第一話 「久々の再会」
丁度、季節の変わり目
木々が散り冬へと変わろうとしていた
「うう、寒くなってきたな」
「そろそろ冬かー」
学校も終わり特に何もすることはないけれど
急いで、家へと帰ろうとしていた
「帰ってなにすっかなー」
彼は、そう呟き曲がり角を曲がった
その瞬間......
「きゃあ、いったーい」
ドンッという効果音と共に彼女と彼は地面へ
倒れた
「いたた、ごめん」
「よそ見してたわ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ!こちらこそごめんね」
「って、よくよく見たらお前、小井川千聖じゃねえか」
「うん?そういう君は、墳本寛貴じゃん!」
彼らは、幼馴染である
小学校から、中、高まで同じ学校で家も近い
「なんだー、寛貴なら別に謝ることなかったなー」
「なんだとはなんだ!っち、おれも謝らなければよかったわ」
「なによー!ふん」
「まぁいいや、お前いまひまか?」
「暇だけどなに?」
「なら、うちこねえ?久々にゲームでもしようぜ」
お互いにゲーム好きで
新作ゲームはほとんど買いやり込み度も半端ない
なので腕前は確かである
「お、いいねえ。腕衰えてよね?寛貴」
「愚問!俺が衰えてるとでも?」
「なわけないよねw」
「おうよ!」
高校生ながらも部活には所属してないので
基本、暇人である
経済面ではアルバイトをしているので問題はない
「新作ゲームもほとんどやりこんだからさ、最近暇なんだよな」
「あ、私もー。なんか最近のゲームってRPG系が多いからクリアするの簡単なんだよね」
「そうそう、FPSとかだったらストーリークリアよりバトルメインだからなー」
「結構長いあいだ楽しめんだよな」
「うん!でもFPS発売されないよねー......」
「なー、まぁいいか。帰ったら格ゲーでもやろうぜ」
「うん」
二人は、家に着くまでの間ゲームの話しかせず
互の恋愛、友達、勉強、等については触れなかった
「さぁ、家に着いたし。早速やりますかね」
「うむ!!!!」
彼の家は今、親が共働きでいなかった
そのせいか、久々に会ったこともあるせいか二人ともぎくしゃくしていた
「なぁ、千聖」
「んー?」
「もう少し離れてくれないか......?」
「あ、ご、ごめん......」
少し前まではくっつくぐらいどうってことなかったのだが
高校に上がったからか
互いを意識するようになった
「(ああああーーー、くっそ!!せっかく千聖とくっついてたのに!!)
「(なんで俺は、離れろなんて言ってしまったんだ!!!!)」
「(うう、くっつくぐらいいいじゃんか......)」
「(やっぱり意識されてるのかなー?)」
そう、彼はいわゆるツンデレというやつなのだ
彼女はそれには気づいていない
「っと、寛貴ちょっとトイレ借りてもいいかな?」
「ああ、いいよ。いットイレー」
「相変わらず寛貴のシャレは寒いね」
「まぁな」
彼女は、トイレへ行きその後リビングへと向かった
コップに飲み物を注ぎ、あろうことか薬を入れた
睡眠薬だ
彼女は一体彼に何をするのだろうか
「ふふ、寛貴め寝てる間に何をしてやろうかしらw」
しかし、それを彼は影から見ていたのである
遅いなーと様子を伺いにいったら
その行為に及んでいるところを目撃してしまったのだ
「千聖......おしかったな」
何も知らない彼女はただただ心から湧き出る
いたずら心に浸っていた
「やあ、寛貴。飲み物持ってきてやったぞー!!(ヒヒヒ)」
「おー、ありがとなー」
「あ、千聖ついでにお菓子ももってきてくれ」
「あ、うん」
その間にコップを入れ替え睡眠薬が入ってるのを
彼女のにこっそり置いたのである
「持ってきたよー」
「サンキュー」
「んじゃ、再開しますか!」
「おう!」
飲み物を飲ませるために家の中は暖房をがんがん
効かせている
「ちょっと暑くなってきたね、喉渇いちゃった」
「休憩しよー。入れてきた飲み物もぬるくなっちゃうよ」
「ああ、そうだな」
「「いただきまーす」」
「(ふふ、寛貴。Goo..d..nigh....t....)」
一口、口に含んだだけでも彼女は刹那の如く
寝に入ってしまったのだ
あまりの薬の効き目に彼は呆然としていた
「......はっ」
「ぼうっとしてる場合じゃねえ。今のうちになにしてやるかなw」
「すまないな、千聖」
だが、彼はそんな彼女に小学校の時から恋をしていたのである
一方通行である
なので、行為に及ぶことができず躊躇っていた
「んー......あれ?」
「なんで私寝ているんだろう......」
「なんだろ、これ」
末に悩んだ結果、彼女を家まで連れて帰ることにした
手紙だけを残して
「悪いな、千聖。お前が睡眠薬を入れてるとこを目撃してしまったんだ」
「だからお菓子を取りに行ってもらってる間に入れ替えたんだ」
「で、お前が寝てる間になにしてやろうか悩んだが何もしないことにしたわ」
「というわけだ、じゃあな!」
ぽかーんと呆然している彼女
まぁ当然だろう
彼に睡眠薬を入れたのが仇となり自分が寝てしまったのだ
「くうううう、寛貴め!!!いつの間に!!!」
彼女は相当悔しがっていた
「はは、今頃起きて悔しがってるだろうなーw」
彼は、そうなることがわかっていた
ちょっと、変な感じかもしれないですけど
気にしないでください!!