レポート62
昼食のために一旦ログアウトして一階へと降りる。
「あ、お兄ちゃん。今日はなにかな」
「ホットケーキでいいか……たしかかさばって邪魔になってたから」
「おっけいだよ!」
賛同も得られたのでホットケーキを作った。
その後はいつもどおり食べて片付けてという昼を過ごした。
「そういえばお兄ちゃん今日は誰といたの?」
「ん? 最近出会った人といたな。見た目はお前と同い年ぐらいだな。アサヒって名前の」
「あ、それクラス委員長だ。道理で帝都にきたのこの前だったのに数日でメキメキ腕が伸びるわけだ」
「意外とうちの学校のfow参加率高いな」
確かにメガネを掛けたらまさにクラス委員って感じだったけど。
「お兄ちゃん午後暇なら攻略行こうよ。海辺の洞窟の」
「あそこかよ……なんか情報みたら蟹とか蛸とかでてくるって話だろ」
「そうそう、それでボスが何故か動くゴムの木らしいんだよ。その素材が欲しくて」
「弓の練習してるから序盤は弓でいいなら付き合ってやろう」
「やった。えっと今日はミルナはいないからララルと……委員長もいたら呼んじゃおう!」
クラスでもこんな扱いなのかな。
なんとなくアサヒ君に同情する俺だった。
「ユミさーん。数日ぶり~」
「数日ぶりだな~。ところでその装備なんだ」
ララルと喫茶店であった時はアバターだったんだろうがラフな少女という雰囲気だったが。
冒険用装備は初めてあったあの時の装備とはずいぶん違っていた。
前は魔法用装備だったが今は完全に動き重視といったところだ。
「いやぁ、あの時ね。シャイニングナックルしたじゃない。そしてアタシは拳に目覚めた!」
「はた迷惑な。俺以外の人間をも踏み台にしているのか」
「ラン以外はしてないから大丈夫」
「私はもうごめんなんだけどね」
3人で話しているとアサヒ君も合流する。
「な、なんだ。急に僕を呼び出すとは……ってユミさん!? なぜランと一緒に」
「どうも、ランの兄です」
「これはご丁寧に……兄!?」
「お兄ちゃんだよ。でこっちが私のパーティーよく組んでる人の一人。ララル」
「よろしくねー」
よしこれで揃った。
出発だと思った時に近くに見覚えのある金髪が見えた。
「なあランあれって?」
「ん~? 多分そうじゃないかな。今日海辺で水属性の鉱石探すって言ってたから」
つまりアイちゃんということだな。
「ん? ラン。何の話をしている」
「委員長、もう一人同級生があそこにいます」
「髪しか見えんし金髪の同級生などいないだろ……ゲーム内だから余計にわからん」
ランとは結構中がいいのか馬があうのかな。
タメ口だし。
いや俺が年上だからこれが普通なのか。
「よーし、よんでこよう!」
「あぁ、そうだアサヒ君に言いたいことがあったんだ」
「何ですか?」
ランがアイちゃんの方に行ったが気にせず進める。
「まあララルみたいに完全な前衛思考なら良かったんだけど」
「アタシの話?」
「違う。まあアサヒくんの場合多分タイプ的に中距離だったりするのかもなって思ってね。少し武器とかも考えてみてもいいかもってこと」
「たしかに僕は短剣は向いてないのかもしれません。今は魔法技能も一緒に育てているのでそっち方面を優先してみます」
それなりに自覚はあったみたいだからいいか。
「ランちゃんこんなところでどうしたのってユミさん!? と委員長?」
「君だったのか……なんというか雰囲気が大きく違うな」
「いいじゃんゲームだし。私だって色々やってみたいことが……ユミさんなんで目を逸らすんですか!?」
「いや、ごめん。なんというか今の状況の君を見るとこの前を思い出してしまいそうで」
「あぁ~。アイちゃん水の中の鉱石とってたから髪濡れてるもんね。ゲーム的な意味で服とか防具は濡れてる描写されてないのに」
うん、ダメだ。
下心なんてものはないんだけどやっぱり意識しだすとやばいぜ。
「それでこれって何をしに?」
「洞窟攻略!」
「どうもララルです。よろしく~」
「あ、よろしくお願いします。委員長短剣なんだ……近接?」
「まだスタイルが確立していない」
「じゃあ私が作った武器使ってみない? 鎖の先に短剣つけたものなんだけど」
そうやってインベントリを開いて武器を実体化させる。
言葉の通り鎖がありその先に短剣が付いている。
「投擲して刺して手元に戻したり鎖で動きをとめたりできるから、まあ好きな様に」
「ありがたく頂いておこう」
たしかにアサヒ君の間合いだとあの武器はあっているのかもしれない。
ただ絶対扱えるようになるまでに時間かかると思う。
アイちゃんもパーティーに加わって洞窟攻略が始まる。




