レポート72
「小型だけど、こういうやつか……」
「早そうで嫌だね~」
闘技場内にはいると新しいドラゴンタイプの敵がでていた。
恐竜で言うアロサウルスとかそういう感じの二足歩行の見た目だ。
「くるよ、お兄ちゃん」
「わかって……ん?」
突っ込んでくるなり回りこんでくるなりするとおもって身構えたが視界から消えた。
どこいった……。
数秒後、上から巨体が落ちてきて攻撃に直撃した。
「なっ!?」
「お兄ちゃん!? 『ファイア・ブラスト』!」
ランが炎魔法で牽制する。
俺のHPゲージが黄色まで一発で持ってかれた。
軽装だからやっぱり当たった時点でアウトだな。
「ジャンプもするのな」
「そうみたいだね……接近戦で行こう!」
「了解だ。俺は右から!」
「じゃあ私が左から!」
敵の側面へと移動して攻撃をする。
ただ敵も両手と尻尾を使ってうまく武器を弾いてくる。
だがそれでも何度も繰り返していくうちにダメージが蓄積されていった。
「よし、あと半分!」
「このまま押し切るぞ!」
相手はとにかく素早く運動力があるが特殊能力は持ってないようだった。
俺とランはスキルや魔法を使いつつ数分後、敵にとどめを刺した。
「はぁ……はぁ……普通のドラゴンだったら。無理だった気がする」
「だね……私、MPもうないもん」
俺もランも最終的にかなりギリギリだった。
「少年、お疲れ様だ」
「マスターもお疲れ様でした……クロスボウの戦い方に見えなかったけど」
「体力を鍛えておけばできるぞ」
クロスボウ使う時点であんまり体力とか育てないと思います、マスター。
横ではランと木工野郎2人が話してた。
「ミートさん、すごい肉弾戦でしたね」
「ありがとうございます」
「こいつは前からそうだからな……爪とかすらつけやしない」
「肉弾戦は拳と蹴りであるべきです。映画でもそれがかっこいい」
「お前それW-MEN見たあとでもいえんのか!?」
W-MENとはアメリカのヒーロー漫画の一つである。
俺は結構好きだったりする。
もちろんミートが言ってるようなのも好きだけど。
「お兄ちゃん疲れたからあとはもう観戦しよ~」
「そうするか」
観戦席移動してその後は夕飯の時間まで闘技場で見て過ごした。
ログアウト間際にガマチに
「お前ら兄妹本当に仲いいよな」
と言われたりした。




