EXレポート6
土曜日となった。
今日はバレンタインデー当日だが。
休みということもあり昨日の時点でバレンタインが終わったような気持ちになってる俺がいる。
「そして蘭は起きないと……」
10時になったが蘭は起きてこない。
母も休みになったらしいけどまあ起きても午後1時だろうしいいんだけど。
愛姫ちゃんあのいいっぷりだとくるんじゃないの?
蘭が出迎えなくていいのかな。
家のチャイムがなる。
「しょうがないか」
ソファから立ち上がって玄関へと向かう。
今この家で起きてるの俺だけみたいだし。
「はいはい~」
玄関を開けると予想通り愛姫ちゃんがいた。
よく考えるとなんどかうちきてたけど私服だったんだよね。
特に意識してなかったから気づかなかったけど、ゲーム内よりはおとなしい雰囲気かな。
「こ、こんにちは」
「こんにちは、蘭ちょっとまだ起きてきてないんだけど」
「あ、いえ。その今日は真弓先輩に用がというか」
「俺?」
考えてなかったわけじゃない。
今日何かあるか聞かれたのは俺だったし。
でも勝手にそう思っていざ違ったって時のダメージを下げるために考えないでいたんだけど。
俺だったか。
……なんか気恥ずかしくなってきた。
意識しすぎてるみたいじゃん。
「あの、これ!」
そういって綺麗にデコレートされた小さい箱を渡された。
「えっと……」
「あの、バレンタインチョコ。今日渡したかったので」
「あ、あぁ! ありがとう」
「唯一手作りしてたので……そ、それじゃあこれで!」
愛姫ちゃんは走り去ってしまう。
唯一手作りって……つまり。
いや、まて俺の勘違いかもしれないし簡単にそう思ったらダメだ。
でも少なからず嫌われてはないんだよね――
「うちの息子にもあんな相手ができたか~」
「お兄ちゃん鈍いからな……自分の気持に」
「えっ!?」
「あっ見つかっちゃった」
後ろから声が聞こえて振り向いたら母さんと蘭がいた。
もしかしてさっきの全部見られてた……。
こうして俺のバレンタインは幕を閉じた。
これにてEX章終了となります
受験などがあって今後少しの間更新止まる日があるかもしれません。




