レポート65
ボスフロアをでて帝都まで戻ってあの時のことをラン達にも聞いた。
どうやらラン達のほうは通常通りのボスが出てきたらしい。
つまりあのフロアが偶然何かの条件を満たして特殊戦闘のようになったのか。
「そういえばララルとアサヒ君は」
「そろそろ時間だからとログアウト先にしちゃったね」
「まあそれは仕方ないか」
とりあえず目的の素材はゲットできたみたいだしいいか。
さて俺も落ちようかな。
「そういえばユミさん再来週の土曜って家にいますか?」
「土曜? 多分いると思うけど……男は出て行った方がいい感じかな?」
「お兄ちゃんって敏感なんだか鈍感なのか……鈍感だね。むしろ家からでちゃだめだよ」
「え? ……まあ予定ないからいいけど」
来週の土曜ってなんかあったっけ。
近々2月に入りまするけど節分にしては遅いしな。
「そういえばお兄ちゃん弓なんて使い始めたの?」
「いや、サブ武器としてな。でもやっぱり槍のほうが手に馴染むな」
「役にたっててよかったです」
「いつもありがとうね……なんかこのままだとアイちゃんなしじゃいられなくなりそうだな」
「えっ!?」
「――ゲーム内で」
「お兄ちゃん……」
「ん? ってあれ? アイちゃんなんでそんな落胆してるの!?」
いや、武器の整備とか完全に任せちゃってるからってことだったんだけど。
「夕飯近いし私は落ちます」
「う、うん。またね」
アイちゃんがログアウトしていった。
「なんで怒っちゃったんだろ」
「そこはわかろうよ、もう」
ランも呆れてるなら一通のメッセージが届く。
「ん? 称号ゲット?」
「えっ!? なになに。お兄ちゃん私の知らない称号結構とってるからワクワクだよ」
「『この度、死亡数ランキング上位10位以内に8週間残り続けたことを記念し【特攻の匠】の称号をプレゼントします』だって……あんまり嬉しくねぇ!」
俺の叫びが帝都に響き渡ったかもしれなかった。
短いですが終了です
サブ武器章も終了となります




