レポート67
依頼を分け終えて改めて作製が必要なものの作製にはいる。
運良かったのかあらたにレシピが必要な物は特に必要なかったから2時間もあれば完成するだろう。
「うおおおおぉぉ!!」
「ありがとうございましたー」
レイドボス関係有るのかないのか今日は客足も多くナナは店のほうで対応している。
俺はリビングで作製をつづける。
2時間後作業を終えてまとめて配達NPCに渡す。
これで次に依頼者がログインした時には届くだろう。
「終わったぁ!」
「オつかレさまデース!」
「さて自分用の奴を作らないとな」
「店はドウシますカ?」
「ナナの加減に任せるよ。イベントは俺も参加してくるし」
「了解シマした。マスターの帰りを待っテマす。アトリエはお任セあれ!」
俺は自分の防具を作る。
今までは基本のコート系だったんだが、なんというかロングコート的なものに挑戦してみよう。
素材は黒のレアドロップと赤のレアドロップを合わせたコート。
「まじか……」
手の動かし方で多少の左右はあるが大体の作製完了までの時間が出るが、30分だ。
一つ作るにしては結構長い、素材が原因か。
俺は黙々と作製を続ける。
作業が終わり完成品が現れる。
【赤黒の纏】
黒を基調とし赤の模様などがはいっているロングコートだ。
性能は今までの中ではかなり良い。
「よし、十分だな……いや、ついでだ」
俺は【装飾】で髪飾りをつくる。
前に報酬でとった【桜色の皮】を使い、桜色の髪飾りをつくる。
それを使って髪を結う。
なんというか、人との繋がりを感じる。
ゲーム始めたきっかけは誘われたことだけど気づいたらどっぷりはまってるな、俺。
「ユミさん! いますか!?」
準備を整えていると突然誰かがやってきた。
まあアイちゃんだったわけだけど。
「どうしたの?」
「わっ、それすごい似合ってる……スクショを……じゃなかった。明日からのイベント参加する?」
「あぁ、もちろんだ」
「それじゃあ、これ私からの差し入れ」
そう言って槍を渡される。
前にもらった片刃の槍と似ているが色合いが明るくなっている。
片刃だったのが両刃へと代わったが、槍というより剣に近い形で薙ぎやすいといえるだろう。
だが刃先は前よりも突きやすくもなっていた。
「今までの話を聞いて改良してみたんだけど……どう?」
「使いやすそうだな。ありがとう、アイちゃん」
俺は笑顔でお礼を言った。
「……」
「ん? どうかした?」
なんか顔赤くして固まってしまった。
「おーい、アイちゃーん」
「はっ、あっいえ。良かったです! では私はこれで!」
意識が戻ってからすぐに去ろうとしてしまう。
「あっ、まって!」
「ひゃいっ! な、なんでしょう」
「イベント参加するかわかんないけど、最近前線もでるようになったみたいだからこれ」
「こ、これは?」
「アイちゃん防具つけてなかったしないよりマシかなって思って。バトルドレス作ってみたから似合うと思うし良ければ」
「えっ!? は、はい……ありがとうございます」
バトルドレスは動きやすいように作られたミニドレスみたいなものだ。
ファンタジーゲームとかではよく見かける気がする。
「で、ではこれで……私も参加しますから」
「またね、一緒にがんばろう!」
アイちゃんを見送り俺はログアウトした。
明日より帝都防衛開始!




