レポート60
帰宅後に俺はfowへとログインして特攻野郎達に連絡を入れてみたが今は忙しいみたいだ。
弓って木工系らしいから頼みたかったんだがまあ仕方ない、NPCショップで買うとしよう。
「ありがとうございました」
「まあこれでいいかな」
初期で渡される弓の一つ上程度の今の俺にとって安価な弓を購入した。
その他に矢筒と矢も購入して帝都近くの草原へといく。
ここにいる一番ノーマルな『ウルフ』は色々な面で練習にうってつけの敵エネミーだ。
「弓を引いて……放つ」
一回目から命中したがかなりシステムアシストで俺の動きは動いていた。
槍の時のこともあって実はこうやって大幅なシステムアシストで体が動くのがすごく違和感を感じてしまっていたりする。
もう少し自分の意志で動かしてアシストは最低限にしたい。
「こうなら……どうだっ!」
次の矢はウルフの横を綺麗に飛んでいった。
「うぅん、アシストは最低限になったけど狙いが付けられないなぁ」
俺はその後矢が尽きるまでウルフを見つけては狩ることを繰り返した。
そして最後の矢を放つ前。
「ふぅ……うぅん。結構いい感じにはなったな。結局アシストの動きを覚えて自分の意志でやってるってだけだけど」
アシストが発生するのはやろうとしているアクションの体の動きを知らない場合だからだ。
俺はアシストの動きを覚えて自分でやることでアシストがかからなくなるようにした。
「さて、残り一本射ったら今日はログアウトするかな……っとあれはどうした」
学校から帰宅してからログインしてるいつもの時間のため夜の暗闇で見えにくいが、松明もったPCが草原ではウルフよる一つ上の『ハーブスネーク』に追いかけられている。
ただの蛇だけど王都から帝都に来たばかりのPCからすればそれなりに強力だ。
「あたるかなっと」
俺は最後の矢をハーブスネークに狙いを定めて放った。
矢は敵の腹部に命中しHPゲージなくなり倒すことができた。
「大丈夫ですか……夜だからスネークには攻撃しないほうがいいかと」
俺は逃げまわっていた人のほうへ行って話しかける。
「あ、ありがとうございます。まだ帝都にきたばかりで」
「まあそうだとは思ったよ。この辺の敵はレベルは足りてるはずだから後は動きとかの問題だと思うから練習あるのみだよ」
「そうなんですか?」
「そうだったりするんだよ。まあ、次からは気をつければ大丈夫なはずだよ」
その人は周りに敵がいないことを確認してから安堵の表情になり立ち上がり綺麗な礼をしてきた。
「このたびは本当に有難うございました。僕はアサヒといいます」
「俺はユミです。まあここであったのも何かの縁だし。フレンド登録しませんか」
「い、いいんですか? それでしたら是非!」
「大丈夫大丈夫」
そういってアサヒ君とフレンド登録する。
なんというかフレッシュだな。
俺もまだ来年度に18になる程度の歳のはずなんだけどな。
アサヒ君も時間だからログアウトするようだった。
俺もログアウトしその日は就寝した。




