レポート7
「そおいや、二人共レベルいくつぐらいだ?」
オレンジ髪の剣士はブルーウルフを狩りながら言ってくる。
ユウ、なんでそんなに余裕をもって狩れるんだお前は。
「私はもうすぐ10になりますね、スキルのほうも同じくらいです」
空色髪の女性は、水の魔法を使いつつ答える。
レールさん、魔法ってそんな簡単に使えるものなんですか。
「俺は次が7だな」
二人と比べてソロで狩った時間に数を狩ることができなかった俺は低めだった。
しかし、この二人と出会って、俺と同じような人はもっと多くいると思う、思っている!
「7まで言ってるなら平気だろう、もう少し奥でレベル上げしようぜ!」
そういってユウは草原の奥に森を指さした。
「そうですね、あそこの適正レベルが7から15くらいまでだったと思います」
「え? そうなんですか?」
「はい」
レールさんが何気なく言ったが、俺はよく知らなかったので反射的に再確認してしまった。
森へと向かって移動している道中にレールさんがこんなことを聞いてきた。
「そういえば、俺とか大将って呼ばれてますけど。 今流行のボーイッシュ女子何ですか?」
どういうことだ。
つまり俺は今女に間違われているのか、それとも半信半疑だから聞いてきたのか、まあいい、もう慣れたことだ。
「いや、俺は男ですよ。正真正銘の」
「ユウさん、本当なんですか!?」
「え? 大将は男に決まってるじゃねえか、今さら何を」
「いえ、声とかは男の子ですけど。見た目が中性的で名前も女の子みたいだったので女子だと思ってました。ユミさん、すみません」
「慣れてるので、お気になさらず」
こう謝られてしまうと俺もどうしていいかわからない。
その後俺のことをいろんな方向から見てきたりしたが、納得がいったようだ。
この人静かそうに見えて意外と天然さんなのかな。
「さて、ここからが森のエリアになるぜ。主にでてくるエネミーは動物系が多いから木の上からの不意打ちとかに気をつけてな」
「気をつけても反応できねえよ……」
ユウは軽く言ってくるが俺はまだ槍の使い方を覚えていないのだ。
3人で森に入って行くとさっそく大きめのイタチのような動物が現れた。
数は4匹といったところか。
「俺が2匹相手するから右のはレール、左は大将が頼む。」
「了解しました」
「負けても文句言うなよ」
俺達はユウが言ったとおりに別れる。
俺は一匹のイタチに目標を定める。
「たしか、あの時は……」
ブルーウルフを倒した時の、あの時の感覚を思い出す。
意識的には覚えてないけどたしかこうだったはず。
俺は槍の柄の中心を右手でもち、イタチを突きにいった。
『!!』
イタチはそれに直ぐに反応し、槍をかわす。
俺は焦らずに逃げた方向へ槍を払う。
「くそっ、距離がたんないか」
そのまま空を払った。
俺は槍を両手で持ち叩きつけにいく。
次は命中するがそれだけでおわすつもりはない、そのまま相手の顔の下に石突きをいれ突き上げる。
「おらっ!」
そして槍を片手に持ち替えて斬りつける。
「そうか、こうか!」
何度か斬りつけるとイタチが倒れた。
ドロップ品を見るとシュルイタチの皮というアイテムがでた。
「なんとなくは動かせるようになったけど、絶対これここらへんでしか通用しないだろ」
攻撃も斬りつけてる途中に何度か受けてしまっていたらしくHPが減っていた。
痛みがほぼないのもあって小さいダメージに気づけないことがわかった。
その後も数回イタチに襲われたが、なんとか倒して俺含め全員のレベルが10を越したところでアザルタウンへと戻った。
「そろそろいい時間だな」
「だな、いつのまにか6時になっちまってる」
「ユウさん、ユミさん本日はありがとうございました。今日は私はこのへんで」
「おう、おつかれ」
「おつかれさまです、あ、レールさんフレンド登録いいですか?」
そうしてレールさんとフレンド登録をした後レールさんはログアウトした。
「俺は多分そろそろ飯もあるから一旦落ちるけどユウはどうするんだ?」
「軽く一人で狩ってから落ちるわ、んじゃな」
「おう」
そこでユウと別れ俺もログアウトした。