艦秋霜、全艦小破で燃料が持ちません」

「秋月型、一番艦秋月、四番艦初月小破、六番艦若月、七番艦霜月。同胞は我々をかばい死んでゆきました。彼らの意志を継ぎ我らは吶喊します!」

「松型は三隻、四番艦桃、十三番艦(さくら)、十四番艦柳が残存です。ここは撤退を。これ以上減るのは海軍国家の我々には辛いです」

「・・・」

 睦月型からの応答がなくただ砂嵐が響く。いくら待っても連絡は来なかった。

 結果をまとめる将星。残りの艦は半数以下になっていた。しかし、この艦の中にも乗員不足が発生している可能性が高い。

「睦月型は壊滅した。各艦の乗員数は足りているか?」

 全艦はただ清掃員がやられただけだった。これは不幸中の幸いともいえる。しかし、早く決断を下さなければ駆逐隊は壊滅する。運命を託された将星の決断は。

「各艦に告ぐ我々はこれより突撃を行う。輸送艦にすべての未来を託しここで潔く散ろう。全艦空母、戦艦に向け突撃!」

 しかし、その行動は一発の砲弾で中止される。皆が砲弾が飛んできた方角を見ると遠方からこちらに向かって砲撃する艦が見えた。砲弾は初春型の包囲網の突破口を作った。

「各員直ぐに撤退。戦艦の砲撃に巻き込まれるな!」

 その発令を聞きすぐさま帰投し始める者もいたが、仇を取ろうし戦線に残ろうとする者もいたが砲撃が効かず苦汁を飲みながら撤退する者もいた。

 残存駆逐艦隊はその後は追われることは無かった。真珠湾に帰投中に泰雅総提督率いる艦隊と遭遇した。空母赤城には既にリッターは無かった。

「駆逐艦隊。諸君らが死守した輸送艦隊は我が軽巡駆逐艦隊によって保護された。諸君らの任務大義に値する。敬礼!」

 空母、戦艦、重巡の乗員全員に敬礼をされながら真珠湾に帰投した。

 その後、真珠湾での海戦はあれ以降起こらなかった。生き残った者たちは花を持ち真珠湾で海戦が起こった場所まで来ていた。

「19,359人の英霊よ今ここで散りたまえ。そしてまたいつから会えるよう祈る。さらば友よ。短い間だったが共に過ごせた日々は忘れない。諸君らの奮闘により、アメリカ戦線はゆっくりと押し上げている。最後に諸君らに向け総員敬礼!」

 その時だけは、全員が泣いていた。彼らは、心通った同胞を失い。更に姉妹艦をも失った。この悲しみは決してぬぐえない物になる。そして、この時から泰雅はミッドウェーの英雄と言う皮肉じみた名称を背負う事となった。

散った者たちに数十秒でもいいので敬礼してあげてください。彼らは日本のために死んでいったのです。なんだか、名乗る気分ではないです。これで今日の更新は終わりです。

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