武器商人と旅2
現在彼らはソ連の国境を越えた所だ。今日の朝2時30分ごろにアフガンのホテルに泊まっている所を襲われ、アルド・シムを失った。彼はとてもやさしくフレンドリーだった。その為ヒルデたちはとても部隊になじみ易かった。一番ショックを受けていたのはメルトだった。しかし、ヒルデのおかげ直ぐに立ち直った。そして、今はこのとうり周りに笑顔を振りまいてる。
「ヒルデ、次の町か村で止まってくれ。運転を変わってやるよ」
「ありがとう、俺は少し休ませてもらうよ」
「は?何言ってんだ、起きとけよ。おめーの寝る時間なんてねーから」
ヒルデはアフガンの事件以降まだ一睡もしていないのだ。ツーシムは睡眠をしていたのに、ヒルデが現役だから睡眠をしなくてもよいという理論にでも達したのだろうか。
「ヒルデさんは寝ていいよ」
そう耳元で囁いたのはメルトだった。{改めて見るとマキマキ可愛いな。だけど、なんだろう俺も16歳のルナが居るからわかる。この子は誰かに甘えたいのだと。そう言えば最近ルナに会って無いな。帰ったら一回自宅に帰るか、帰れたらの話}ヒルデは頷き運転を続けておよそ30分後には町が見えてきた。
「みんなあそこの町で休憩するよ」
「「「はいよー」」」
気の抜けた返事が返ってくるもこれが当たり前なのだ。町に着くと近くのカフェに車を止めた。みんな着いたのを確認するとメルトがお店に入って行った。
「Несколько человек?{何名ですか?}
「13 человек{13人です}」
店員が席に案内してくれた。みんなが席に座るために机をくっつけたりした。
「みんなここで朝食だ」
「Это рутина?{お決まりでしょうか?}」
「В утреннем наборе{モーニングセットで}」
「Я понимаю{わかりました}」
そう言うと店員はオーダーを店のマスターに伝えた。
「やっぱりイランが無いと寂しいよな何か知らいけど」
「そうですよね、何故かアフガンに併合されてますよね。まぁそのおかげで無駄に国境で時間を喰わなくなったからいいじゃないですか」
ゲルスとアグロが会話してるのをが聞こえた。以前はイランと言う国があったのだが今はアフガンに併合させている。おそらく経済が持たなくなったためアフガンに併合されたのだろうか、謎である。
「それにしてもあんなに焦ったのは久しぶりだな、俺アクセル思いっきり踏んじゃったよ」
「俺もですよ」
アグロが言うとそれに釣られてマクスも言う。あの時皆は思いっきりアクセルを踏んでいたらしい。この時間帯だと警察はベットに居るだろうしかも、この国は他の大国と比べ治安が悪いので警察も起きていても仕事をしない=スピードを出しまくっても問題ナイネ。しかも、この人たちは常習犯うん大丈夫死人さえでなければ問題ない。
「今後の方針を話す、これから向かう場所はスターリングラードだ。おそらく途中でバクー油田付近で燃料を補給するぞ。朝食を食べたら直ぐに出発だ。イクゾー!」
「「「おぉおおおお!」」」
ミニ会議が終わると同時にモーニングセットが運ばれてきた。料理はボルシチだった。ボルシチはソ連の伝統料理だ。
「時間が無いからササっと食べるぞ。味わいたいならこの国際緊張が無くなったら食べに行くぞ」
{ボルシチあんまり美味しくない、早く本国に帰って久しぶりにウィンナー食べたい}数分後には全員が食べ終わっていた。その後会計を済ませると全員乗っていた車に戻った。今回はヒルデは助手席に座っている。
「ヒルデさん私の隣に座ってもいいんだよ。まぁっいか。全車前進第一目的地バクー油田第二目的地スターリングラード。ここはもうソビエト領だから安心してドライブが出来るね。安全第一で行こう」
「「「了解」」」
そうして名も知らない町を後にした。
名も知らない町からバクー油田へ
あれから1時間が経過した。ヒルデは眠っている。暇なのかメルトが時々ほっぺをつねったりしているが、全く起きる様子が無い。そのまま走っていると道路が荒れて始めた。その衝撃でやっと起きた。
「あーあ起きちゃった。顔に落書きしよっかなって思ったのに」
メルトがペンを持ちながらいった。さらにペンをじっくり見ていると油性と書かれていた。油性は取れにくいからとても大変である。やめよう油性で顔に落書き。
「ソ連に来て一つ思い出した事があったから話しとくね。五ヵ年計画って知ってるよね。スターリンが世界恐慌の時に行った政策。それが無事に終わったあと更にスターリンも知らない軍事増強Ⅴ計画が始まった。最初にジェットエンジンを開発する。次にそれを改造しエンジン二つでマッハ2まで出せるようにする。武装に追尾ミサイル、機関銃二門、超遠距離ミサイル、対艦用マシンガン一丁、最後にステルス機能です。これがソ連の航空機、他に戦車があるのだけど、ドイツの開発中のあの超弩級陸上戦艦には敵わないけどね。海軍もあるのだけど日本の大和型が居るから実質恐ろしいのは航空機だけだよね」
「何故君がこんな情報を知っているんだ?」
ヒルデは疑問に思ったことを聞いた。ソ連の指導者も知らないことを知っているのだ誰でも疑問に思うだろう。
「それはね私たちが一回その人達に武器を売ったらその話を耳に挟んだの。彼らの話を聞いていたらここら辺に開発所があるみたい。首都から遠い方がばれ難いからこんな所に開発所を設置してるんじゃないかな」
しかし、ヒルデも納得しているが、開発の予算が何処から出ているか考えてみれば疑問に思うところだ。答えは簡単連合国だ。ソ連の内部の者が連合と関わっていることが明らかだ。おそらくもう反乱の準備が出来ているのだろうがまだ行わないのは普通に鎮圧されるだけで終わるからだ。次にいつ行うかだがそれもソ連の目が内部に向いていない時、例えるなら第二次世界大戦の真っ最中に行うかだ。だがしかし、もう一つのやり方があるのだ、それはほとんどの国民が反乱軍を支持しているかだ。ソ連のほとんどの国民に銃を渡せば軍であろうと人が居なければ負ける事が確定だ。この二つのどちらかを行うための準備がまだ掛かるのだろう。
開発所らしき場所をとうり過ぎようとした時ソ連兵に止められた。
「すまないここから先は軍の事情により通行できないんだすまないが遠回りをしてくれ。バクー油田で燃料を補給したいならこの道を1キロ戻ったら右折する場所があるからそこで曲がって真っ直ぐ行けば着きます。ご協力おねがいします」
「おい英語で話してどうする!」
彼が話しているとまた警備所から人が出てきて彼に注意をした。英語を話すあたり英国か米帝だろうか。
「大丈夫です。いや逆に英語がいいです、はい」
そう言ったのはヒルデだった。だがしかし、ここで問題が発生、ヒルデは今ドイツの軍服を着ている。
「!、、ドイツの兵だ!直ちに包囲せよ!一人も生きて返すな!」
「Oh、やちゃったぜ!」
「いや、やちゃったぜ!じゃないだろ!」
今日のヒルデはとてもポンコツの匂いがする。それはおいとき、現在ヒルデたちは 反ソビエト軍と連合国の兵士に囲まれている。動いた瞬間ハチの巣だろう。
「さっき話してたV計画はいつ終了なんだ?」
「今年の11月には出来てると思います。それがどうしたんですか?」
ヒルデがこんな状態でおかしな事を聞いた。しかし、それを聞いて安心したのか銃をいつもどうりに持ち始めた。
「俺が合図したら一斉に走り出せ分かったな絶対に止まるなよ」
「何をしようとしているんですかヒルデさん、、危険な事はやめてください。もう誰も失いたくないんです。たとえそれが新しく入った隊員であろうとも」
「約束しよう絶対帰ってくると。ツーシム知らせたか?」
「ああ皆に知らせた。無事に帰って来いよ」
敵兵士にばれないようにしていると敵兵士から一発の弾丸が空に放たれた。
「そこ、何話してんだ?言ってみろよ?」
「お前たちに投降するかしないかを話していたところだよ」
ヒルデが相手を馬鹿にする言い方で返す。敵はそれにまんまと引っかかったのかヒルデに向かって銃を向けた。
「投降しても全員殺しけどな。秘密を知って生きて帰れると思う奴は馬鹿だ」
「お前みたいにな」
ヒルデはそう言うと車を蹴って合図を送る。ツーシムは理解したのか思いっきり車を走らせた。そして、ヒルデはさっきから騒いでいた男の頭にむかって撃った。放った弾丸は男の目に当たった。車との車間距離の間に見えた敵に向かって撃った。今度は眉間に当たった。あっという間に車が去ったあとそこに残されたのはヒルデとユカイな敵兵士だけだった。
「弾は足りるかな。格闘戦は最近してなかったから腕が落ちてるかもしれないな」
ヒルデは銃をこちらに向けようとしてくる奴に発砲した。なら銃を向けなければいいだって?向けなくてもいずれは撃たれる。しかし、敵が一向に減る気がしない。減るのはヒルデの弾薬のみ。{敵減らないな、仕方ない強行突破をするか}ヒルデは開発所に向かって走り出した。
「おい!こっちに走って来たぞ!第12小」
ヒルデはトランシーバーを持っている人を撃った。更に進んでいると開発所らしき場所と航空基地があった。構造はヒルデがいたロマン研究所と同じだった。進むにつれ敵兵士が増えていくがヒルデの進軍を止められない。止めたいのなら核爆弾を持ってこないと止められない。開発所の玄関らしき場所に着くと敵が機関銃を構えていた。
「一斉射撃開始!銃身が焼けるまで撃ち続けろ!」
銃弾の雨がヒルデを襲う。しかし、ヒルデ銃を背中に掛けると踊るように避けた。ずっと避けていると弾幕が止んだ。
「チェックメイト」
ヒルデはそう言うと敵兵士に銃を向けた。そしてトリガーに指を掛けた。標準を敵の肺に向けた。そして撃った。撃った弾丸は敵の隊長と思われる男に当たった。
「ブハ!ゲホゲホ!」
男は口から血を吐きながら倒れた。それを見ていた隊員が顔を青くした。ヒルデは敵に交戦の意思がない事がわかったら走り出した。ヒルデが最初に目指したのは研究施設だった。研究施設に入ると中には研究員が多くいた。ヒルデはそのまま走って最も奥の研究室に向かった。中には最新鋭の戦闘機の設計図と部品ごとの設計図があった。ヒルデは全ての設計図を取った。
ヒルデは設計図を全て押収したら、バックに入ってた爆弾を設置した。{持っててよかった爆弾、ありがとうレイヤー}ヒルデは爆弾を部屋の柱に取り付けると急いで研究施設を後にし、航空基地に向かった。ヒルデが研究施設でもったもったしているうちに、再度敵の防衛体制が整っていた。{ここからが本番か}ヒルデは敵に向かって走り出した。ヒルデが走ると同時に敵兵士も撃ち始めた。ヒルデは弾丸一発一発が見えるのか恐ろしいほど弾が当たらなかった。ある程度距離が縮まったらポーチからハンドガンを取り出し撃った。もちろん今度は肺を狙ってる余裕が無いので全て頭に撃った。避けながら撃っているからあまり思ったとうりに弾丸が飛んでいかなかった。敵の弾幕が止むとヒルデは自分の愛銃を取り出し乱射した。敵の陣形が乱れたら格納庫に向かって走り出した。格納庫の入るとそこには最新鋭戦闘機が入っていた。ヒルデは最後の爆弾をシャッターに取り付け戦闘機に乗った。ヒルデは何となく戦闘機の乗り方は知っていたが、全く構造が違うので戸惑った。{スイッチはこれか?}彼が一つのボタンを押したら戦闘機のエンジンが掛かった。ヒルデは出力レバーを少し押すと同時にシャッターを爆破した。
「おいあそこだ!戦闘機を奪取する気だ!今直ぐスピットファイア Mk XVIを発進させろ!」
「隊長無理です!スピードがダンチです!」
ヒルデが出力レバーを更に奥に押すとシートに押し付けられるぐらいに加速した。操縦管を手前に倒すと浮いた。離陸してからは加速が凄かった。そしてヒルデの空の旅が始まった。
番外編 ロマン研究所
ヒルデが去ってから二日、後総統閣下が訪問してきた。
「閣下じゃないですか。本日はどんな要望で?」
「今日はあの超弩級陸上戦艦についてだ。単刀直入に言うと主砲を6門に増やすだけだ。戦艦の形も私たちが決めさせてもらった。形はスフィンクスみたいに頼む」
「分かりました。予算は増えるんですよね」
「もちろんだ。あの兵器は我が国に勝利をもたらしてくれるだろう。それとあれは完成しているのか?」
「勿論です、プロですから。小型化にも成功しました」
「そうかならあの兵器の改良を頼む、エースように改良したものを作ってくれないか。形はそちらで好きなようにしてもらって構わない。ただし、派手にしてくれ」
「了解しました。ドイツの勝利のために」
「勝利のために」
そう言うと閣下はクッキーを食べた。
「このクッキー美味しいな。後で家に送ってくれないか」
「喜んで」
今日からロマン研究所の研究員たちの残業時間が増えることはポルシェ博士以外は知らなかった。
はいクソ雑魚ナメクジのまきゆづです。この自虐いつになったらやめれるのだろうか。誰にもわからない。ぜひ感想を書いてください。話すことが無くなった。どうしよう、\(^o^)/オワタ。と言うことで今回も読んでくださって誠にありがとうございました。