レポート80
俺は電話帳を開き、那珂愛姫の名前を探し見つける。
緊張するな。
「本当なのか否か……てやっ!」
俺は電話のボタンをおす。
コール数回後に電話でる音がする。
『は、はい。愛姫です』
「こ、こんにちは。えっと、はい。俺です」
『真弓先輩……ですよね? どうかしたんですか』
「あ、いや。ちょっと聞きたいことがあって」
心の深呼吸をして意を決して言う。
「明日の放課後って時間あるかな?」
『明日ですか……ありますよ』
「そ、それじゃあ……話したいなって思って」
『は、はい……校門でいいですか?』
よし、よし!
約束に取り付けた。
第一段階クリア。
俺の心の緊張レベルがアップしたが。
「それでお願い」
『はい……待ってます』
そう言って電話が切れた。
次の日、学校で授業が終わり放課後になった。
若干緊張しながら教室を後にして校門へと急ぐ。
「ごめん、待たせちゃったかな」
「いえ、大丈夫ですよ。HR終わるの学年全体で変わらないじゃないですか」
「それもそうか……」
とりあえず少し歩く。
何を言えばいいんだろう、気づいたら無言になっちゃってた。
「あ、あの……それで話っていうのは」
「あ、あぁ……えぇとその」
もっとはっきり言えよ俺!
頑張れできるって諦めるな。
気持ちの問題だ。
「あの……あぁ~。まってちょっとまって」
「待つので電柱に頭打つのやめてください! 落ち着いてください!」
我を失ってしまうとは……。
「自分でも、だからよくわかってないんだけど……多分当たってると思うんだよ」
「……はい」
「だからつまり俺は……」
もうここまでいったら言うしかない、うまく言える気がしないけど。
「愛姫ちゃんのことが、好きです」




