レポート73
次の日になりイベント二日目。
イベントの何かの不具合があったらしく午前中はメンテナンスになってしまった。
そしてなぜかわからないがでかけようという話になって蘭に連れだされている。
「おい、なぜつれだした」
「いいじゃ~ん、どうせメンテでプレイはできないし~」
そうだけど。
妹に付き合いつつウィンドウショッピングする。
近所といえるほどちかくはないが、このショッピングモールはわりかし広い。
そのため女子の買い物といえばココみたいな感じにもなってたりする。
そしてここの近所で女子に間違えられた時が一番精神にくる。
なんでこんなに女子が多い環境下で俺を女子と間違えるんですか、店員さん。
「お兄ちゃんこっち~」
「なんだよ」
「このネックレスお兄ちゃんに似合うと思うんだよね」
「喧嘩売ってんのかお前……」
完全に女性用のデザインだろこれ。
俺は少し周りを見渡して。
「こういうのはな……えーと、そう、ああいう子に似合うんだよ」
「お兄ちゃんも似合うと思うんだけどな~」
「なんで俺なんだよ。ああいうちょっとおとなしそうな雰囲気の子にこそ似合うものだろ」
「ていうかあの子どっかで見たことあるような~」
俺の話を聞けよ。
あと、じりじりその人のほうに近づいていくなよ。
そしてそのまま接触してなんでこっちに連れてきてるの、フレンドリーなの。
「愛姫ちゃんだった!」
「こ、こんにちは」
「あ……こんにちは」
愛姫ちゃんだったのかよ!
すごい恥ずかしいこと言っちゃったじゃねえか!」
「あのね、お兄ちゃんにねこれ似合うと思うって言ったんだよ」
「う、うん……たしかに似合うと思う」
「でもお兄ちゃんは愛姫ちゃんさして、ああいう大人しい雰囲気の可愛い子に似合うものだよこれはとか言ったんだよ!」
「そこまでは言ってない!」
「か、可愛い……可愛い……」
なんか盛られた!
そして愛姫も下むいちゃったよ。
前から思ってたけど耐性がないんだな……多分、そういうことのはずだよね。
その後は愛姫ちゃんも合流しつつ午前中を過ごした。
家に帰る別れ際に愛姫ちゃんに渡しておいた。
「あ、愛姫ちゃんちょっと」
「え? なんですか?」
「いや、その買い物中に邪魔しちゃったりしたみたいだしごめんね。お詫びというかなんというかだけど」
「いえ、そんな。私も楽しかったですし全然迷惑とかじゃ」
「じゃあ、プレゼントってことで受け取っておいて。じゃ、じゃあまたね!}
俺はなんか気恥ずかしくなってその場を撤退した。
蘭の目を盗んでさっきのネックレス買っておいたのを渡した。
「お兄ちゃんどうしたの? 顔真っ赤にして」
「なんでもない……」
俺の熱は家につくまで引かなかった。




