レポート8
次の日の朝になった。
昨夜はあの後親が返ってきてから夕食を食べて、夏休みの課題を消化して寝た。
夏休み、平日の俺の朝は朝食作りから始まる。
親はだいたい朝早くから仕事に行っているか休みは休みで起きないからだ。
ちなみに今日は前者だ。
「よし、今日の味噌汁は90点だ!」
朝、自分以外がいない台所でつぶやく俺がいる。
たまに無性にこうやったことを口に出して見たくなる時ってあるだろ、それだ。
「おはよう、お兄ちゃん」
「おう、おはよう」
妹が寝ぼけ眼をこすりながら降りてきた。
なんだかんだ起きる時間は安定してるから安心できる妹である。
「とりあえず、顔洗ってこい」
「はーい」
妹と二人で朝食をとった。
俺は片付けをした後リビングでゴロゴロする。
ゲームをやりたい気持ちはあるんだが買い出しにいかなきゃならない。
そしてまだ8時半でスーパーも開いてない時間なのだ。
「あー。暇だ〜」
「お兄ちゃんどうしたの?」
俺がリビングで唸っているのが聞こえたらしく、妹が降りてきた。
「昼とか夕飯とかその他もろもろの買い出し行くようなんだが、まだスーパーあいてねえ」
「あ〜、そうだね」
その後も妹とグダグダ話していると9時になった。
スーパーが開いたな。
「そんじゃ、いってくるわ」
「いってらっしゃい〜」
俺は買い出しを終えて家に帰ったら部屋に戻りゲームを起動した。
『それデは今日もリンクオーン!』
どうでもいいが、だんだん日本語上手くなってきてないか、この音声案内さん。
時間は10時、俺はアザルタウンに降り立った。
フレンド欄を確認するとユウはログインしているらしい。
だけどまあ今はいいだろう。
俺は昨日行った森へと向かった。
シュルイタチの他にもカルイノシシやルルウルフという動物もでてきたが、なんとか倒しつつ進んでいった。
少し広い場所に出た。
「なんだここ? 中間地点とかそういうのか?」
そんなことを考えてると奥から巨体を持つ動物が現れた。
「クマ?」
俺は槍を構えて様子を見る。
HPゲージは見えるということはエネミーだろう。
「先手必勝!」
俺は槍を長く持ちクマにつきを入れる。
『!!』
だがクマは巨体に似合わないスピードでそれを交わしてきた。
「なっ! 早い」
俺はすぐに槍を戻し体制を立て直そうとした。
しかしその間にクマが接近をしてき手で横薙ぎを繰り出してくる。
「――っ!」
ギリギリのところで槍を縦に持ちそれを防ぐが、力の差がありそのまま吹き飛ばされた。
「ちくしょ、なんつう――」
文句を言う暇もくれないらしく、さらに追撃をしにくる。
右手左手で交互に殴りかかってくる、俺はどうにか槍でガードするがその時予想外のことが起こった。
「なっ!?」
最初の攻撃を同じ横薙ぎを槍で防ぐが、槍が折れた。
そして俺の手から離れた瞬間に消失する。
「どうゆうこ……と……あぁ」
その後はクマに一方的にやられて街へと強制送還された。