レポート79
「お兄ちゃん……ってどうしたのソファに寝っ転がって」
イベント終了後、燃え尽きたのもあってナナのチューンアップした後にログアウトして1階のソファに寝転がっていた。
もちろんナナのチューンアップは課金だが。
「最後の最後ミスしちゃってな」
「でも狩ったんでしょ? ならいいじゃん。こっちも狩れたし~」
「アイちゃんの前で俺は何度恥を晒したんだろうか」
「もうお兄ちゃんの個性じゃないかな。そのプレイスタイルは」
死なないように頑張ってはいたんだよ。
でも気づいたらHPゲージとか真っ赤になってるんだよ。
これ絶対FPSだったらすぐやられるタイプだよな。
俺FPSあんまりやらないから知らないけど
「なぁ、蘭」
「な~に~」
「恋ってなんだ……」
「いきなり返答に困る質問をしないでよ……え~と、好きってことじゃないの」
だよな。
好きってことだよな。
「それを証明できることは」
「一緒にいるとドキドキするとか? あとは……一緒にずっといたいと思うとか」
「あんまりリアルで合わないから実感わかないな」
「愛姫ちゃんつれて教室いってあげようか?」
「いや、遠慮しておく……はい、そのとおりでございます」
「まあ、大体わかってたし……お兄ちゃんがそういう反応するの愛姫ちゃんだけだし」
つまり俺より先に俺の気持ちに気づいていたと。
お前、エスパーか。
「もっと簡単に考えれば?」
「簡単にってなんだよ……」
「なんかのペアチケットあたって誘いたいと思った人とか」
「すごい、簡単だな……でもなんとなくそれでいい気すらしてきた」
答えが出る気もしないしそれぐらいでいいかもしれない。
「話聞いてくれてありがとう」
「はいは~い」
蘭が妹で良かったと思った時であった。




